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ジワジワと世間に沁み込ませていきたい障害児の親の願いの話

2021年12月5日。

えっと……なんの日?

私が前回、noteを更新した日です。
随分間があいてしまいました。

私にとってnoteは、心の内にわきあがってどうしようもなく膨れ上がった気持ちや考えを、いくらか読みやすく整えて世の中に発信させて頂こう、という、誰に頼まれたわけでもなくただ自分のためだけに書き上げた、Twitterに載せるには長すぎるけど電子書籍にするには短すぎるような文章たちの集合体です(長い)。

以前はけっこう頻繁に更新していたnote。

それが、ありがたいことにライターとしてたくさんお仕事を頂くようになり、書かせてもらえる場所が増えてくると、いつのまにかこの場から足が遠のいてしまっていました。

冒頭の数字、2021年12月5日の記事(というかマンガ)を書いた頃からトントントンと、これまで完全に読み手でしかなかったいくつかの大きなwebメディアさんで、定期的に記事を書かせて頂けるようになりました。

同時にイラストレーターとして挿絵も描かせて頂くようになり、それはそれは気合いを入れて書き(描き)続けた約半年。

今、ふとこうしてまたnoteに戻ってこれたのは、新たなお仕事テンポにようやく慣れて、余裕ができてきたからかもしれません。

自分が書いた記事が多くの人の目にふれると同時に、Twitterでフォローしてくれる方の数も増えました。

戦略的なものは特に無く、ただ書き続けて描き続けているだけですが、だいたい3か月で1000人くらいのペースでフォロワーさんが増えていて、今は8000人を少し超えるくらい。
とてもありがたいことだと思っています。

子育て世帯が少数派っていわれるけど、その中の更なる少数派にも気付いてほしい

一昨日、選挙がありましたよね。
Twitterでも書きましたが、今回の選挙で私が強く感じたことは、自分のような「障害児の親」は、日本人全体の中でも少数派の中の少数派だということです。

「子育て支援」を訴える候補者や政党はたくさんあっても、「障害児支援」を訴える候補者や政党はあまりに少ない。
「児童手当の所得制限撤廃」という公約は紙面にたくさん踊っていても、「障害児手当の所得制限撤廃」の文字を探すのは至難の業でした。

でも、カミングアウトすると我が家は、児童手当はまだ所得制限で切られていないけど、障害児手当はいくつか切られています。

特別裕福な家でもないですよ。
夫が毎日深夜帰宅で働きまくってくれているおかげです。

私は実家が遠方なので、基本的にいわゆるワンオペです。
でもさすがに、持病がある私が誰にも頼らず重度の障害児を含む子ども2人を育てるのはリスクが高すぎるし普通に厳しいので、福祉の力にたくさん助けてもらっています。
息子へのフォローが手厚く、居場所も得られる自治体をめざして、そのためだけに引っ越しまでしたくらいです。

障害児への支援は、こうして「引っ越し」も選択肢に入れなければならないくらいには、全国的に足りていない現状だと思います。

今、私たち家族は、充分に支援を受けて暮らせていると思いますが、そこには「引っ越しまでして手に入れた」という前置きがあります。
本来なら、全国どこにいても、どんな障害がある子が生まれても、本人や家族が望むように生きられる世の中であってほしいと思うのです。

でも、その声は世の中に届いていない。
届いていたとしても、公約に掲げるほど重要なことだとは捉えられていない。
そんなことを実感した選挙でした。

政治に振り向いてもらうために、少数派なりにできること

少数派であることは、もはやどうしようもできません。

世の中を動かす政治において、少数派より多数派が求めることを優先した方が、支持も得られるしメリットも大きいだろうということは、私でもわかります。

かといって私は、「それなら自分が政治家になって世の中を変えてやるぜ!」というタイプではありません。
もともとリーダーシップとか、前に出て人を束ねて率いていくみたいな、そういうことが一番苦手な人間なのです。
こればかりは性格や特性の問題なので、「やりましょう!」と言われて「はい!やります!」と言えるようなものでもありません。

ただ、私は思っていることや考えていることを言葉にして表現することが好きで、僭越ながら割とそういうことが得意かなと思っています。
人を束ねることは苦手でも、人の言葉を束ねて伝えること、人の思いを代わりに言葉にして伝えることはできるんじゃないかと思うのです。

だから、私は言葉で世の中の人の心を動かしたい。
少数派の私たちの意見がもっと世の中に浸透していくように、ジワジワと心を動かす、影響力を持ちたい。

選挙で障害児支援を掲げる候補者を当選させる、ということだけが世の中を変える手段ではありません。

今、政治を動かす場にいる人たちに振り向いてもらえるように、長い時間をかけて、私たちの生活や感じていることを、世の中に浸透させていくこと。
それも大切な、政治を動かす手段だと思います。

「障害児の親」の私だから書いている

ここまで書いて、なんだか熱くなって大それたことを書き出してしまったな……などと汗かいてきましたが、とにかく政治に振り向いてもらいたい、それだけなのです。

私の発信はいつも障害児育児のことばかりで、少々重いと感じる人もいるかもしれません。

でも、私はそもそも「障害児の親」という肩書きありきで世間に知ってもらいたいのです。
だから、私を認識したことで同時に「障害児」という言葉が目に入ってもらえれば、それは本望です。

少数派の立ち位置で生きる人間でも、多数派の何十人、何百人分もの影響力を持てる人になりたい。

だからこれからも、書き続けていきます。
こうやってストレートに頼むのは好きじゃないけれど、応援してくれたら嬉しい。

私だけでなく、世の中を動かしたい、もっと障害児とその家族の方を見てほしい、と考えて活動している人は、たくさんいると思います。

自ら政治の世界に飛び込むこと、事業を起こして起業すること、行政に向けて要望書を出すこと、団体に属して声をあげること、SNSでそんな情報をシェアすること。

色々な方法がありますが、自分ができないことを人に求めることはできません。
人にはそれぞれ、やりやすい方法、特性がある。
それぞれがそれぞれに、無理せず自分ができることをしていけばいいと思います。

私はライターとして、イラストレーターとして、webを中心としたメディアを通して、障害児育児のリアルを発信していきたい。
私自身がもっともっと発信力を高めて、障害児育児の認知度をあげていきたい。

そんな風に思っています。



今日は本当は、つらつらと書くだけ書いて放置していた「ゴリアテさんの話」というエピソードをまとめるつもりだったのに、全然違う話になってしまいました。

「ゴリアテさんの話」もできるだけ早く書き上げます。

また、読みにきてください。

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