先見の明:20年前の国家公務員研修が今も心に響く~ケーキが切れない大人たち
公務員クエスト失敗おじさんの「ありのこ」です。
私は出先機関に20年以上勤務した元国家公務員です。
潰瘍性大腸炎という病気のために退職をしました。
潰瘍性大腸炎は難病に指定されている病気です。
そして私自身も難病指定されている難病患者です。
しかし障害者ではありません。
「私は難病患者だが障害者ではない」ことは後々の話に関係してきます。
覚えておいてください。
(*害という文字を外すため「障がい者」と表記することもありますが、ここでは障害者と表記します。法律名や条文にて障害者と使っているのでその表記に従います)
「ケーキを切れない非行少年たち」で注目を浴びた境界知能
宮口幸治「ケーキを切れない非行少年たち」という本がかなり注目を浴びました。
出版は2019年です。
「ケーキの切れない非行少年たち」はかなり世間にインパクトを与えました。
「円形のケーキを3等分できない」という衝撃。
「え?ベンツのマークみたいに切ればいいだけでしょ?」
多くの人たちがそう思ったわけですね。
特に「想像を絶する切り方」を絵で示したのはすばらしい。
「ケーキを切れない事例」についてはp32~35あたりで触れられています。
逆に言えば「ケーキを切れない」については4ページくらいしか書いていません。
取り上げている事例の1つすぎないのですが「ケーキを切れない非行少年たち」というタイトルとこの絵をバーンと持ってきた。
「ケーキを切れない非行少年たち」というタイトルとこの絵によって世間の注目を集めました。
新潮社・編集担当者の勝利だと思います。
「ケーキを切れない非行少年たち」にて注目されたのは「境界知能」の問題です。
簡単に言えば「普通でもないが知的障害でもない」。
「グレーゾーン」と言われることもあります。
「ケーキを切れない非行少年たち」の第4章は「気づかれないこどもたち」です。
この本はタイトルにある通り「非行少年≒犯罪をした子供たち」を扱っています。
しかしこの本に書いてあることは「非行をした子供たちだけの問題なのだろうか?」となったわけです。
非行もしないけど少年ではない、つまり普通の大人の中にも似たケースがあるのではないか?
犯罪はしない境界知能の大人たちは一定数いるのではないか?
「気づかれない大人たち」がいるのではないか?
2020年頃になって「境界知能」が世間で話題になった時、思い出したことがありました。
公務員時代に受けた研修のことです。
20年先取りしていた国家公務員の研修
私が国家公務員になったのは2002年です。
新人の時だったか採用されて2~3年目のころだったかははっきりしませんが、かなり若い時に受けた研修のことを覚えています。
だから2000年代前半の研修です。
研修所に泊まり込みで行う研修で、全国の出先機関に勤務する国家公務員たちがその研修所に集まっていました。
色々な講師から色々な講義を大教室で受けます。
座学っていうやつです。
最近の研修はものすごく質が高く「まじめにやりすぎでは?」と思うほどでした。
しかし2000年代前半の研修は・・・「クソ」です。
ごめんなさい、正直な感想です。
そんなクソ研修ばかりのかなで1つだけ輝いている研修がありました。
「人権」に関する研修です。
「人権」に関する研修はどんな研修でも組み込まれることが多いです。
ただ研修のテーマはそのときによって様々です。
数年前だと「LGBT」や「LGBTQ」がテーマになりそうです。
その時に話題になっている人権のテーマが研修で取り上げられることが多かったです。
ただし旬のテーマがない場合は個別のテーマが取り上げられます。
20年前の研修では障害者が取り上げられました。
この研修の講師の方は男性でした。
そして外部の方だったことは覚えています。
障害者に関する行政を担当している公務員ではありませんでした。
はっきり覚えてませんが、大学の専門家(教授など)かNPOで障害者支援の活動をしている方だったと思います。
この講師の方は「人権の観点から非常に難しい問題点があるけど、今回お話します」と前置きをして研修を始めました。
研修の根幹にかかわる部分の資料は作ってなかったと思います。
講師の方は「紙で残すべきではない」と判断したのだと思います。
それでは本丸に話を進めます。
講師の方が「紙で残すべきではない」と判断した研修の内容に話を進めます。
無職の難病患者なのでサポートしていただけると大変助かります。 サポートしてくださると庶民の味方・ドトールに行けるようになります。