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聴くことは特殊技術

カウンセラーとして、じっくり話を聴くことを旨としていますが、気が付くと

「それをここで話しても意味ないでしょう」
「私は、そのことについて特に意見はないです」
「私には関係のない話なので、よく分かりません」

とか、共感もねぎらいもない言葉を発していることがあります。もちろんカウンセリング中はこんなことは言いません。普段のコミュニケーションの話です。

他にも、相手の話をさえぎって話をしたり、自分の話をすることばかりを考えて、話すタイミングを伺ったりしています。

カウンセリングの時とそうでないときで、コミュニケーションの仕方を切り替えているということなんだと思います。

とすると、聴くってスキルなんだなと改めて実感します。

相手の話を口を挟まないでしっかり聴いて、言葉の背後にある、気持ちや、本当に言いたいことを考えて、共感して、すこし励ましたり、相手の考えを引き出すための質問をしたり・・・

完全に相手軸にして話を聴いています。だから、クライエントさんは私がカウンセラーだということは分かっていても、私についての情報をほとんど知りません。私が自分のことを話すことはあまりないからです。

一方でカウンセラーの私はクライエントさんの生い立ち、家族構成と家族のそれぞれの性格、現在抱えているこみった事情の登場人物とその登場人物たちのバックグラウンドなど、ライフヒストリーをかなり知ってしまいます。

関係性も、コミュニケーションの取り方もアンバランスです。だから良いのだと思います。

通常のコミュニケーションをとる、友人や職場の関係の人にはこのアンバランスな関係はないです。

むしろ、自分だけが話を聴かされるという一方的な関係であれば、その人とは距離ができてしまいます。

聴くという誰でもできそうで、実は奥深い世界がカウンセリングの傾聴です。

傾聴一つ取ってみてもかなり奥深いし、これを練習すると、自分と向き合うことになります。聴けなくなって、つい口を出してしまうとき、自分の内面がどうなっているのかを考えるきっかけができます。

カウンセリングの聴くは特殊技術です。


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