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彼女のお腹の中で、今赤ちゃんが育っている瞬間を見た。

きっと、わざわざ言わなくていいことだから口にはしなかったし、そもそも口に出すべきではないことなのかもしれない。

でもここでは正直に書きたいと思う。

彼女が妊娠したとおめでたい報告を聞いて、本音を言うと羨ましく思ってしまっていた。

心から素直に喜べない。

もし直接会っておめでとうと心から言えるのだろうか。

私はなんて悲しい人間なのだろうか、とここ1週間、ずっともやもやしていた。


昨日久しぶりに彼女に会って、あらためて報告を聞いた。
その時彼女の顔を見て、なんとなく心にあったモヤモヤも少し晴れた気がした。

妊娠して、食欲が出てきた?と聞いたら、すごく眠くなるの。と話してくれた。

さっき彼女がソファで寝ていた。

そのあどけない、無垢な寝顔を見て、とてもとても愛おしくなった。

お腹には、赤ちゃんが育っているのだとなぜか実感できた。
きっと、今も赤ちゃんは彼女と一緒に眠っているのだ、と。



私自身が妊娠したとき、姿の見えない我が子をどう愛していいのやら、どう愛でていいのやら、声をかけるのも、どのような感情でいるのが合っているのか、わからなかった。

彼女のまだお腹も膨らんでいないお腹から感じる生命力を、感じたような気がした。

私の妊娠期と答え合わせをするように。


心から愛おしくなった自分に安心した。
おめでとう。
新しい赤ちゃん、楽しみかもしれない。

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