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40代にこそ実践したいゼロで死ぬ生き方


著:ビル・パーキンス
DIE WITH ZERO

人生で一番大切な仕事は
「思い出づくり」。
最後には結局「思い出」しか残らない。

この本の素晴らしいのは、
人生で一番大切な仕事は思い出作りである、
そう冒頭で言い切っているところが最高だ。

莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金を全て使わずに死んでしまえば、人生は貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。

そして、その時間を取り戻すすべはない。
どんなにお金を積んでも時間を巻き戻すことはできないのだ。

多くの人が働きすぎて、そして働いて稼いだお金を使いきれずにただの無駄な紙として死ぬ。老後のために貯めすぎていても仕方がないというのが著者の主張で、非常に共感した。

死ぬ間際に人が思う後悔は2つ

臨床に立ち会う看護師さんの実体験からのエピソード。人の後悔は大きく二つしかないと言い切る。

1:「もっと自分に忠実に素直に生きればよかった」

2:「あんなに働きすぎなければよかった」

逆に、
「もっとオフィスに行けばよかった」や
「あんなに子育てしすぎなければ良かった」と
思う人は1人もいない。

だからこそ、明日死ぬと仮定して、今やっていることに意味があるのか、後悔はしないのか、自問自答が重要になる。

私が仕事を大幅にセーブし、次男を幼稚園に転園させて、子供との時間を最大限作ろうとしたのも漠然とそんなことを思ったから。この本に明文化されていて、大きな自信となった。

70歳を過ぎたらお金を使う意欲は劇的に失せる

70歳を超えると、人はお金を使う意欲が薄まり、1万ドルの小切手を孫にもらったとしても、孫へのプレゼントとして50ドルのセーターを買うことくらいしか思い浮かばなくなるそうだ。

お金を持っていても、その価値を最大限に活かせるタイミングが人生にはある。それを忘れてはいけない。

じぃじやばぁばにはお金よりも体験をプレゼントすることが最も意味があると改めて認識する。

物を送りつけるよりも、孫の顔を見せに行き一緒の時間を1秒でも長く過ごすべきなのだ。


子供に財産を分け与えるなら26-35歳に

この本では、子供に遺産を与えるならば生きている間に適正なタイミングで与えよと記されている。
それにも非常に共感する。

現に私も最もお金を必要としたのはこの頃だ。

結婚、子供の誕生、起業、留学、始めたビジネスの運転資金…

新たなチャレンジを子供がしようとするタイミングに惜しげもなく親が財産の一部を子に与えることができたら、こんなにお互いがハッピーなことはない。

そのお金を差し引いて、自分たちの老後に必要なお金を理解し、それを使い切る気持ちで生きる。
それが最高に幸せな人生の時間とお金の使い方である。


金に価値があるのは
それを使って「有意義な経験」ができるから

有意義な時間=子供と過ごす時間
ももちろん含まれる。

大掛かりな旅行に行くということが全てではなく、親から人生を学ぶことというのは、単に一緒に過ごす時間も、子供にとって大事な経験だと筆者は力強く言い切っている。

学校から帰ったら親がいる。
そんな当たり前を私は実現したかったから働き方を変えた。一緒にいれば口論や喧嘩も増えるけれど、人間同士のぶつかり合いなんだから、それはそれで良いのだと思える。

そして、かけがえのない機会は次第になくなっていくのも事実で、仕事ばかり優先して、もっと稼いだら子供と時間を作ろうと思っているうちに無情にも子供は大人になり、親と積極的に過ごそうとしなくなる。

それを忘れてはいけない。
改めて肝に銘じる。


「金」「健康」「時間」のバランスが人生の満足度を高める

今しかできない経験(価値のあるものだけ)への支出と、将来のための貯蓄の適切なバランスをとることが大事。

なんでもかんでもお金を浪費すれば良いわけではないというのが大切なポイント。

たとえばバックパッカーの貧乏旅行は20代の体力と若さゆえに楽しめるもので、そのタイミングを逃せば楽しいものにならない可能性が高い。

反対に先送りすることで楽しみが増える経験もある。

それを見極める目を養うこと、それも人生においてはとても重要なことだ。

今日という日の当たり前は当たり前でないということ、今目の前の子供はずっと子供ではないということ、子育てで大変に思える毎日は決して永遠に続いてくれないということ、自戒を込めて忘れないようにしたい。

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