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非キンプリオタクがL&に魅了された件

最近King&PrinceのRe:SENSEというアルバムが発売された。
おもちゃ箱のような面白いアルバムでドライブのお供として大活躍していただいている。

そんなタイミングでおかしいのだが、敢えていまここで前回のアルバム『L&』(ランドと読む)について勝手に感想を書いていきたいと思う。
なぜなら私はこの『L&』が来世まで残したい名盤だと思っているからだ。

ジャニーズの音楽なんか聴かないよという人にこそお手にとってみてほしい。そんな想いで書いていきます。


前もって私の情報をお伝えすると
実はこのアルバムを聴くまでキンプリは特別ファンではなく、メンバーが面白いよね、というレベルの知識だった。(20年選手のジャニオタではある)
そんな中、歌番組で彼らが歌った『ナミウテココロ』を聴き
ん??キンプリってこんなおしゃれな曲歌うの?!とひっくり返り、
大慌てでこの『L&』を手にしたのであった。


※私は音楽評論家ではなくただのオタクであり、
音楽用語の知識やメンバーのパーソナルな部分もほぼ存じ上げないので
その点はご理解ください。

あくまで非キンプリオタクがL&に心惹かれてnote書いちゃいました、です。


◆一枚がストーリーになっているような曲順

このアルバムはどの曲も名曲である。
好きな曲だけピックアップして聴いても十分に魅力がある。
だが、順番通りに聴いていると彼らキンプリが私たち聴き手をキンプリL&(ランド)に手招てくれて、その中を案内してくれているような錯覚を覚える。それこそがこのアルバムの魅力だと思う。


◆L&(ランド)への招待

まず、『Key of Heart』『&LOVE』で私たち(非オタサイド)が想像するキンプリらしいさわやかな王道のアイドルの世界観でお出迎えしてくれる。

『Key of Heart』はメンバーの永瀬廉さん主演の映画の主題歌だったが
ただのキラキラ系だけでない、青春の爽やかさの詰まった1曲だ。坂道や加速など映画(弱虫ペダル)に合わせた歌詞ではあるがまっすぐな応援ソングに大人になってしまった私でも胸の奥が透き通るような涼しさを感じる。


『&LOVE』はいわゆるタイトル曲になるのかな?
MVもあいまって、とにかくキュート。
Baby Babyとキャッチ―なフレーズから始まり、歌詞は恋愛モノともとれるがどちらかと言えばファンや聞き手への応援ソングに近いだろうか。
不安や戸惑いを抱えてそれでも前向きに頑張っている「君」へ、その笑顔を
守ってあげたいと彼らが歌ってくれている・・・
ジャニーズ元気になる枠ソングだ。


◆幕が開いたらスーパークールだった


『Break Away』
さて、これである。
私の中でこの曲は、前2曲でランドの入り口に立っていた私たちの目の前で、ランドの幕がガバーッと開いたような感覚のする一曲である。
ワクワクが止まらなくなるのだ。
それまでの優しい歌いとは違い、セクシーな声で you gotta keep on moving onと始まる。
軽快なクラップがまた心を引き寄せてくる。ロック調とジャズ風味、ギターの音とベースラインの鋭さにぎゅんぎゅん。
前2曲の「ああキンプリらしいな」と爽やかキュートな楽曲が続いたあとこの曲で一度私たちの心をドキッとさせてくれる。
まるで「姉さん方、俺らこんなんもできまっせ」とニヤリとされているような気分になる。
この曲からもう私の心は「ああ、楽しい世界に来ちゃったな」と頭を抱えてしまった。

『Mazy Night』
全曲のBreak~の衝撃が冷めやらぬまま、シングル曲へ。
ドラマの主題歌になったクール系楽曲だ。
キンプリは王道アイドルソングとクールな楽曲のリリースのバランスが良いなと思っているのだが、Break~とこの曲を続けて聞くと、より一層彼らの両方の魅力を堪能できる。


◆ここでチルなんか挟んできちゃうわけ?!(頭抱え)

『ナミウテココロ』
冒頭にも書いたが、私は完全にこの曲でKing & Princeの世界に連れてこられてしまった。
個人的にシティポップが好きなので、まさかジャニーズでこんな上質なシティポップが聴けるとは思わなかった。
歌詞を聴いていると、アイドル最前線にいる彼らの心情を歌っているのだろうかと勘繰ってしまう。
自分自身の心に問いかけて、時に痛くて、時に揺れて。
彼らが、緩やかにそして感傷的に、明日へ進んでいく姿が泣けてくる。
この曲、全員が30代とかになって歌ったらまた聞こえ方が違いそうで今から楽しみである。


『泡の影』
ナミウテ~で感傷的になった心に沁みてくるバラード。
終わってしまった恋を歌っているのだけれど、歌詞の一つ一つが繊細で苦しい。
“あの愛を知らないままで 生きる今日は想像できない”
なんて、この年齢の彼らだからグッとくる気がするんだよなあ。
アラフォーの年長組のグループが歌えば、その「愛」の重さが本当に重くなるし、10代の子たちでは背伸びした歌詞になる。
20代の彼らが歌うこの歌詞は、例えば「初めて真剣に愛した人」のようなきらめきの切なさがある。
大人になった彼らにしか表現できない切なさ。
最後のユニゾンの力強さがまたその苦しさを表していて、素晴らしくて、美しい。


◆岸くん最高かよ!俺たちのユーロビートタイム


『ORESEN』
落ち着いた楽曲が続いた後のまさかのユーロビートである(爆笑そして尊敬)
めちゃくちゃ雑な説明をするとこれはイニDであり、パラパラであり、つまりそれは90年代を生きた俺たちがコレコレ~!!と叫んじゃうヤツである。
前述のとおり、キンプリ自体は詳しくないのでこれをなぜ岸くんがプロデュースしたのかは謎だが感傷からのアゲアゲ(死語)楽曲の振れ幅に心は完全に持ってかれてしまう。
そう、このアルバムを聴いてここまで来たらもう私たちはL&(ランド)から逃れられないのである。
この曲、ただ笑える曲としても捉えられるがこれを聴いて出勤や通学、家事をやったら強くなれる気がするのだ。
“勝つまでは何度でもリトライ”
“振り払え俺たちは戦士だ”
“経験値上げながら戦場へ駆けてく”
こんな風に自分に喝を入れながらアイドルも社会人も学生も主婦も、頑張って生きてたりするんだよなと笑いながらも
元気をもらえる、そんな1曲だ。

◆高橋海人という天才

『生活(仮)』
このnoteを書いていて思う。
や、やっぱりこのアルバムすげえ…と。
爽やかな入り口→クールなお出迎え→突然のチルタイム→俺たちのユーロビートと続き、ここで高橋海人氏プロデュース曲がやってくる。
若い同棲カップルの彼氏側が恋人をいとおしく想う気持ちを歌った楽曲。同棲している二人の普遍的な生活。うんかわいいね。最初はそんなシンプルな感想。
だが運転しながら歌詞を噛みしめて聴いていると、淡い苦しさを感じ始めた。
この曲の特徴は日常が鮮明に描かれている。
この曲の主人公がどんな生活をしていて、その生活の中で恋人がどんな存在なのかが詳しく描かれていることで、どんなカップルなのかが映像のように浮かんでくる。

歌詞からは君との幸せがこんなに愛しくて、
だから浮かれちゃいそうで、
だけど明日も君の声聞けるかな…と、浮かれないように今の二人の生活を大切にしたい青年の想いが見える。

例えば、それは歌詞の中の変化型リフレインが表している。(そんな言葉はないが)

"いつまでもそばにいたい、いさせてほしいんだ"

恋愛とは自分の想いだけではどうにもならなくて、
僕はこう想ってるけど君はどうかな?って少し自信の無さも見える。

"出会った頃、こんなにも大切に思うなんて
少しも思わなくて、いや少しは思ってたかな"

幸せを感じている「現在」、出会った頃のことを思い出している僕。
一度、否定した後にやっぱり君を大切に思うことを予想してたのかもな、と思い返してみている。

そういう人間味のある歌詞が、リアルで若くて、愛しい。
ここの高橋氏の高くて甘みのある声がまたエモくて、より一層胸を掴まれる。

そして何よりこの『生活(仮)』というタイトルがミソだ。
この曲の歌詞からするともっとストレートな恋愛的なタイトルが来てもいいところを、『生活』、しかも、(仮)。
作詞作曲のyurinさんが、このタイトルは高橋氏が考えたと話していた。
ずっとこの生活が続いてほしいけれど、明日も君は僕のそばにいてくれるかな、という想いから(仮)なのかな?と色々考えてしまうが、その、考察させてしまうタイトルこそ高橋海人が天才なのでは?と思ってしまう所以だったりする。

普遍の中にある、恋人への愛おしさ、その愛おしさ故の不安、そのすべてが優しいバンドサウンドに乗って心に届いてくる、名曲中の名曲だ。


すいません、『生活(仮)』が好きすぎて長くなりました・・・・

◆L&折り返し地点のLaugh&


『Laugh&』
私の中でこの曲はアルバムの折り返し地点、
フルコースでいえば、グラニテが出てくるような感覚である。
これまでの楽曲がそれぞれの色ががっつり出ていて、びっくりしたり感情が忙しかった中で
この曲はいい意味で、等身大のキンプリの魅力が出ているストレートな楽曲だと思う。
“世界中の誰より 隣の君へと 笑顔届け”
この歌詞こそが等身大で、一般の普通の人である聞き手に寄り添ってくれる優しい曲だなと感じる。


◆コンサートで言うところの「後半戦も行くぜ!!」の掛け声楽曲

『No Limit Tonight』
Laugh&でゆったりとした気持ちになった後に、ジャニーズコンサートのMC明けのあおりでメンバーが叫ぶ
「後半戦も盛り上がっていこうぜー!!!」に近いのがこの曲だ。
コンサートで聞いたら確実に好きになる曲、ガシガシ踊るダンスがかっこよすぎて双眼鏡が目にくっつくくらい野鳥やっちゃう曲、すなわちオタクが大好きなヤツ(笑)
王子様だけではない、脱皮した姿もとんでもないものを持ってますよというキンプリのポテンシャルが垣間見えて震えます、はい。


◆涙が出てくる美しい流れ

『Focus』
私、歌詞はこの曲が一番好きです。
平野氏がプロディースした楽曲とのことだが、これは自分たちに向けているのか?
一般の世界に生きている聞き手(ファン)に向けているのか、
それとも別の場所で闘う友に向けているのか、
色々な解釈ができるし、どんな解釈でも涙が出てくる、熱くて強くて優しい楽曲だと思う。
世間にあふれる応援ソングにおける「めちゃくちゃ努力している人」の対象になれない、
至ってフツーで、人より努力できてるかなんてわからない、でも必死で生きてる、そんな今を生きてる人に、あなたが今日ここまでできたのGOOD JOBやでって優しく肩を叩いてくれているようなそんな曲。
他の楽曲の感想にも書いたが、キンプリの応援ソング系のユニゾンってハンパないよね。
力強さがめちゃくちゃ良い。
特に個人的に、落ちサビの岸くんのソロパート“ありのまま 思いのまま”の声。
これがどこか泣きそうにすら聞こえて、毎度胸が熱くなる。
私はありのままの私でいいんだ、と前を向ける、ジャニーズらしいストレートで美しい賛歌だと思う。


『Amazing Romance』
FocusからのAmazingRomanceの流れ、神だと思ってます。
個人的な好みの話なのだが、私、ハロプロのJuice=Juiceの『この世界は捨てたもんじゃない』という楽曲が好きなのだが
同じ作曲家さんなのですな。
どちらも無条件でハッピーな気持ちになれる旋律なのである。
歌詞は付き合ってる恋人のことがスキスキスキ!!!!!という歌詞なんだけど
この場合は歌詞の深さそのものというより、フレーズの一つ一つにきゅんとさせられることが魅力だ。
“戸惑いさえもときめきに変えてあげる”なんて実際に言われたら歯が浮いて逃げ出してしまいそうだが(笑)
キラキラした彼らが笑顔でそれを歌うと、爽やかで愛くるしい気持ちにさせられる。
語彙力がなさすぎて情けないが、この曲を聴いている時こそ
ああ、アイドルのファンで良かったなと幸せな気持ちになれるのだ。


『koi-wazurai』
いやあ、流れ神of神。
ここで来るシングル曲のkoiwazuraiは前曲までの高揚感をそのままウキウキしたままにしてくれる。
実はシングルだった際は流して聴いていたのだが、アルバムで改めて聴いて何てキュートで「キンプリにしか歌えない」曲なんだと感じた。

◆もう一度心臓を掴みにくる青年たち

『Freak out』
前3曲で優しくなったり、キュンキュンしたり、ほえええええ(^○^)としていた心をここにきて、ハード楽曲でこの人たちはがっつり心臓を掴みにきましたよ。
話によるとKポ楽曲を作ってる人が作ったらしいですね。好きなはずです。
この曲を語るにかかせないのが岸くんの声なんですよね。ラップの声が特徴的なのです。
あまり今までのジャニーズのラップ担当にいなかった声。
割と全体的に高めのメンバーの声の中で個性的な岸くんの声が入ることで、この曲の面白み、
言葉を選ばずに言うと、ちょっと「なんだろこれ?」下手したら「なんか変わった曲かも?」とすら
思わせる独特の魅力があります。(何故か敬語)


『Heart & Beat』
前述のNo Limit Tonightがライブで双眼鏡を手放せない楽曲だとすれば
この曲は自分の席に近い花道に推しが来てくれるかも!とワクワクする、ライブ終盤曲のイメージです。
無条件に楽しい曲。
廉くんの“重なるHeart & Beat”の声が耳の奥までグッと心引き寄せてくるような甘い声で良い。


◆L&から帰りたくないよ~

『君がいる世界』
アルバム終盤に来て、ジャニオタの信頼と実績のJazzin'Parkさん楽曲。(いつもありがとうございます)
この曲に関わらず、このアルバム全体に言えるのですが、とても【等身大】の彼らのアルバムであり、
等身大でしか生きられない一般人である聞き手の気持ちに寄り添ってくれる楽曲が多く感じた。
世界というものはとてつもなく大きなものなのだけれど、その世界には君がいるから回ってる、
“僕が選んだ現在も誰かが描く未来に繋がっているから”。
最終的に地球とか、世界は繋がっていけるという大きなテーマも孕んでいるんだけど
その中にいる君のことが大切なんだよという、ストレートだけど優しい、
なんかこれもジャニーズっぽい曲だなあと。
きれいごとと言われてしまえばおしまいなんだけど、それを笑顔で歌われたら、私たちも美しい世界を願わずにはいられないよねえっていう。


◆さあ、やれやれ楽しいL&(ランド)から帰るか~と思ってたらとんでもないアンコール待ってた

『Bounce』
とにかくあらゆるジャンルのあらゆる彼らの魅力を見させてもらったL&の世界をさあ、楽しませてもらった、さあそろそろおいとましましょうかというタイミングでまさかの全英語詞のこちらがやってくるとは。
これはまさに、キンプリ、これからまだまだ見せたことのなかった顔を見せていきますよ。
覚悟はいいですか?と聞き手に挑発してきているような、そんなゾクゾク感を感じた。
そして聞き手側もまた、さて、これからの皆さんを見逃さないように目をかっぴろげて耳かっぽじって見ていきますよと覚悟を決めるのであった。


◇エピローグ

さて、怒涛の勢いで一曲ずつ感想を書いていきました。
常体だの敬体だのが混ざっていて読みにくかったら申し訳ない。
実はこのアルバムを手にした頃からずっとこういった感想文を書きたかったのだが
タイミングがなく、次のアルバムが出た今になってしまった。
けれど、L&はいつ聴いても名盤なので、ぜひ聴いたこともない人は聴いてみてほしい。

ジャニーズに興味の無い人も、アイドルしか作れないあらゆるジャンルが融合した
アルバムというものを楽しんでみてほしいと思っていたりしますですはい。

本当はメンバーの声質のすばらしさの話まで書きたかったけど
とんでもなく長くなりそうなので、いったんこれにて。
とりあえず自己満足。
楽しい執筆でした。

6人に幸あれ。


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