センターピンを倒せば風向きは変えられる。逆境の実習で掴んだハイリターンのチャンス。

お久しぶりです!とうとう3年前期が終了した長月です。

再開1発目の記事は、今期で一番大変だった実習を振り返りながらセンターピン理論の実践についてちょっと語りたいと思います。

「実習は大変です」 by 理系大学生

実習って、「班員ガチャ」みたいな要素が少なからずあります。

有能なメンバーが揃えば楽勝だし、そうでなければ他班の何倍もの労力と時間をかけて課題を遂行することになります。

結局、どんな班員と組もうが課題を達成しなければならないのは変わりませんので、ある意味不公平ではあります。

私は誰と組もうが大抵は指揮役に回ることになるので、もはや諦めて不公平を受け入れていますが……。

それで、今期最大の難関だったのがこの実習(測量学)でした。

箱を開けてみれば、私の班は「一番、やばい」(同期曰く)。

別にやる気のないメンバーがいるというわけではないのに、どういうわけか班の課題が全くうまくいきませんでした。

閉合トラバース(※建物の周りを一周測量して範囲の面積を算出する)の回では、私が1点目の測角を何回やっても精度に入らず。なんなら見かねた先生の測角でも精度に入らず……。

先生には「長月さんはちゃんとできてる、班員の動きが悪すぎるね……」と憐れまれる始末でした。

班員はみんな一応頑張ってくれてはいるので、「お前らちゃんとやれよ~」と叱るのは少し筋が違うような気がして、私もどう指揮していいかわかりませんでした。

その回の次週は嫌になりすぎて実習を欠席し(理由は先生も把握済み笑)、「ひとり作戦会議」を決行しました。

……どうしたらこの班でうまくいくようになるのか?

(ちなみに、私が欠席のため取り残された班員たちは本当に動きが悪すぎたらしく、日が暮れてからもライトで照らしつつ測量をやる姿を先輩に見られていた。私は先輩に憐れまれた)

うまくいかない理由、徹底分析。

「ひとり作戦会議」でまず行ったのは、班員の動きが悪い理由の本質を分析することでした。

導かれた結論は、班員は「動いていない」のではなく、「動き方がわからない」のではないかということ。

仮に私任せで動く気がなかったというならば、私が欠席すればしぶしぶでも動かざるを得ません。
しかし、実際は私がいようがいまいが動きの悪さに影響はありませんでした。

なら、班員たちには動けない理由があるはずだ!というわけです。

よくよく振り返ってみると、班員は実習の手順をほぼ把握しておらず、機材の据付にも手間取っているようでした。

予習不足かと思って聞いてみると「手順書を読んでもわからなかった」とのことだったので、これが本質であると見当をつけました。

なら、どうすればいいのか。簡単です。
全員に、動き方をわからせればいいんです。

リターンを見込めれば、リスクは取る価値あり。

そういうわけで、その次の回での私のミッションは「班員全員に測量結果の処理方法をわからせる」となりました。

勿論、できるだけ実習時間内に完了させるという制約があるので、やり方には精巧な工夫が必要です。

「ひとり作戦会議」の結果、まずやる必要のあることすべてに対して班員全員の理解度を確認し、それをもとに班員を小チーム3つに分け、あらかじめ作成した流れ作業の計画書の通りに動いてもらうという作戦ができました。

流れ作業は、基本的に同じ作業は原則2チーム以上が並行して行い、計算ミスなどが無いかチームごとの結果を確認しながら、次の作業にそれを引き継ぐというようにしました。

最初に、始めのステップが理解できている班員を2チームに分けて作業を開始させます。また、そこが理解できていない班員で残りの1チームができるので、そのチームには私がそのステップと次のステップ以降を説明して理解してもらいます。

始めのステップが完了すれば、私が直接説明したチームに他のチームへやり方を説明してもらって、流れ的に作業を進めてもらえることができます。

実際に悩みながら取り組んでもらうので、全員に理解を深めさせるミッションも達成できるという仕組みです。

この作戦を考えるのに2時間くらいかかりはしましたが、「この方法なら絶対にうまくいくし、班員のスキルが上がって後々私が楽できる!」という勝算はあったので、この2時間は価値のある2時間だと信じ、班員と未来の私に捧げました笑。

実際にやってみると、途中で計画通りのシナリオにならない部分はありました。しかし、結果的には私が想像した以上のリターンが得られることとなりました!
(最初は計算方法に自信が無さそうだった班員のひとりが私より早く計算を終わらせるという嬉しい誤算。彼の計算過程をまとめたノートが綺麗だったので、班員に写真を共有して全員の理解がさらに深まるという喜び)

で、その後の実習回では班員の自主性とスキルの向上により私も初期よりはかなり楽をさせてもらうことができました。

センターピンを狙え!その先のシナリオごと動かす問題解決。

私がこの作戦を打ち立てるのに活用した考え方が「センターピン理論」というものです。

ボウリングでは、先頭のピンに球が当たりさえすればそれ以降のピンも続けて倒れてくれます。

このように、「どうすれば問題を解決(=センターピンを倒す)し、その後のシナリオ(=後続ピンを倒す)までコントロールできるか」という考え方をするわけです。

この考え方のいいところは、自分に対する風向きを自分で変えられる可能性があるということ。

逆境だからと諦めるのではなく、多少のリスクを取ってでも自分へのリターンに変えていく。

今回、私は自分が楽をしたいという下心(?)でこの理論を実践しましたが、そもそも問題解決能力を鍛えるという点で自己成長にも繋がったなと思います。

でも、そんなことよりも「困難をコントロールした実感をもつのはなかなかに楽しい!」という気持ちの方が大きいですね。

今後も実験実習がありますし、卒業研究の開始も近づいてきましたし、それ以外にも個人で何とかしなければいけない課題が山ほどあります。
そのなかで、どれだけ自分の力で逆境をコントロールできたかという経験は必ず自信に変わっていくだろうなと感じています。

では、今回も読んでくださってありがとうございました!!長月でした。


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