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まえがきとあとがき

まえがき

 先日、ショートを一本書いた。私にしては珍しく、三千字を超えたし一応完結させた。ことの発端は、大学時代のサークル(漫画研究会)の後輩達と飲んでいる時に「今年も合宿やりますけど来ます?例年、小説回し読みして作者あてるのやったりしてます」と言われたことだった。現役大学生の頃は漫研合宿という、みんなで二泊三日コテージに泊まって遊んだり原稿をしたりするイベントがあったのだが、コロナ禍で漫画研究会がなくなった今も当時の企画(という役職があった)くんが提案していたらしい。そもそも「毎年やってんなら早く言ってよ淋しいじゃん」という話なのだが置いておいて、二つ返事で承知した。小説を書く話にもだ。その話があったのが今年の四月末のことだ。合宿は七月半ばの三連休。二ヶ月半猶予がある。私は他のメンバーがどんなテーマを好み、どんな文章を書くのかも知らないため、気合を入れて書いた。それがこの「The Authors.」である。 合宿当時、驚きの事実が発表された。「小説回し読み、有澤さんが本気で書いてることが発覚したので一週間前に開催が決定しました」 みんな慌てて一週間で書いてきたそうだ。一週間でここまで書けるんだ。逆にすごいな。という出来だった。私が書いたショートは「文章量、完結してることから時間をかけて書いていることがわかるので絶対に有澤さんが書いたことがわかる。でも純粋に完成度高い。書き慣れてる。うまい。」という評価を受けた。承認欲求と自己肯定感爆上がりである。でもちょっとハードルが上がってしまったのでこの評価は忘れてから読んでほしい。 次の合宿はどうか、みんなが時間をかけて書いた作品が読めますように。


The Authors.

こちらからどうぞ
 


あとがき

 テーマは「エッセイの連載」である。理由は単純で、私がnoteの更新をしているからだ。はじめは「エッセイを連載しているエッセイ」という劇中劇のようなことをしようとしていたのだが、私の発想力ではうまく行かなかったためこの形になった。
 「同居人」という設定は私がよく使うものだ。家族でも、恋人の同棲でもない「ただの同居人」という曖昧だからこそ様々な想像ができる関係が好きだ。彼等は純粋な友達でもいいし恋人でもいいし、実はビジネス的な何かでもいい。「文筆家とファン」という枠さえあればあとはどう転んでもいいのだ。いつものもっと短いショートショートならば、一人称や二人称を曖昧にして性別を分からなくするのだが、これも私の力量不足で男性ふたりになった。一人称は書かなくてもいいが、一人称視点の文章で二人称を出さなかったり何度も曖昧な表現にするのは難しい。いつかチャレンジはしたいと思っている。
 実際のエッセイを端折ったのも私が書き分けができないからだ。ファンである男性の一人称視点の文章と、連載している文筆家の文章に差が出せない。
 こうして振り返ると反省点というか、力量不足を感じるばかりだ。褒められすぎて少し調子に乗っていたかもしれない。調子に乗るなという以外の感想、お待ちしています。



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