#22 裏裏裏裏裏裏裏裏の次は表が出るの?
コインに記憶はない
コインを投げ続けると、裏と表が出る確率は半分半分です。
では、問題です!
コインを投げ続けたとき、
1.裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏
2.表表裏表表裏表表表裏
3.裏表裏表裏表裏表裏表
どのパターンが一番出やすいでしょうか?
読み進める前に、考えてみて下さい。
答えは、どの確率も同じです。
次の問題です。
裏裏裏裏裏裏裏裏
のように、裏が10回連続で出たとします。次は表と裏どちらが出やすいでしょう?
答えは、表と裏のどちらも同じ確率で出るです。
この2つの問題の正しい答えは、直感に反します。なんとなく、今のところコインの表が多く出ているから、そのうち裏が出て平均を保とうとしてくれる感じがします。
しかしコインには記憶がないので、過去にどう動いたかは覚えていません。
直前に100回連続で裏が出たとしても、次に投げたコインの表と裏の出る確率は同じになります。
偏りは目立たなくなっていく
じゃあ、50%の確率ってうそじゃん!と言いたくなります。
しかし、うそではありません。例えば、コインを10回投げて、裏表裏裏裏裏裏裏裏裏だったら、表と裏の比率は9:1です。
では、10000回コインを投げた後に、コインを10回投げて裏表裏裏裏裏裏裏裏裏と出たとしたら、10000回コインを投げた時の裏と表の平均は約5000対5000なので、表と裏の比率は5009:5001となります。
さっきの10回投げたときの偏りが目立たなくなりました。
このように、投げる回数を増やせば増やすほど、偏りが目立たなくなり、裏と表の比率は50%に近づいていきます。確率が50%に近づいていくというのは、このことを示しています。
いつ止めるかで結果が違う
コインをずーっと長く投げつづけていれば、表と裏の出た回数の差が0になるときは必ず来ます。
そして、同じように、コインをずーっと長く投げつづけていれば、表が裏よりも10万回多く出た状況でさえ、必ず起こるのです。(ここでいう、「ずーっと長く投げつづける」とは、1億、1兆、より何桁も上の回数かもしれません。)
表と裏の出た回数の差が0になったときに「やっぱりいつかは差は0になるんだ!」といって投げるのをやめると、望んだ結果は得られますが、それは望みの状況がたまたま得られたとき、やめているのにすぎません。
差がいくつの状況もかならず起こり、差のない状況もその一つなのだ!
つまるところ、「いつ」やめるかによって、印象は大きく左右される。
『分ける・詰め込む・塗り分ける―読んで身につく数学的思考法』
もし表が裏よりも10万回多く出たときに投げるのをやめたら「え?このコインおかしいんじゃないか?」と思うかもしれませんが、こういうことは普通に起るのです。
他の記事、参考文献など
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参考文献
『分ける・詰め込む・塗り分ける―読んで身につく数学的思考法』 イアン スチュアート (著) 伊藤 文英 (翻訳)
使用させて頂いた画像
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