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UAPビデオをリークした元高官:「ET仮説を真面目に考えるべき」

クリントン政権およびジョージ・W・ブッシュ政権の情報担当国防副次官補で、2017年末に3本のUAPビデオをメディアにリークした、クリス・メロン氏が、先月公表された、UAPレポートについて解説をされているので、部分的だが翻訳してみた。

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最近発表されたUAP報告書を議会に要請した者として、私はその結果にほとんど感激している。
UAPの脅威を証明し、無数の縦割り行政機関が情報を共有することを余儀なくし、政策立案者や一般市民の注目を集めた。
しかも、これらすべてを1円の予算も使わずに実現した。
しかし、残念だったのは、この問題に関する、その後の報道と議論の多くである。
待望の報告書はどのような結論を出したのだろうか。
ここでは、その主な内容をご紹介する。

UAPが米国の秘密航空機であるという証拠はない
数十億ドルかかる航空機開発計画について、政府は説明できるはずである。
また、機密計画や、国防総省に「免除された」特別アクセス・プログラム(訳注:暗にAATIPを指す?)を追跡調査するための、システム的なプロセスもある。
革命的な新しい航空機開発計画には莫大な費用がかかり、法律上、最低8人の議員に説明しなければならない。

報告書では、「一部の」UAPがロシアや中国のものである可能性があると慎重に述べているが、その証拠がないことをはっきりと認めている。
報告書は「一部の」としか言っていないことに注意。
1940年代から、軍がこの奇妙な飛行体を目撃していたことを考えると、米国、ロシア、中国のいずれかが、この現象をすべて説明できるとは思えない。

これは、プロジェクト・ブルー・ブックやコンドン・レポートのように、生のデータが報告書の調査結果と、真っ向から対立していると感じる部分である。
ニミッツ事件などに関わった海軍関係者の証言を、真摯に受け止めるのか、受け止めないのか
この問題に関する明らかな断絶は、機密扱いのブリーフィングや報告書に触れた人たちの、報道機関でのほとんどすべてのインタビューで現れている。

ミット・ロムニー上院議員がCNNで語ったように、
「それらは、我々が理解しているものとは全く異なる領域の技術を持っており、率直に言って、中国やロシアはそこまで到達しておらず、我々もそうではない...」

では、メディアの反応はどうだったのか。
彼らが強調したのは、「エイリアンではない!
果たして政府が、GS-15(訳注:民間政府職員の給与体系"General Schedule"の15番目の等級)が作成した非機密版の議会報告書の中で、史上最も重大で破壊的な発見を提出すると、誰か本当に考えていたのだろうか。

私の見解では、UAPレポートの調査結果は、主な代替仮説を弱らせ、我々が真似ることも理解することさえできない能力の例を示すことで、エイリアン仮説の主張を強化している。
 - これらの報告書いずれかに、本物のエイリアン・テクノロジーが含まれているとしたら、それはまさに期待できることだ。
公正を期すなら、次のような見出しである。「UAPレポート、エイリアン仮説を強化」。
しかしながら、まるで政府がETの来訪を結論づけなかったことが驚きであるかのように、報道は逆方向に偏っているようだった。

また、アメリカのテレビやケーブルテレビのニュース番組が、UAP問題に取り組んでいるのを見ると、辛い点がある。
私がニューヨーク・タイムズに提供したビデオは、エイリアン存在の証拠ではないと、著名な科学者たちが当たり前のことを言っているのを何度も目にした。
誰がビデオだけで、エイリアンの証拠だと主張したのか?
NYタイムズやワシントン・ポストにビデオを提供した、私たちではない。
それらは、いつかエイリアン・テクノロジーの例であると証明されるかもしれないが、確かにそれらだけではETの証拠にはならない。
しかし、多くのテレビ・ジャーナリストやコメンテーターは、これらのビデオがUAP問題の核心であるかのように取り上げる。
そうではない

このビデオについてのメディアの議論は、一方では人間や機械による誤りについての漠然とした言及に、
他方では同様に漠然とした、大抵はまた聞きの信じがたいUFO目撃談に、しばしば落ち入ってしまう。
このようなやり取りは、興味深くもなく何かが解明されるものでもない。

当面の課題は、学術的なものではなく、実存的なものであると認識することから始めよう。
これは何よりもまず、国家の安全保障に関わる問題である。
望遠鏡を覗いても、この問題の解決に役立つものは何もなく、答えを見つけるための最良の手段は、今のところ、ほとんど国家安全保障コミュニティの手に委ねられている。

エイリアンであろうとなかろうと、我々が緊急に知る必要があるのは、アメリカの実験場、空母打撃群、軍事基地、核兵器施設の上空の制限空域で、誰がこれらの謎めいた高度に先進的なビークルを操作しているのかである。
理由だけでなく、彼らがどのようにそれを行っているかを、特定する必要がある。
なぜなら、我々が観察している能力の中には、革命的な科学的見識や工学的性能を示唆するものがあり、それによってアメリカはもしかすると、戦略的に大きな不利益を被る可能性があるからである。
しかしながら、非機密版報告書では、テクノロジー・ギャップに関する率直な議論を慎重に避けていたため、マスコミはこの重要なポイントを見逃したようだ。
これはおそらく、議員やインテリジェンス・コミュニティーのように、機密データへのアクセス権を持たないことがその理由のようだ。
しかし、機密データにアクセスできる議員や元情報機関職員が、この問題についてコメントするたびに、真実が明らかになっている。
報告書は、この問題について、表現に陰影をつけて分かり難くしているが、
もし見識のある国防総省の役人と話したり、データを検証した人たちの話を注意深く聞けば、結論を間違うことはないだろう。

ちなみに、報道機関や一般市民は、こうした事件が、報告書が示唆するよりもはるかに頻繁に発生していることを、知った方が良い。
忘れてならないことは、この報告書には、
何十万もの民間事件や、外国による事件は、含まれていないこと、
第2次世界大戦から2004年までの間に発生した何千もの報告
(例えば、ブルー・ブックの700件以上の未解決事例)は、
記載されていないこと、
そしてもちろん、この話題にまつわるスティグマ(蔑視)のために、報告されなかった事件については説明されていないことである。
世論調査のデータによると、UAPの目撃情報は、報告された目撃のおよそ10倍はあるという。

その他の目撃情報は、高度な機密性、官僚の抵抗(米空軍など)、リソースの不足などの理由で、含まれていない。
例えば、既知のターゲットのプロファイルと一致しないために、コンピュータには記録されたものの、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)警報センターの職員には表示されなかった物体を、巨大な弾道ミサイル・レーダーのデータベースを検索して、探す努力はなされかった。
また、数百、数千のUAP事例が除外される原因となった主観的な要素もある。
例えば、北米上空でレーダーに映る何百万ものフライトのうちの99%以上を、NORADが識別することに成功しているにもかかわらず、毎年、数百件もの未解決のNORAD管轄UAP事例がまだ存在する
2004年以降、UAPタスクフォースによって確認されたケースは144件のみであることから、
これらのNORADのアンノウンはほとんど含まれていないことは明らかである。
民間航空会社のパイロットが目撃した、数百件の記録も含まれていない。
このようなフィルターをかけたにもかかわらず、2004年以降、144件の軍事UAP事件が報告され、解決したのは1件だけだった。
ちなみに、144件のうち80件は、少なくとも2つのセンサー(レーダーと目視報告など)で確認されている

推測や一般化を超えて意味のある対話をするためには、具体的な事例をもっと検討することをお勧めする。
そうすることで、我々は現象のリアリティーを直視することを余儀なくされるが、このことは、この問題について意見を述べている人々には、しばしば価値を認められていないようだ。

(訳注: ここで、ニミッツ事件の詳細が説明されているが割愛する。
 知らない人は先月の記事を参照して欲しい。)

今、我々は、UAPが我々ではなく、我々が知る限り、ロシアや中国でもないことを念頭に置いて、具体的な話をすることができる。
さらに、同様の事件は1940年代から発生しており、他の国がそのような能力を持てたとは考えられない。
従って、機器の故障や光学的錯覚といった、漠然とした一般論ではなく、ニミッツ事件のような具体的な事件とそれを説明する理論、そしてその理論を検証する方法について話そう。
それこそが価値ある議論だ。
我々は、これらのビークルが、どのように機能しているのかを発見するための真剣な努力を早急に行う必要がある。
即ち、どこから来たのか、そしてなぜここにいるのか

ニミッツ事件(を疑う意見)に対する質問:

ニミッツ事件に関与した海軍飛行士やレーダーオペレーター、技術者の能力を疑う理由はあるのか?
完全に近い視界の中で、彼らが見たと主張するものを見たこと、を疑う理由はあるのか?

特に、Tic Tacがアメリカ製、ロシア製、中国製であると考える根拠はないとする、上院への報告書を踏まえて、ニミッツ事件について現在分かっていることを、最もよく説明できる仮説は何か?

さらに、この報告書は2004年以降の事件のみを対象としているが、同様の事件が第二次世界大戦以降に何千件も発生していることがわかっており、米露中という仮説はさらに弱まる。要するに、ニミッツのケースにおいて、エイリアン・テクノロジーよりも優れた仮説があるとすれば、それは何か?

我々が観察しているテクノロジーは、どれくらい進んでいるのか?

USSプリンストンのイージスレーダーが正常に機能していた事を疑う理由はあるか?
もし正常に機能していなかったならば、どうやって複数のF-18機を、ティックタックの迎撃に誘導出来たのか?
USSプリンストンのレーダーオペレーターと技術者は、迎撃の数日前から観測していた航跡があまりにも異常だったので、イージス・システムをテストして再起動もし、11月14日のTic Tac交戦前には完全に動作していたと主張している。この証言を疑ったり、SPY1レーダーが故障していたと考える理由はあるか?

USSプリンストンは、Tic Tacが極超音速で飛行するのを何度も観測している。中には、80,000フィートの高さからの垂直降下でそうしたケースもあった。また、Tic Tacは、驚異的な急加速の前後に、その場でホバリングする能力も示した。どんな既知の航空機が、このような離れ業を成し遂げることができるだろうか?

大量の排気や熱痕跡を発生させない、極超音速推進システムは知られているか?

ソニックブームを起こさずに音速の壁を破ることができる航空機を、アメリカやどこか他の国が所有しているのか?

極超音速を出せる航空機で、白くて太くて丸みを帯びていて、翼や空気取り入れ口、排気や制御面がないものが知られているか?

観測した飛行士によると、Tic Tacは今までの航空機とは異なる動き(マヌーバ)をしていた。例えば、目に見えない壁にボールが跳ね返るように、横方向に移動した。また、極超音速で垂直直線状に降下する能力も示した。このような性能を持つ航空機は知られているか?

フラバー中佐は、Tic Tacが急に加速したので、ほとんど瞬時に消えたように見えるのを観測した。その直後、USSプリンストンは、60マイル離れた「CAP(訓練合流)ポイント」でUAPがホバリングしていると報告し、
極超音速とホバリング能力両方を再確認した。ロシアや中国の航空機に同様の能力があると知られているか?

アンダーウッド中尉が見ていたのは、Tic Tacではなく、軍の制限空域を飛行するトランスポンダのないジェット機だったのではないかと指摘する「論者」もいる。しかし、プリンストンの乗組員は、アンダーウッド中尉が、Tic Tacに接近して交信するのを監視し、Tic Tacが極超音速で加速するのを見たと断言している。もし通常の航空機が近くにいたとしたら、なぜUSSプリンストンはSPY1レーダーでそれを確認しなかったのだろうか?

ベテランパイロットのチャド・アンダーウッドは、ホバリングしているTic Tacをレーダーでロック・オンできなかった。周波数やモードを変えてみたが、効果はなかった。このように静止したターゲットをロックできないことは、それが電子戦技術を使用していない限り、どのような航空機でも起こりえないことである。迷子の気球や通常の航空機、あるいは雁の群れが、ニミッツ事件のこの事実を説明できるだろうか?

報告書で、地球外のテクノロジーについて言及されなかったのは、この問題があまりに政治的にセンシティブだからであって、無関係だからではない。
エイリアンが関与しているという証拠は、たとえ機密レベルであっても提示されなかったが、ジレンマは未解決のままであり、エイリアン仮説に対する主な代替案は、この報告書によって明らかに減少した。
報道機関や政府は、いつになったらエイリアン仮説を真剣に受け止めるようになるのだろうか。
実際、現在入手可能な事実に照らし合わせたとき、エイリアン・テクノロジーが有力な、おそらく唯一生き残る説明である、という結論をどのように回避できるだろうか。

懐疑論者や政府は、より事実に合致するどのような理論を提案できるのか?
これは、議論する価値のあることである。

========= 翻訳終わり =========


さすが、説得力のある見解だが、墜落UFOをリバース・エンジニアリングした機体という仮説は、証拠がないというだけで却下してよいのだろうか。
もし半世紀以上前に開発済みで、どこか企業(あるいはナチス残党?)などが隠し持っているなら、今の政府やペンタゴンが知らないという事もあり得るだろう。
ニミッツ事件で、まるで事前に知っていたかのように現れて記録を持ち去った、空軍の制服を着た高官?について、機密版報告書では解明されているのかも気になる。(されていなければ、MIB ということに。)

そんな中、米下院でも、UAPに関する公聴会を開く動きが出て来ているので、今後も推移を見守りたい。

尚、今また、ヒストリーチャンネルで、メロン氏も出演している、「解禁! 米政府 UFO機密調査ファイル」を再放送中なので、是非見て欲しい。
しかし、日本人の目を覚ますには、ゴールデンタイムに地上波で流さないと駄目だろうな(^^;


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