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【Revit】自動化による圧倒的な効率化の事例Lightning BIM 自動配筋 ~前編~

これまでの記事では自動化技術についての概要や、自動化すべきものやできないものの違いなどをお伝えしてきました。
今回は自動化することによる具体的なメリットを、Arentが開発した製品について触れながらご説明していきます。


■配筋業務とは

建築物における鉄筋コンクリート造の部材に対して、鉄筋を組むまでの業務全般を指します。仮定断面から構造計算を行い、計算結果をもとに部材の断面を決定し、検討内容を図面に起こします。各部に部材が正しく納まっているかを検討しながら設計を進めていき、最終的に施工をし、現実の建物の構造部となります。
これらの配筋業務をBIMで行う際、大量の鉄筋を検討するのは非常に困難なため、一部のみのモデリング、もしくは全くモデリングせず2次元図面のみで検討を進めているケースも少なくありません。

■一貫構造計算プログラムのBIMへの活用

建築物における様々な情報を入力することで構造計算などを行うことができますが、それらには鉄筋の情報も含まれます。そしてこの鉄筋情報は多くの場合、部材の断面算定に使用され、断面リストの作成に活用されたあとほとんど使用されません。
せっかく入力された情報は、本来であればBIMモデルで活用されることが望ましいですが、これらをうまく活用できていないのはBIMソフトウェアそのものにも少なからず原因があります。

■Revit標準での配筋モデリング

Autodesk Revit(以下、Revit)では、標準機能として鉄筋をモデリングすることができます。しかし、Revitの操作は初心者にはハードルが高く、様々な方向から部材を確認しながら鉄筋を一つ一つ入力していくため、途方もない時間と労力を要します。さらに前述の一貫構造計算ソフトからの鉄筋情報は連動させることができないため、目視で確認し、整合を取りながらモデリングすることになります。そしてモデリングが完了した後も、モデルチェックや図面化、調整にも多大な時間を要します。これらがBIMソフトウェアそのものに関わる問題となる部分です。
こうした作業者への大きな負担や導入ハードルにより、従来の2次元CADに回帰してしまい、配筋業務におけるBIMの活用は阻まれてきました。

BIMの導入、利用、活用の違いや自動化技術が生み出す圧倒的な業務効率化についてはこちらからお読みいいただけます。

■Lightning BIM 自動配筋での配筋業務

Arentは、そのハードルを取り払うためのRevitのアドインソフトとして「Lightning BIM 自動配筋」を開発しました。このソフトウェアはこれまで活用されなかった鉄筋の情報を自動配筋機能につなげ、作業者が手作業で行っていたモデリングやチェック作業をプログラムが代わりに行ってくれます。
前述の使われなかった鉄筋情報には、鉄筋径や鉄筋本数、配筋ピッチなど詳細な情報が大量に含まれています。これらの情報は一定のルールにより作成されており、最初からプログラムによる自動化に適した内容になっているため、活用しない手はありません。
膨大な時間を要した鉄筋の納まりを可視化し、一気に作業時間を一気に短縮することで、その後の複雑な検討により多くの時間を割けるようになります。

□Lightning BIM 自動配筋の機能紹介動画(約5分)

【該当機能の説明箇所】

  • 配筋:1分30秒~

  • 干渉検査:3分30秒~

  • 納まり:4分30秒~

■Lightning BIM 自動配筋による効果

Revitプロジェクトの中で、柱や梁などのファミリに鉄筋の情報が含まれていた場合、それらを活用した自動配筋においては大幅な作業時間の削減が可能です。
2000本の鉄筋をモデリングするのに必要な時間はたったの十数秒です。数時間、数日間かけてRevitで鉄筋をモデリングしたことがある人なら、これがどれだけ速いかお分かりいただけるでしょう。
また、情報が含まれていない場合でも符号ごとに配筋情報を付与することができるため、情報さえきちんと入力されていればコマンドをクリックするだけで配筋モデルが出来上がります。
配筋業務の後工程で必要な「検討」に十分な時間を費やすことで、プロジェクトはより精度の高いものになっていくことは間違いありません。

▼Lightning BIM 自動配筋の詳細はこちら

■Arentについて

Arentは強みの技術力や建設業界のドメイン知識を活かし、「BIM×自動化」に注力した建設DXを行っています。
BIMソフトウェアを活用した作業の自動化を戦略立案から開発、事業立ち上げまで一気通貫で行えます。
DXの推進にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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