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ウッドショックの状況を踏まえて

ウッドショックという言葉が建築業界を中心として昨今騒がれています。この現象は日本だけではなく実は今、世界中の建築業界がウッドショックで大騒ぎしているのです。

ではなぜこのようなことが起きているのでしょうか?

日本におけるウッドショックの流れ




2020年 夏
コロナによる景気好調に転ずる見込みが見えなかった為、日本の商社が海外からの木材輸入に対し積極的な購入を控え始める。
2020年 秋
日本商社の思惑とは反対に、コロナによるマイホーム需要の高まりが中国・アメリカを中心に世界規模で高まりだす。
2020年 11月
上記の動向を踏まえ、海外の木材商社が自国や需要が高い地域への出荷を主とすることで日本への出荷が著しく減少。
2021年 1月〜3月
コロナの影響による働き手不足、港湾職員の不足、中国によるコンテナの買い占めにより輸入木材価格が上昇。
2021年 4月〜
日本の木材需要が低いと判断された状況が先行され、輸入量も改善されず、日本における現在のウッドショックの状況につながる。



上記の状況に、木材の高騰が追い討ちをかけています。

日経XTECH:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/01197/より

Housing Tribune Online:https://htonline.sohjusha.co.jp/20210408-1/より

では、ここで一つの疑問が生まれます。
 国連食料農業機関(FAO)が公表しているデータでは日本の森林率は68.5%。 つまり国土の7割は森林ということになります。
日本は森林大国なのです。
ならば海外木材に頼らなくても良いのではないかと考えられますがそう単純な問題ではありませんでした。

日本の林業の実情

高度成長期の日本は1964年に木材輸入の自由化が 始まり、今まで国内の木材需要は大きく輸入に頼ってきた状況がありました。
現在の木材の自給率は30パーセント前後です。

国産材より安価で、大量のロットで安定的に供給できる外材の需要はどんどん高まっていくと同時に1970年半ばには円高がすすみそれに拍車をかけていきました。

国内林業の低迷により、林業経営者の意欲は低下すると同時に林業以外に目立った産業のない山村地域では、地域の活力も低下し、林業離れによる後継者不足、林業就業者の高齢化、山村問題等様々な問題を抱えている状況があります。

現在日本では十分な手入れがされずに荒廃した森林が数多く見受けられます。

これらを野放しにしておくと土砂災害が発生したりと環境問題にもつながります。収穫期を迎えた森林を伐採し、植えて育てる。そして伐採するというサイクルを回す必要があります。このサイクルを円滑に回すためにも国産材を積極的に活用して行く必要があります。

国内林業の復興を



今回のウッドショックにより、日本の抱える林業に対する問題を露呈したと同時に、成長した森林をしっかりと生かして行くことの必要性が見えたと言っても過言ではないかもしれません。

世界の情勢に流されない、国内の森林市場、持続可能な木材サプライの仕組みを官民一体として考えていく必要があるのではないでしょうか。


地域産業としての木材の活用

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