さらっと近代建築史1〜スチールの時代・産業革命以降の建築〜
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さらっと近代建築史1〜スチールの時代・産業革命以降の建築〜

18世紀後半、イギリスで起こった産業革命により、様々な材料の機械生産が可能となっていきます。
その中で、19世紀半ばには、これまで建築材料の主人公となり得なかった鉄・ガラスなどが改良されていくことになります。

一般の小規模な建築に落とし込まれていくまでには時間はかかりますが、この頃に建設された時代を先導したであろう大鋳鉄建築を見ていきます。

世界で初めての鋳鉄橋の完成

鋳鉄の製造は1708年イギリスで始まります。
イギリスのコールブルックデールという渓谷を統治していたダービー1世が、これまで使用していた木炭の代わりにコークスを燃料とすつことで鉄鉱石を溶かす技術に成功したことに端を発します。
その技術は美しい橋を作ろうとする架橋建築技師から注目を浴びることとなり、1779年、この渓谷で世界で初めての鋳鉄製のコールブルックデール橋がダービー3世の手によって完成します。

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コールブルックデール橋 写真:wikipedia

この世界最古の鋳鉄橋は、何度も補修・改修をくり返し、今でも大切に保存されています。

コールブルックデールという地域には、近傍に鉱山があり、鉄を溶解するための燃料となる木々があり、そして河川は、製品の安価な輸送を可能としました。
そのため18世紀末には、コールブルックデールは世界一の規模を有する製鉄所の街となります。
製鉄業発祥の地、つまりはイギリス産業革命発祥の地であるとも言われています。

この橋の完成によって鉄の実用的な使用の未来も開かれました。
まさに、コールブルックデール橋は、歴史的な記念橋となったのです。

世界で初めての鋳鉄による大建築 水晶宮

19世紀になると建築物に対しても鋳鉄技術が投入されていきます。
その代表作として挙げられるのが1851年にロンドンにて開催された万国博覧会にて建築された水晶宮(クリスタルパレス)になります。

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ロンドン万国博覧会の水晶宮 写真:wikipedia

この大量の鉄、板ガラスを用いた巨大な展示場は、柱・梁などの主要構造材を全て工場生産による規格材で構成することにより、たった7ヶ月で完成まで至るという驚くべきスピードで建設されました。

水晶宮は鋳鉄建築の代表作である。Jパクストンの設計により建設された。展示場の仮設性と竣工速度を早めるため、徹底的なモデュールとプレファブ工法が利用された。長さ1848フィート(1フィート30.48㎝)幅408フィートの巨大な建築のスパンは24フィートを基準とし、柱も梁もほとんどが同一規格材とされた。水晶宮は博覧会建築の条件である明るい空間、広い柱間を持ち、建設も解体も容易という特徴がよく表れており、またその建設方法と異例の早い建設期間は当時においては考えられないものであった。
博覧会終了後には解体され、1854年に再建されるものの1936年には焼失してしまった。

パリの代表的モニュメント エッフェル塔

フランス革命100周年を記念して開催された1889年のパリ万博のシンボルタワーとしてエッフェル塔は建てられました。設計者は高架橋などの技師であったギュスターヴ・エッフェルです。

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セーヌ川とエッフェル塔 写真:wikipedia

使用された鉄の総量は9700t、高さ300.65m、ここでも徹底したプレファブ化が図られており、26ヶ月で完成を迎えています。
当時技術者にとって1000フィートの高さの塔を建てることは技術的な目標でありました。各地で様々な案が発表されましたが、現実に建設されたのがエッフェル塔が最初でした。

これまでに見たこともない、あまりに奇抜な外見のため、建設当時は賛否両論に分かれてはいましたが、現在ではパリのシンボルとして多くの人々に親しまれ続けています。

1991年、この塔を含むパリのセーヌ川周辺は世界遺産として登録された。1889年の完成から2006年までに、2億人以上の観光客がエッフェル塔を訪れた。。この数字はさらに増大しており、2017年9月には通算来場者数が3億人を突破して記念式典が開催された。エッフェル塔は、世界でもっとも多くの人が訪れた有料建造物である。wikipedia


鉄・ガラス、プレファブリケーションによる建築手法の技術的な開発は、近代建築の発展を以後、推し進めていくことになります。

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西和人/Archlife

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建築家|Archlife主宰|株式会社西和人一級建築士事務所|金沢科学技術大学校非常勤講師|日本建築士会連合会青年委員会|Hp:https://archlife.jp|Insta:https://www.instagram.com/kazutonishi_architects/