【5週目】 今週、社内で話題になった事例。(コンワダさん)
こんにちは、株式会社アーキロイドの津久井です。
「今週、社内で話題になった事例。」も5週目になりました。個人的には、タイトルが長いので、コンワダさんと呼んでいます。その事例ときめきますか?
さて、今週も当社で話題になった事例から、いくつかを選んで紹介いたします。
【事例1】不動産VR「ROOV」が資金調達
【概要】
ROOVは、株式会社スタイルポートが運営する、VR内覧を中心とした不動産販売の総合接客ツールで、70社、270の物件で導入されています。マンション価格高騰によるマーケティングコストカットや、モデルルームの見直し、コロナ禍におけるオンライン接客の有用性が重なり、業績を伸ばしています。
ROOVでは、マンションをVRで内覧しながら家具を配置したり、仕上げの種類を変更できます。実際のモデルルームでは物理的にできないことが、VRだからこそできる。ユーザーとしてもいくつものモデルルームを訪れるより遥かに楽で、オンライン商談の力強い味方という印象です。今後、新築マンションだけでなく戸建てやリフォームの現場、インテリアや大型家電などへ広げていく考えだそうです。
【アーキロイドポイント】
今回の資金調達ニュース以前から、当社では話題になっていたツールです。当社が提供するarchiorid.comでは、ユーザーが自身で設計した間取りをその場でVR内覧する機能を提供しています。間取り設計とVR内覧を行き来しながら、納得のいくプランを試行錯誤していただけます。本ニュースのようにVR内覧、オンライン営業ツールが、高く評価されるということは、私たちの取り組んでいることもまさに時代に合っているのだと、再確認することができました。
▲archiroid.comでVR内覧しながら家具配置できる機能も追加されました。販売(実際の建設)にも繋げていきたいです!
【事例2】GEOLONIA「住所の正規化」サービス
【概要】
WEB MAPのSaaSプラットフォーム「Geolonia Maps」を提供する株式会社Geoloniaのサービス。住所の「表記ゆれ」の問題に対して、データの精度向上、統合管理、外部連携をスムーズに進めるために、同一表記に統一するソリューションを提供しています。
▲左は全て同じ住所を指していますが、書き方は人によって様々。それを右のように同一の表記に統一してくれます。(画像出典)
【アーキロイドポイント】
同一の意味内容に複数の表記があるというのは、創作的な文章においては時代感や背景、作家性が現れるので意義深いと思いますが、データという観点では大変煩わしいことです。例えばDBで、上図左のように複数の規則でデータが登録されていると、単純な検索ではヒットしないなどの不便が容易に想像できます。住所は日常生活の中でも頻繁に使うので、データを扱う仕事をしていなくても、悩むことがあるのではないでしょうか。筆者は年賀状を書く時に、住所録を見ながらよく悩んでいました。
もう少し掘り下げると、これはフォーマットの話なので、例えば別のソフトウェアで作った3Dモデルが読み込めない、解析データが閲覧できない、書式が崩れるなどなど、日々の業務の中でよくあると思います。このサービスのような統一化する仕組みによって、あらゆることのデファクトがとられていくと、私たちのような一般のユーザーが、情報社会から受ける恩恵はもっと大きくなるでしょう。
現在、archiroid.comで間取り設計を楽しめる敷地はデフォルトの1箇所のみですが、今後ユーザーが自由に敷地を選択できるようにアップデートされた時には、お世話になるかも?
【事例3】GoogleのAI緑化地図(Tree Canopy)、世界100都市以上に 東京・横浜にも
【概要】
EIE(Google Environmental Insights Explorer)のTree Canopy Labでは、航空写真からAIを用いて、都市における森林面積の把握と各種プロジェクトの推進に取り組んでいます。植林や森林保護に向けたリソースの投入方針の策定などに有益です。これまではロサンゼルス市とともにこの取組を展開してきましたが、今回のニュースにある通り、他の都市でもサステナビリティ向上を支援し、地球環境保全に貢献する考えのようです。
▲テキサス州オースティンの様子(こちらからアクセスできます)
【アーキロイドポイント】
国や企業にとって、サステナビリティは、今や常に持ち合わせているべき視点です。実地で人手と時間を使った測量では、データの更新頻度を高めることは現実的な障壁が大きいですが、これなら衛星が上空を通るたびに測量データを更新することもできるかもしれません。常に最新の地球の状況を見ながら、より的確なアクションを決定できるはず。他の情報に関しても有効な手法であれば、なおのこと期待が膨らみます。
例えば建築や不動産関係の仕事をされている方は、申請図と実際の建物が、位置や形からして全然違ったとか、分筆されているはずの土地にまたがって建物が建っている、といったことはたまにあると思います。画像は嘘をつかないので、衛星画像から取得できる情報をベースに、現実とデータに不整合がある場所を見つけていく、なんてこともできるかも。そんな夢を見させてくれるニュースでした。(※筆者は衛生画像や航空写真の撮影方法、分析方法に通じていないので、あくまで推測の上での妄想とお考えください。)
【事例4】デジタル庁にこそ、バリューが必要な理由
【概要】
■ミッション・ビジョン・バリューについて
2021年9月1日、新たに設置されたデジタル庁の、ミッション・ビジョン・バリューの策定プロセスがnoteで公開されました。筆者は唐澤俊輔氏。ここでは前編を取り上げますが、すでに後編もリリースされています。読み応えのある内容ですのでそちらも是非。
ミッション・ビジョン・バリューは、耳馴染みのない方もいるかも知れません。これまでの民間企業における、「経営理念」だったり「社是」「社訓」などのようなものとお考えください。デジタル庁では下記のように定義しています。
ミッション:デジタル庁は、誰の何のために存在するのか
ビジョン: デジタル庁が目指す、組織としてのあるべき姿とは何か
バリュー: 職員はどのような価値観を持ち、日々どのように行動すべきか
▲ミッション・ビジョン・バリューのイメージ。定義は組織によっても異なる。(デジタル庁noteより)
▲実際に策定されたデジタル庁のミッション・ビジョン・バリューは公式サイトを御覧ください。
■デジタル庁にこそ、バリューが必要な理由
唐澤氏は、「伝統的な日本の組織(企業・省庁)では、バリューの必然性は高くなかった」と言います。新卒で採用され、上司や先輩の行動を見ながら、定期的に異動を繰り返して、「その会社らしさ」が共有されていくから。バリューがなくても自然と価値観は共有され、凝縮性の高い組織が出来上がるのが強み。
対してデジタル庁は、官僚(350人)と民間(200人)という異なる前提を持った人材がフラットに同居する、おそらく日本初の組織。考え方の前提が異なる人材が混ざり合う組織運営の難易度は高く、だからこそ、判断基準を全員で考え、同じ基準を持って職務に当たれるよう、共有の価値観としてのバリューが欠かせないのです。
【アーキロイドポイント】
スタートアップ企業はまず、ミッション・ビジョン・バリューを策定する、というイメージがあります。しかし実際に国内のメガベンチャーがバリューを策定した時期は、メルカリは社員10名ほど、DeNAは社員が400人になってからだそうです。(こちらの記事より)創業時ではなく、メンバーが増え、多様性が増していく過程で、共有の価値観としてのバリューが必要になっていくのでしょう。こうした事例を読むとなおさら「デジタル庁こそ、バリューが必要」というのは腑に落ちます。
これまで省庁・行政というのはお堅くて、我々国民は会見の様子がテレビや新聞で報道されることでその動向を知るというイメージでした。note、Twitter、Youtubeなどの手軽なメディアを使って情報を開く、身近な存在になる、というのは重要で、デジタル庁にはその旗手としての役割も期待したいと思う筆者です。(筆者は農林水産省Youtubeチャンネル『BUZZ MAFF ばずまふ』をよく観ます)
気になって調べてみると、noteでは、note proを中央省庁・独立行政法人に無償提供していることを知りました。実際に経産省や文科省がnoteを使っているようです。当社(筆者)はまだまだnote初心者ですので、新たな発見が沢山です。
【事例5】archiroid.comダウンロードデータできれいなCG作って遊んでみた。
▲archiroid.comのデータから作成したCG
▲動画の制作プロセスなどがnoteになっています。
そうです、宣伝です。今週も企画noteを出しました。archiroid.comで家を設計し、そのデータを元に綺麗なCG動画を仕上げています。是非ご覧ください。「スキ」も押していただけると嬉しいです。
来週以降もこの「コンワダさん(今週、社内で話題になった事例。)」を頑張りつつ、不定期ですが企画noteも出していきたいと思います。是非note、twitterをフォローしてお待ちください!
「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。
社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。
メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。
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