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A∩C:デジタルで建設をDXする[098]

 本稿91「ファストリがBIMスペシャリスト募集」で報告した事業主(施主)側のBIM動向を深掘りするべくファーストリテイリング(ファストリ)の湯山知加子氏(グローバル出店開発部店舗設計業務基盤チームリーダー)にBIMの現在地と次なる展望を聴いた。 家具・什器などのファミリ(部品)を開発してクラウドベースのデータベースで管理運用  出店開発部には、設計施工チームがあり、建設業界の出身者を中心にCADを援用して設計を内製化していた。ファストリとして正式にBIMソフト「Revi

    • A∩C:デジタルで建設をDXする[097]

       BIMサービスプロバイダーとして活動するグローバルBIM社は、BIM関連システムの開発・提供やBIM導入支援と合わせて、施工図会社が担う建設現場での総合調整機能を高度化するべく積極的な施策を進めている。 施工図会社に求められる設計図書を読み取り施工情報を付与して現場へ繋ぐ総合調整力  建設現場においては、設計者と施工者の間を架橋し、設計情報を施工情報へと翻訳する総合調整機能を施工図会社が担っており、施工図は関係者間の設計意思の確認と情報共有のためのメディアとして用いられ

      • A∩C:デジタルで建設をDXする[096]

         BIMに象徴される建設業のデジタル化を先導してきた人材が代替わりの時期を迎えている。デジタル技術運用の知見とノウハウを次世代に伝えるべく活動をスタートさせた浅野博光氏(びむてく工房代表取締役)と原行雄氏(アートヴィレッヂ代表取締役)の新たな挑戦を報告する。 BIMによる3次元設計への移行支援などコンサルティングを行う「びむてく工房」を創業  浅野氏は、1978年に奥村組に入社、工事管理、構造設計、意匠設計、CAD支援ソフト開発などに携わり、建築設計部長などの要職を経て1

        • A∩C:デジタルで建設をDXする[095]

           設計から施工を経て施設管理・運用へと連関する建築物のライフサイクルを最適化する職能として脚光を浴びているのが「ライフサイクルコンサルティング」だ。日建設計の安井謙介氏 (設計監理部門品質管理グループ技術部アソシエイト)の活動から「ライフサイクルコンサルティング」業務の現状を報告する。 先導事業者型モデルのプロジェクトで明示した発注者が作成すべきEIR(発注者情報要件)  日建設計がライフサイクルコンサルティング業者として参加したプロジェクトが「(仮称)プレファス吉祥寺大

        A∩C:デジタルで建設をDXする[098]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[094]

           国土交通省では、建築BIM加速化事業に80億円の予算を計上、25年度にはBIMでの建築確認申請への試行を開始するなどBIM状況が急進する中で、buildingSMART JapanでBIMによる確認申請の取り組みにも関わるなど、官民横断の安井謙介氏 (設計監理部門品質管理グループ技術部アソシエイト)の活動から、「やさしいBIM」「ライフサイクルコンサルティング」をキーワードとして日建設計のデジタル援用の現在地を二回に分けて報告する。「やさしいBIM」は、日建設計コンストラク

          A∩C:デジタルで建設をDXする[094]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[093]

           コンピュータシステム研究所(新宿区)と総合建設業8社(青木あすなろ建設・淺沼組・共立建設・佐藤工業・大末建設株・髙松建設・飛島建設・りんかい日産建設)は、若年社員向けに、BIMモデルを活用したバーチャル建設現場内において施工管理のノウハウを学習する「現場トレーナー」を開発し、サービス提供を開始する。 BIMモデル活用の体験型施工管理教育システムで若い社員が短期間で数多くの現場を体験  「現場トレーナー」は、BIMモデルを活用したバーチャル技術を用いて、短期間で数多くの現

          A∩C:デジタルで建設をDXする[093]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[092]

           清水建設は、顧客がクラウド上の竣工BIMデータを閲覧できると共に、要望に応じて竣工BIMデータをカスタマイズするサービスを4月から提供する。建物用途や規模、LODにより異なるが、中規模の一般事務所ビルで200万円程度からと、BIMデータに値付けし、公にした初の事例として注目できる。 施工BIMデータを正規化してLOD100~200に編集+竣工BIMデータとしてクラウド上に保管  サービスの提供に際しては、設備本部内に設けた専門チームと業務提携したベトナムの大手設計事務所

          A∩C:デジタルで建設をDXする[092]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[091]

           国土交通省が建築BIM加速化事業で80億円の予算を計上したインパクトは大きかった。建築主もBIMの重要性に気づいている。ユニクロのファーストリテイリングでは、BIMスペシャリストの募集を始めた。BIMの普及・浸透を加速化させる新たな胎動が生まれている。 建築主としてファシリティを管理・運用するためにはBIM情報の利活用が不可欠と宣言  3月5日、ファーストリテイリングの採用情報に目を見張った。BIMマネージャーを募集していた。グローバルファシリティマネージメントと修辞を

          A∩C:デジタルで建設をDXする[091]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[090]

           ACES(文京区)※とJEFエンジニアリング(千代田区)は、共同開発していた自動配筋検査AIシステムのアプリケーション開発及び検証が完了したと公表、現場での実用化に向けて22年11月に国土交通省の東関道武田川橋上部工事での試行を実施した。 自動配筋検査AIシステムの開発をJFEEと共同で行い東関道武田川橋での試行を実施  ACESでは、多くの⼈員を要する配筋検査における鉄筋径、鉄筋本数、鉄筋間隔、継手長の計測を画像認識技術によって⾃動化するアルゴリズムを開発してきた。今

          A∩C:デジタルで建設をDXする[090]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[089]

           創る=設計から造る=製造へと直結するデジタル・ファブリケーションが活況を呈している。アーティストリー(愛知県春日井市)※1は、22年11月に工場内にCNC LAB※2を開設、木工先進国ドイツ・イタリアの最新工作機械「5軸CNC」などのデジタル機械を導入し、家具、サウナ、建築、アートなどの多様な分野への援用を開始した。 クリエイティブ(創造)・トレーニング(訓練)・イノベーション(技術革新) のLAB機能  脱炭素社会の実現に向けて国産材の利用や木造木質空間の必要性が注目

          A∩C:デジタルで建設をDXする[089]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[088]

           大林組は、異なる企業組織間の壁を越えたBIM利用促進を目的にBIMモデリングルールである「Smart BIM Standard(SBS)」を一般公開した。建設業界を横断的に糾合し、DX戦略の推進を目的に結成された「建設RXコンソーシアム」、BIM相互のデータ連携を可能にするクラウド上の共通データ環境=CDE(Common Data Environment)共々、広く建設業界全体のBIM利用を促進し、建設プロセスの生産性向上を目指す動きとして注目できる。 情報の一貫利用をめ

          A∩C:デジタルで建設をDXする[088]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[087]

           国土交通省が25年度までにBIM相互のデータ連携環境の構築と共にBIMによる建築確認申請の試行を開始するとし、80億円規模の建築BIM加速化事業を実施するなどBIMを巡る環境は急変している。そのような状況下、BIM相互のデータ連携を可能にするSaaS(Software as a Service)として注目を集めているのがCDE(Common Data Environment)だ。今後のBIM展開を左右する最も重要なファクターであるCDEについて概説すると共に、代表的なCDE

          A∩C:デジタルで建設をDXする[087]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[086]

           建設業界を横断的に糾合し、BIMに代表されるDX戦略の推進を目的に結成された「建設RXコンソーシアム」の現在地と目指すべき近未来像を探る。 スーパーゼネコン4社+過半を超える中堅ゼネコン+サブコン+関連異業種から会員参集  建設RXコンソーシアムは、日本建設業連合会(日建連)に加盟し、研究開発機関を有する一定規模以上のゼネコンを正会員として21年9月に16社で活動を開始した。一年余を経て正会員28社+協力会員126社にまで成長している。  正会員の中核であるスーパーゼネ

          A∩C:デジタルで建設をDXする[086]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[085]

           BIMの大きな山が動いた。国土交通省では、11月15日開催の建築BIM環境整備部会において「BIMによる建築確認申請の試行」を25年度までに開始するとした。部会では省側から「令和4年度第二次補正予算(案)にBIM関連事業費80億円計上」との発言もあり、その後、間髪を入れず、「建築BIM加速化事業」として実施要項が公表された。 25年度までにBIM相互のデータ連携環境の実現と共にBIMによる建築確認申請の試行開始  BIMによる建築確認申請の試行は、建築BIMの将来像と工

          A∩C:デジタルで建設をDXする[085]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[084]

           Building SMART Internatinal(bSI)が認定するBIMプロフェッショナル・トレーニング・コースを受講し、優秀な成績でBIM Project Information Practitionerの資格を取得したのが高荒洋介氏だ。大手ゼネコンでも組織的に資格取得の動きがある中で、地方都市から個人として資格取得に挑戦した高荒氏に、コース受講のきっかけから認証資格取得後のBIMを用いた活動への展望までをオンライン取材した。 BIMプロフェッショナル・トレーニ

          A∩C:デジタルで建設をDXする[084]

          A∩C:デジタルで建設をDXする[083]

           DTS(中央区)では、ハウスメーカーや中小工務店及び協力会社が活用できるクラウド型施工管理システム「Walk in home CUMOE(ウォークインホーム クモエ)」の販売を開始しました。本システムを援用することで営業・施工・アフター管理の各工程を一気通貫で支援し、業務の効率化を実現します。 「Walk in home CUMOE」は住空間プレゼンテーションCAD「Walk in home」と連携して稼働  「Walk in home CUMOE」は、施工管理システム

          A∩C:デジタルで建設をDXする[083]