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古書店街神保町の老舗喫茶 ラドリオ×ウィンナーコーヒーを堪能【東京神保町】

私達の身の回りに当たり前にあって、日々の生活を豊かにしてくれるもの、それは建築と甘いもの。
このnoteでは建築好きのやま菜がおすすめしたい建築と甘いものを紹介していきます。

今回訪れたのは日本を代表する古書店街であり、多くの出版社がひしめき合うことでも知られる東京神保町。
そんな神保町に、70年以上続くとっておきの建築と甘いものスポットがある。


1.古書店街にある老舗の喫茶店ラドリオを訪問

神保町といえば、日本一といっても過言ではない古書店街として知られているが、そんな古書店街とセットになっているのが古き良き喫茶店だ。

神保町には多くの喫茶店があるが、その中でも建物自体も歴史ある喫茶店は、ごく僅か。
今回訪れたラドリオは、そんな神保町の古喫茶の中でも最古級の歴史がある喫茶店だ。

地下鉄の神保町駅を出て靖国通りから1本路地を入ると、ラドリオという看板と共に煉瓦に覆われた建物が見えてくる。

ラドリオは戦後間もない1949年に創業した喫茶店。
このラドリオとはスペイン語で煉瓦という意味だが、細い路地の先にある煉瓦の建物を前にすると、異国の地にいるような不思議な感覚になる。

この日は店外に3組ほどの行列ができていて、暫し店の外で順番待ち。
細い路地は大通りの喧騒からは離れた別世界のようで、お店の前の看板やちょっとした植物なども雰囲気がある。

ラドリオのすぐ前には、襤褸(boro)という喫茶店があり、こちらも煉瓦調の外観となっている。
こちらの店舗は元々は神保町ミロンガというタンゴの喫茶でラドリオと同じぐらいの歴史を持っていたが2024年の初めに改装して喫茶店となった。

しばらく順番をもって早速入店。
昼間だが妖しい雰囲気を纏った店内に、少しドキドキしながら足を踏み入れた。

そんなラドリオで頂くのは、こちらのウインナーコーヒーだ。
今ではどこの喫茶店でも見かけるウインナーコーヒーだが、その発祥はこのラドリオだ。

想像以上に甘い味わいのクリームは、珈琲の深みと合わさって至高のコーヒータイムを演出してくれる。

アールグレイバナナのケーキもあわせて注文し、午後の平穏なひとときを堪能した。

ケーキはその時々によってメニューが変わる他、特製のコーヒーゼリーなど様々なスイーツメニューもある。

また、ラドリオではお得なナポリタンやカレーなどのランチセットもあるのでお昼時には特に賑わう。

ランチセットは、サラダとスープと珈琲がついて1000円。
神保町といえばカレーのイメージがあるが、ラドリオのチキンカレーはまろやかな味わいが特徴で、こちらもオススメのメニューだ。

2.文化的の香りと歴史の蓄積を感じる店内をじっくりと堪能

店内は、歴史を積み重ねて鈍く光る柱やカウンター等の木材床や腰壁まで続くレンガの内装煌々と光るランプなど、どこをみてもワクワクする内装となっている。

ラドリオという名の通り、床も煉瓦敷になっているのがとても素敵だ。

店内の真ん中には大きな本棚がある。
ラドリオは古くから文学者や芸術家、編集者の常連客が集まっていたこともあり、店内はどこかサロンのような雰囲気が漂う。

壁に掛けられた昔の神保町のマップも面白い。
日付を見ると昭和54年と書いてあるので、どうやら40年以上前の神保町の地図のようだ。
店内を見渡すといろいろな場所にそれぞれの歴史があり、とても興味深い。
入口付近には毎月発行しているという手書きのかわら版があったりするのも、神保町らしくてほっこりした。

【ラドリオ 店舗情報】
住所:東京都千代田区神田神保町1-3
行き方:神保町駅より歩いて約3分
創業:昭和24年
営業時間:
 月曜日~金曜日 11:45~22:30
 土曜日、日曜日 11:45~19:00
定休日:祝日

3.あわせて訪れたいおススメのグルメ建築

せっかくなので、ラドリオとあわせて訪れたい神保町近辺の老舗建築についても紹介したい。
(神保町には本当に素敵な建築が多いが、ここでは食事もできるおススメ建築として2建築を紹介する)

まずはじめに紹介するさぼうるは、ラドリオ創業の数年後の昭和30年に創業した老舗の喫茶店だ。

山小屋のようなデザインの建物が特徴の建物は、エントランスに巨大なトーテムポールが鎮座していたり、中は煉瓦が敷き詰められた空間が広がっていて、外界から隔絶されたかのような独特の雰囲気がある。

「さぼうる」はスペイン語では「味」や「味わい」を意味する言葉だが、珈琲や軽食を提供する喫茶店としての意味だけでなく、創業してからの歴史の蓄積が空間全体で味わえるとっておきの喫茶店建築だ。
ちなみにこちらのさぼうるは、現在はドリンクや軽食メニューが中心で、すぐ隣に建つさぼうる2はフードメニューが中心となっている。どちらも週末には行列が絶えない人気店だ。

【さぼうる 施設店舗】
住所:東京都千代田区神田神保町1-11
行き方:神保町駅より歩いて約1分
竣工:昭和30年代
営業時間:11:00~19:00
定休日:日曜日、祝日

続いて紹介する天麩羅はちまきは、神田すずらん通りに建つ老舗の天ぷら屋さんだ。
建物自体ははちまき創業の少し前の昭和2年に建てられたもので、木造2階建ての店舗の外装はこの時期流行していたスクラッチタイルがあしらわれて、シンプルながら味わい深い店舗となっている。
ごま油のいい香りと天ぷらを揚げる独特の音が聞こえてくる店内では、江戸川乱歩も愛したという看板メニュー穴子海老天丼などの絶品の天ぷらがリーズナブルなお値段で味わえる。

【天麩羅はちまき 施設店舗】
所在地:東京都千代田区神田神保町1-19
行き方:神保町駅より歩いて約3分
竣工:昭和初期
営業時間:
 平日 11:00~15:30、17:00~21:00
 土曜、日曜日、祝日 11:00~20:00
定休日:火曜日

第10回となる今回は、神保町エリアの建築と甘いものを紹介しました。
どの建築も素晴らしい体験と味を楽しめる名建築なので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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