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寄り添うということ

宇宙元旦の春分が過ぎて、いよいよ気が上がって少ししんどくなっている人もいるかもしれませんね。
新しいことが始まる方はドキドキソワソワ、準備に忙しくされているでしょうか。
わたしは、草花を観察したり食したり、春を感じながら過ごしています🌷


最近特に嬉しかったのは、母が半年ぶりに美容院に行けたこと。
母は6年前からパーキンソン病と診断され、自宅で父の介護により生活しています。
去年3月、元気だった父が急遽検査入院することになりそれからわたしの実家通いが始まりました。


父は元気になって退院したのですが母は徐々に出来ることが少なくなり、お風呂はわたしじゃないと入りたくないということで2週間に1回の帰省がルーティンに。


そして、古くて狭い昭和のお風呂に入るのがしんどくなり、半年前からお風呂に入らず体を拭くようになりました。
髪は市販のシートシャンプーで済ませているので、正直綺麗にするには限界があります。
友人の美容院へ行こうと誘っても乗り気じゃないのでなかなか難しく…。
美容院が嫌なくらいなのでデイケアに行くなんてもっての外で、どうしたもんかと思っていました。


でも、ここで無理強いをしなかったのは父の存在があったから。父はそんな母に対して、絶対に無理矢理やらせないという方針を貫いているのです。
何をやるにもまず母の意見を聞いて、嫌なことや気が乗らないことは絶対にさせない。
お風呂に入らないからって死ぬわけじゃない。
他のことでも父の母へ対する態度に、これが人に寄り添うということかと事あるごとに感動していました。


しかし、父も初めからそんな風に出来ていたわけではなく、母がもっと体を動かせていた頃はお互いの意見をぶつけ合ったり、それこそ昔は亭主関白を絵に描いたような父(お茶を一杯飲むのも用意させるくらい)でしたから、お互い頑固で似たもの同士、よくケンカをしていました。


そんな父の態度が一変したのは父自身が入院を経験してからでした。それまでも今までの父からは想像出来ないくらい(家事全般をこなすようになった)の変貌はあったのですが、それは物理的なことで、本当の意味で母の心に寄り添っていたかというと、まだ自我が邪魔していたように感じます。


大部屋での入院生活の中で、看護師さんがそれぞれの人に合わせて寄り添う言葉がけや態度を観察している内に、思うところがあったようです。


それからというもの、父はどんな母でも『全てを受け入れる』気持ちで接しているのが伝わって来ます。母がどうしたらご機嫌で過ごせるか、それを第一に生活しているそうです。そんな父を凄いと感じることを伝えると、母はいつもどんな小さなことでも「ありがとう」と感謝を伝えてくれるので、元気な頃より気持ちよく過ごせていると言います。


まだ母が固形物が食べれていた頃に
父が描いた母のメニュー表


春の日差しが暖かいある日のこと、父は母の頭にこびりついたフケをお庭で日向ぼっこしながら、歯ブラシで髪の毛一本ずつ綺麗に取り除いたそうです。
とても綺麗になっていて、わたしはまたまた父の根気強さに感動させられました!


その後、母は
「◯◯ちゃん(の美容院)に行きたい」
と言ったのです✨✨✨


そこは友人がやっている美容院で家からも近く、母が元気な頃に通ったことがある顔馴染みの場所。友人家族とは同じ町内でその友人に母が着付けを教えてあげたこともあるので、安心して任せられたことも大きかったと思います。


髪をしっかり洗髪して気持ちが良かったのかヘアカットもしたいと言い出して、いきなりは無理だろうと予定にしていなかったカットもしてもらいました✨


3ヶ月に一回の病院に行く以外出歩かなくなって一年になる母にとって、これは本当に大きな大きな第一歩になりました!

丁寧に3回も洗ってくれました✨



わたし、今回のことで一つだけやったことがあるんです。それは、

『母が美容院に行きたくないのは本当かな?』

と、疑ってみたことです。
当たり前になり過ぎて受け入れてしまっている不足を、期待を持たずに疑ってみたんです。
すると、父の行為があり、その父の行為によって母の心が動いた💕
こうなればいいな!という願望だと力が入り過ぎて逆に執着になってしまう。
もっと軽やかに期待を持たずに疑ってみると、案外スルスル〜っと不足から抜け出せるかもしれませんね😌


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