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製糖メーカーによる種子島初のラム酒、 "ARCABUZ" プロジェクト始動

みなさん、はじめまして。種子島初のラム酒・ARCABUZ(アーキバス)を造る大東製糖種子島(株)の応報担当です。これから蒸留所の様子やブランドストーリー、イベント、美味しい飲み方の提案、種子島の風土などの記事をアップしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。


私たち「大東製糖種子島株式会社」って?

 ARCABUZ(アーキバス)を製造する私たち大東製糖種子島株式会社は、社名の通り、種子島の中種子町にある製糖会社です。親会社は千葉県に本社を構える大東製糖株式会社で、2018年に地元自治体である中種子町と立地協定を締結し、関連会社として設立されました。
 事業内容は、さとうきびの栽培から手掛けるプレミアム砂糖事業、安納いもに関する事業です。日本の製糖メーカーで、自社でさとうきび栽培までしているのは私たちだけです。

 そのバックボーンにあるひとつの想いは…
 「砂糖の可能性を追求し、変わらないイメージを変える」

 砂糖は身近にあり、当たり前すぎて空気のような存在かもしれません。でも、食文化をささえる大切なプラットフォーマーであり、ひと口に砂糖といっても、作り方によって甘いだけでない多様な美味しさがあります。また地域に根付いた文化もあります。
 少し大げさな言い方かもしれませんが、見過ごされている砂糖の本当の価値を伝え、さとうきびの産地や消費者の暮らしを豊かにする。その取り組みの一環として、種子島初のラム酒・ARCABUZの製造にも取り組みはじめました。今年4月から製造を開始し、11月に発売を目指しています。

ドイツ・KOTHE社製の銅製 蒸留器を導入
蒸留施設

「ラム酒は、さとうきびから出来ているだ」
ひと口でたちどころにわかる、アグリコールラムを造る

 ARCABUZ(アーキバス)は、アグリコールラムです。世界の約95%のラム酒は、製糖の過程で出る廃糖蜜を原料にしたインダストリアルラムですが、アグリコールラムはさとうきびの搾り汁が原料です。

 なぜアグリコールラムなのか? それは、さとうきびの個性や素材のよさを表現できるから。さとうきびは収穫すると、含まれているショ糖がどんどん減っていき、早く搾汁しないとアグリコールラムの原料にはできません。私たちの蒸留所とさとうきび畑は、目と鼻の先です。このロケーションも武器に、さとうきびの良さを引き出したラム酒を造りたい。

「あぁ、ラム酒ってさとうきびから出来ているんだ」。ひと口で素材の良さやテロワールが伝わる味づくりを目指しています。

なお、搾りたてのさとうきび汁はきれいな緑色をしていて、口にするとメロンを思わせるような清冽な香りと甘さがあります。私たちは原料のさとうきびに、ショ糖濃度の上昇が早い「黒海道(くろかいどう)」という品種を栽培・使用しています。

収穫の模様
搾汁の作業場
収穫したさとうきびの中から、状態のよいものだけを選別
搾りたてのさとうきびジュース

新時代の幕明けを願ってARCABUZ(ポルトガル語で火縄銃)
11月発売に向け、蒸留所はフル稼働

 アグリコールラムは、さとうきびを収穫できる時期にしか製造ができないため、GWも返上してさとうきびの収穫、搾汁、発酵、蒸留を行いました。自然相手だからこそ待ったなし、でも、そこにアグリコールラムを造る面白さのひとつを感じています。

 本来は春先にさとうきびの収穫が終わりますが、蒸留施設の完成まで収穫を待ったことと、天候不順で収穫できない日が続いたため、今はさとうきびの収穫から蒸留までの工程のラストスパート。
 その甲斐あって、蒸留の出来栄えは香り高くて上々。

 ARCABUZ(アーキバス)はポルトガル語で、火縄銃の意味です。種子島は火縄銃の伝来や、種子島は火縄銃の伝来や日本で唯一の実用衛星打ち上げ基地・種子島宇宙センターがある、時代の幕開けのきっかけとなる出来事と縁の深い島です。種子島がラム酒でも世界に知られる、豊かな新しい時代が開かれることを願い命名しました。

11月発売のホワイトラムの味わいがとても楽しみです。

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