読書感想文(48)コナン・ドイル作、延原謙訳『シャーロック・ホームズの叡智』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はついにホームズの完結編です!
なんだかんだで10冊読み終えました。
今は達成感で満たされています。

感想

今回も楽しかったです。全体的に平均以上に面白く感じたものが多かったように思ったのですが、最終巻補正でしょうか笑。
印象に残ったのは「緑柱石の宝冠」「ライゲートの大地主」「ノーウッドの建築士」「三人の学生」「ショスコム荘」です。
特に「ノーウッドの建築士」は途中までホームズが劣勢だったのが珍しくて面白かったです。

また「技師の親指」では、危険を知らせる女性が登場しますが、これを読んだ時に私は「なるほど、もしこの状況でこの女性が敵だとしても簡単に信じてしまうだろうな」と思いました。つまり、危険が迫っている時に手を差し伸べられたらよく考えずに信じてしまいそうだな、ということです。
危険が迫っている時に「こっちへ」と言われてついて行ったら、裏切られた、みたいな。
完全に犯罪者側の視点で、よくこんな事思いついたなと我ながら思いました。
しかし、今書きながら、これって現実では恋愛でよくあるかもしれないなと思いました。「どうしたん?話聞こうか?」というやつですね。人を信じたい時こそ、注意が必要かもしれません。

さて、今回でホームズを全て読み終わったわけですが、平成のホームズこと名探偵コナンとの違いなども少し気づきました。
例えば、少年探偵団は思ったほど出てこないなぁとか、コナンは殺人事件が多いから殆ど警察が出てくるけどホームズは半分くらいかなぁとか、コナンは殺人は何があってもしてはいけないとよく言うけどホームズは凶悪な殺人犯が復讐されても当然の報いのように言っているなぁとか、コナンの事件はホームズに比べると日常的な(?)ものが多いなぁとか。まあコナンはアニメしか観ていないので、原作ではどうなっているのかわかりません。

あとは事件を解決しても警察に知らせずに上手いことやるのもホームズの特徴なのかなと思います。後半になるにつれて自身の寛容さというか、柔軟さを自ら話していますし。これも今とは警察の位置付けなどが違うことによるのかもしれません。真実は必ずしも明かす必要はないというのは、はやみねかおる「夢水清志郎」 シリーズのどれかで読んだ記憶があります。10年以上前の記憶ですが、それでも覚えているのだから読書ってすごいなと思います。

また、ホームズを読んで自分の思考にも多少影響があるようにも思われました。ホームズのように抜群の推理力が身につくわけではありませんが、普段の気づきが増えたように思います。日常生活でもそうですし、先日読んだ新井素子『チグリスとユーフラテス』でも「あれ、これおかしくない?」と思っていたところが伏線になっていたりしました。
日常で気づきが増えるというのは、その分よく生きている(「良く」ではなく)ということだと思うので、良い影響を受けたなぁと思います。
日常の気づきを増やしたいと思った時、短歌を詠むことがそのトレーニングに適しているのでないかと最近思いました。話が逸れてきているのでそろそろ終わります笑。

おわりに

そんなこんなで、ホームズ完結です。
思ったより呆気なく終わったというか、いつもと変わらぬ調子で終わりました。
なんなら「最後の挨拶」の方が最終回感があったように思います笑。

ただ、ホームズ関連書籍はたくさんありますし、エドガー・アラン・ポーのアポロシリーズやモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパン、そしてルパンvsホームズなど、色々と読みたいものが増えました。そういう意味でもホームズシリーズを読んでよかったと思います。

というわけで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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