読書感想文(336)ドストエフスキー『罪と罰 下巻』(工藤精一郎訳、新潮文庫)


はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は前回の続きです。

感想

面白かったです。
が、めちゃめちゃ正直に言えば、長かったーというのが一番の感想です笑。
決して退屈というわけではないのですが、話が長くて……。ページ数が多いのもありますが、会話が長く感じます。
ただこれは隠し事をしている者、相手の考えを探ろうとしている者たちの婉曲な言い回しのせいなので、必要な冗長なのかもしれません。
ストーリー自体はとても面白かったです。
あ、ただこの下巻の前半である第四部は、主人公のラスコーリニコフではなく、その妹の婚約者であるピョートル・ペトローヴィチ視点が多く、ここは少し退屈でした。成金の心情描写にあまり興味が無いからかもしれません。

下巻で一番印象に残っているのは終盤です。スヴィドリガイロフがドゥーニャの愛を諦めた後、そしてラスコーリニコフが自首を決意した後です。
この辺りは、これまでのドロドロとしたまどろっこしい悩みから解放されて、清々しさすら感じます。全てがゴールに収束していくような感じで、二人のそれぞれの清算です。
こういった感想が出てくるのも、「長いなー」と思いながら読んでいたからかもしれませんが笑。

おわりに

なんだか雑な感想になってしまいましたが、ドストエフスキーレベルの名作になると、そもそも読んだことにも意味がある、と思っています。
なぜなら他の作品で『罪と罰』の例えが出ることもあれば、この作品が好きだという人の話を聞く時に「自分も面白いとは思ったけど長いな〜と思ってたなぁ」と思いながら聞くことができるからです。この作品が好きな人なら、歴史を含めて話が聞けるかもしれませんし。
そういう意味では『カラマーゾフの兄弟』も読みたいですし、坂口安吾の小説のタイトルにも使われている『白痴』も読みたいです。
でも今はお腹がいっぱいなので、そのうち気が向いたら読んでみようと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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