読書感想文(338)夏目漱石『草枕』
はしめに
こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
超有名作家の有名な作品です。
昨年初めて読み、とても色々なことを考えさせられました。昨年読んだ中でもトップ10に入るほど面白かった作品です。
今回また読もうと思ったのは、熊本に旅行することになったからです。
旅程に「草枕の道」も入っているので、その前にもう一度読もうと思いました。
今ちょうど、熊本に向かっているところでこの本を読み終えて、このnoteを書いています。
↓昨年読んだ時の感想文
感想
やはり良かったです。
前回は一つ一つの表現や内容について吟味しながら読みましたが、今回はできるだけ流れに任せて読むようにしました。
とはいえ、序盤はやはり色んなことを考えさせられました。
また、今回は先に述べた通り、実際に熊本に行くので、山路を登っている時の情景描写に注目しながら読みました。
実際に現地で確かめてみたいと思ったのは、次のような所です。
立ち上がる時に向うを見ると、路から左の方にバケツを伏せた様な峯が聳えている。杉か檜か分からないが根元から頂きまで悉く蒼黒い中に、山桜が薄赤くだんだらに棚引いて、続き目が確と見えぬ位靄が濃い。少し手前に禿山が一つ、群をぬきんでて眉に逼る。禿げた側面は巨人の斧で削り去ったか、鋭き平面をやけに谷底に埋めている。天辺に一本見えるのは赤松だろう。
逡巡として曇り勝ちなる春の空を、もどかしとばかりに吹き払う山嵐の、思い切りよく通り抜けた前山の一角は、未練もなく晴れ尽くして、老嫗の指さす方に巑岏と、あら削りの柱の如く聳えるのが天狗岩だそうだ。
「これから五丁東へ下ると、道端に五輪塔が御座んす。序に長良の乙女の墓を見て御行きなされ」
百年くらい前の話なので、どれくらい現代に残っているのかはわかりませんが、探してみようと思います。
また、今引用した部分を書きながら、景色はやはり美しいけれども、言葉遣いはしっくり来ないなぁと思いました。
例えば「巑岏と、あら削りの柱の如く」などは意味が重複してしつこいように感じます。
今回読んでいて、那美さんが出てくるところはやっぱり面白いけれど、出てこないところは少し退屈だなと感じました(冒頭は除く)。
例えば、床屋で髭剃りをしてもらうところなどが特に退屈でした。
おわりに
今回久々に漱石の作品を読みましたが、『それから』や『こころ』も久々に読みたいなぁと思いました。近いうちに読むかもしれません。
ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。
おまけ
熊本にある「草枕の道」を実際に歩いてきたので、撮った写真をいくつか載せておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692270626676-UKlNOcmYmO.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1692270647859-cKUavbMNQ5.jpg?width=800)
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