読書感想文(335)ドストエフスキー『罪と罰 上巻』(工藤精一郎訳、新潮文庫)


はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は世界的に有名なロシア文学、ドストエフスキーの作品です。
ドストエフスキーの作品は初めて読みます。
この本は数年前に「いつか読むやろ!」と思い、買ったまま積ん読になっていました。
今回手に取ったのは、青春18きっぷで鈍行に乗りながら、じっくり長編を読もうと思ったからです。
結局、上巻を読み終えたのも帰ってきてからでしたが。

感想

まだ上巻なので半分なわけですが、面白いです。
翻訳ならではの読みにくさも多少ありますが、かなり読みやすい方だと思います。
合わない文体の日本近代文学よりはよっぽど読みやすいです。

ストーリーは超有名ですが、超ざっくり言えば、殺人を犯した男の苦悩、です。
一番印象に残っているのは殺人の場面で、主人公の焦りが見事に表現されていて、臨場感があります。

また、その他の様々な出来事が、いちいち殺人を犯した主人公と対比して考えられるのも面白いです。
例えば、殺人を犯した後に主人公は哀れな貧しい家族に金銭を施し、生きる活力が湧いてきます。善による生の喜びを感じるわけです。一方、この殺人も元々は大義名分も持っていたのですが、当然殺人には苦悩がついてきます。今回の場合は予定外の殺人もあったわけですが、仮にそうでなくとも主人公は後に苦しんだだろうと思います。
罪人の苦悩、罪人による善行。
この辺りに注目して、下巻を読んでいきたいです。

少し話が逸れますが、序盤になんとなく太宰治の空気を感じました。
直前に読んでいたからバイアスもあると思うのですが、生きることに対する罪の意識のようなものが共通しているからでしょうか。

正直、当時の社会情勢などが不勉強なので、読み取れていないことが沢山あると思います。
恐らく下巻の最後に解説があると思うのでそちらに期待して、ひとまず読み進めていこうと思います。

おわりに

今、結構良い所で終わっているので、早速下巻を読んでいこうと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。


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