「四季折々」、超個人的解説のコーナー〜楽曲編〜

今日も先日リリースになりました1stアルバム「四季折々」の話をして行こうかと思います。

今日からは、それぞれの楽曲について。

あ、今回も一応断っておきますが、言ってることは新井個人の見解で、バンドを代表しての意見ではございませんので、あしからず。

1.羅針盤

収録曲順を決めるにあたって、あれがいい、これがいいといろいろアイデアを出していた時、「羅針盤は1曲目!」と言ったのは安齊さんでした。

アルバムのコンセプトとして、「四季の移ろい」があるので楽曲のもつ季節は順々に並べたいというのがまずありました。

でもこの「羅針盤」という曲には明確な季節描写があるわけではないので、どこにでも置こうと思えば置ける曲だったりする訳です。

順当にいくと「街」で春から始めるのもありではあったのですが、安齊さんの提案通りこの曲を1曲目にしてよかったなと思いました。

この記事で歌詞について熱く語った通り、すごく力強い決意表明的な曲だからこそ、1曲目に持ってきたときにメッセージが映える。

かつ、1曲の中で時間経過を感じられる曲だからこそ、「このバンドができるまでの時間」や、「ひとつ前の年の冬」という捉え方もできるようになっているな、と出来上がったものを聴いて思いました。

始まり方もまた、すごくこだわったので、オープニング感がありますね。下田さんのギターから、一瞬全ての余韻がなくなって、バーンッとバンドイン

これ以上ないアルバムの1曲目だと思います。

ドラマーなので、一応各曲ドラムアレンジ的なお話もしようかと思います。

この曲は、底なしの青の曲の中でも比較的手数の多い(いっぱい叩くって意味です)曲です。

イントロとサビが特に印象的で、前3人を押し出すような、これは物理的に押し出すようなイメージで叩いています。

だからこそ、特にバスドラムに推進力が出るような、少し細かい連打をパターンに入れてみました。

あとはどっしりした太鼓中心のフィルインが多いのも、この曲の壮大さの一因になっているのかなと思います。

あくまでやっていることは基本のジャングルビートですが、ズンズンと前に進む感じを大切に叩いています。

2.街

この曲は本当にライブで育っていくな〜と思います。ライブで楽しい曲ランキングかなり上位に入ります個人的に。

アルバムの中で「春」を象徴的に表現している一曲です。

イントロからサビ前、いろいろドラムが象徴的にフィーチャーされるタイミングが多い曲なのもあって、すっきり聴こえることを心がけました。

シンバル等金物と言われる楽器たちのキラキラ感が素敵な感じになっております。

歌詞の話を少しすると、僕はこの曲の歌詞でとっても好きな1節があって。

一番遠くにあったものを
手に入れたとして なんか違うな
途切れ途切れの言葉だって
いつの日にか ドレミファソラシド 唄になる

細かいことは人それぞれによって感じ方は違うと思います。僕はずっと目指し続けている目標、が叶っても日々は続いていくし、その頃にはまた別の目標ができていたりする、「人生のしんどさ」的なものを前半から感じます。

でも、そんな繰り返しに見えるしんどい日々の中で積み重なった言葉たちも、こうやって今音楽に「成って」あなたの前で「鳴って」いるんだよ、という歌詞。特にライブの時はまさにそういう状況なのでぐっときます。

下田さんは放っておくとすぐ素敵なダブルミーニングを入れてくるので油断できません。

実際「街」の歌詞の中にも、あと一か所ダブルミーニングが入っているので歌詞カードをお持ちの方は探してみてくださいね。

3.真っ逆SUMMER

そして季節は移ろい、「夏」を表すこの曲。

一口に「夏」と言っても、この曲は

夏真っ盛り!!!かんかん照り!海いえい!アウトドアいえい!

っていう夏じゃなくて、「残暑」というか、どちらかというと8月の終わり、なんなら「9月入ったのにまだ夏だね〜」みたいなことを言っちゃう感じの情景だな〜と個人的には思います。

あと、あくまでイメージですけど、ハワイの夕暮れ時、人の集まるビーチから少し離れたところに車を止めて聴きたい

ハワイはおろか海外行ったことないけど。

この曲の歌詞はひたすらにサウンドによりそう「ゆらゆら感」と「押韻と言葉の気持ちよさ」が詰まってるな〜と思います。

まず表題が言葉遊びですしね、なんとなくずっといい意味で本気じゃない感じというか、ちょっとその場をなめているテンションなんですよね。

それが曲のレイドバックした感じともとってもあっていて。

細かく見ていくとまずは

「効果的 ダメージ ダメージ ダメだよ」
「それはそれでさ 違ったのかな 金縛りにあったように」

みたいな、押韻と言葉遊びの中間のような気持ちいい言葉運び。両者も最高にメロディとマッチしていて、聴いている側はめちゃめちゃノレる。

後者こそ僕はこの曲の下田さんの歌詞の白眉だなと思います。(何様や)

メロディの切れ目と歌詞の切れ目が一致してないけど、それが最高に心地良くて。ここを聴くと「歌モノバンドやってるな〜!」って思います。

あとはドラムについてですが、ここでレコーディングの手法的なお話をしようと思います。

「四季折々」収録曲については、音源を録った時期がずれている「青い太陽」「slow down」を除く全曲、たいきさんと僕、つまり一般的に「リズム隊」と呼ばれるベースとドラムを同時に録音しています。

それもあってリズム隊の録音は2日かけて行ったんですが、それぞれ前日あーだこーだと細かいところ話あったりするのも含めて二人でスタジオで練習しました。

そんな練習の中で、特に難しかった、というかもはや前日の練習で最後まで納得がいかなかったのがこの曲でした。

聴いていただいた皆様はお分かりの通り、ちょっとレイドバックした、後ろノリというやつ。その中で二人で呼吸を合わせる難しさ、どれぐらい後ろにいくのか、というすり合わせがなかなか出来なくて。

とても苦労しました。でもいざ録音、となった時は意外とすっとまとまって。ちゃんと話し合って思考錯誤して一晩寝ると「熟成」したりするのかなぁと思ったりしました。

今年した数多くの音楽体験の中でも、特に印象的な出来事でした。面白いなぁと。

そんな感じで今日は以上3曲についての解説でした〜

ではまた!

【最後まで読んでくださった方へのおすすめ記事】

ドラマーだけど、勝手に自分のバンドの歌詞解説してみる回【羅針盤編-1】

「四季折々」収録曲、超個人的解説のコーナー〜アートワーク編〜

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