モノづくり精神を大切にするD2Cブランドならではの組織作り
「世界最高を作ろう」。これは、クラシコが会社全体で大切にしている考え方です。
僕たちはテーラード技術を取り入れた白衣を中心に、医療用品の企画・製造・販売をおこなっており、メディカルアパレル領域でグローバルNo1のブランドをつくろうと本気で目指しています。
世界最高のブランドを作るので、商品だけでなく顧客サービス、ECサイト、マーケティング、セールスなどの全てにおいて常に「世界最高」のクオリティを追及しています。
そして、それを支えているのがチームや組織という土台です。
そのためクラシコでは、社員から社員に感謝の気持ちをカタチにして贈り合える「クラシコチップ」や、半期ごとに社内MVPを表彰する制度があります。
なぜそれらは導入されたのか。実際どのような役割を果たしていて、成果にどのように結びついているのか。今日はそんなテーマで書いていきたいと思います。
社内文化を浸透させるクラシココード
僕たちは一般的に「Value(バリュー)」と呼ばれる価値観や行動指針を「クラシココード」と名づけ、下記の5つにまとめました。
・世界最高を作ろう
・顧客の視点で想像しよう
・最速精神
・手をあげよう
・意見が違う、を大切にしよう
冒頭でお伝えした「クラシコチップ」や「社内MVP」という制度は創業10年目にはじまり、「クラシココード」も同時期に制定されました。
これらは僕たちの組織に課題があったり、コミュニケーションに問題があったため導入されたものではありません。
むしろ社内の空気は良く、対立するような雰囲気もありませんでした。
創業時から、モノづくりに対して真摯に向き合うメンバーが、お互いに感謝・賞賛し合う文化が根付いていました。
こうした一体感はミッションに共感したメンバーが集まってくれたことがひとつの大きな理由ですが、僕としてもちょっとした工夫をしてきました。
例えば、顧客からの感想メールを全員が確認できる仕組みです。
商品がお客さまに届くと、僕の名義でお客様へ感想を依頼するアンケートメールが送信されますが、その回答結果は全社員宛にメールで届きます。
こちらが実際に届いたメールの一部引用になります。
予想以上に軽量で、さわやかな生地で、着心地はとてもいいです。このスクラブを買うまでいろいろな他社のスクラブを試しましたが、一番軽いです。暑がりなので、夏には最適と感じました。欲を言えば、Vネックの胸元から少し地肌が見えるので、ボタンがあってもいいかなと思いました。
僕はこれを「全員が個人商店の店頭に立つ」と表現することがあります。
役割分担をして分業をすれば、部門ごとの目的は異なりますから、ちょっとした意見の食い違いはどうしても起こります。
しかし全員がお客さまの感想に目を通し、顧客視点で想像することができれば、社内の議論もすんなりと上手くいく。僕たちにとって、お客さまの声こそが原点なんです。
僕たちはこういった取り組みを創業の頃からおこなっているわけですが、これらを暗黙知のままにせず、新しく入った社員でも理解できるように明文化したものが「クラシココード」というわけです。
今では、チーム一丸となってお客さまに貢献するクラシコには欠かせないものになっています。
創業当初から変わらないチームスタイル
実際にどのようにクラシココードを体現しているのか、チームとしての動きをお話していきます。
僕たちはD2Cブランドなので、商品の企画から生産、販売、カスタマーサポートまでを一気通貫でおこなっています。
そのため生地の開発から考えると、素材の発注から製品化されて納品まで9ヶ月ぐらいかかることも多いですし、企画からですと1年から1年半かかることもあります。聴診器の開発には3年半かかりました。
その期間、社内ではそれぞれの担当領域や専門性を尊重しながら何度もディスカッションが繰り返されます。
その時に、社内で繰り広げられた会話はこんな感じでした。
カスタマーサポート:「〇〇のネイビーが売り切れていて、問い合わせが多い状況です。在庫が無い商品をWebサイトで公開し続けるのは顧客満足を下げるので非公開にできないでしょうか?」
商品企画担当:「同じ商品の他のカラー在庫はまだ残っているので、できれば在庫消化するまでは継続公開していきたいです」
Web担当:「対象商品の写真を再セレクトして、欠品していない商品のみを継続公開するのはどうでしょう?」
商品のトラブルがあった場合でも、カスタマーサポートから声がすぐに上がり、生産管理のチームが課題を特定。商品改善につなげた例がいくつもあります。
また、お客さまの声を聞くという意味では、クラシコらしいもうひとつの取り組みがあります。それが店舗での接客です。
クラシコはオフィスの一部を店舗にして、いつでも実際の商品を試着したりその場で購入いただけるようにしています。そこで特徴的なのが「専任の店舗販売員がいない」こと。
平日はカスタマーサポートの担当者が兼任していますが、ほかの社員、例えばエンジニアであっても店舗に立ちます。僕も土日に接客をしたりします。
強制ではなく希望者を募るのですが、みんな手をあげるんです。
自社メディアの記事制作のため医療従事者の方を取材したり、商品開発の現場にみんなで足を運んだりもします。
チーム一丸となって、良いモノづくりをする。
同じ方向性で働ける仲間だからこそ、お客さまと向き合い、愚直に改善を続けられるのだと考えています。
クラシコチップと賞賛の文化
社員から社員に感謝の気持ちをカタチにして贈り合える「クラシコチップ(ピアボーナス制度)」も僕たちのチーム作りには欠かせないものです。
冒頭にも書きましたが、僕たちはもともと組織やコミュニケーションに課題があったわけではありませんでした。
ですが、現在の20人体制からさらに組織を拡大させようとすれば、これまで以上に連携が必要ですし、採用面でもミスマッチが起こりにくい仕組みが必要だと考えました。
そこで導入したのが「クラシココード」と「クラシコチップ」です。
もともとの社内文化を言語化し、5つにまとめたものが「クラシココード」で、創業10周年を迎えたタイミングで新ミッションとともに制定しました。
「クラシコチップ」は、「クラシココード」にも紐づけてメンバーが報酬を贈り合うことに大きな特徴があります。
機能はSNSのイメージで「投稿」や「拍手」をします。
1チップが3円で翌月の給料に振り込まれます。メンバーからメンバーに送れるプチギフトのようなもので、1人あたり400ポイントが毎週付与されます。
そのポイントは毎週リセットされてしまうので、ちゃんと1週間で使い切れるようにみんな投稿をしたり拍手を送ったりするわけです。
最近ではこんなクラシコチップの活用事例がありました。
店舗が「CLOSE」だったにもかかわらず、外国人の方が店舗を訪ねてきてくださったんです。ただ、オフィスに従業員はいたのですが、英語を話せる人がいませんでした。
するとひとりの営業スタッフが翻訳ソフトを使って接客に出てくれたそうなんです。
この行動は「クラシココード」のなかの「手をあげよう」に該当しますし、外国人のお客さまを不安にさせないための「顧客の視点で想像しよう」にもあてはまります。
そして、その様子を見ていた営業事務のスタッフが「クラシコチップ」を送ったというわけです。
感謝の見える化は、チームの円滑なコミュニケーションにつながっている実感があります。
社内MVP選出にも貢献するクラシコチップ
最後に、クラシコで半期ごとにおこなわれる人事評価についてです。
・成果評価 50%
・クラシココード評価 50%
と基本的には評価の割合を同じにしています。
僕たちはそれだけ「クラシココード」に重きを置いています。
半期に一度おこなわれる「社内MVP」の表彰でも「クラシココード」を紐付けていて、体現していた社員に対して全員で投票し、ノミネートする方式です。
その際「クラシコチップ」でのやりとりは、振り返りの良い機会にもなります。
なぜ僕たちがここまで組織作りにこだわるのかというと、「世の中にないものを作る」という信念を持っているからです。
お客さまと直接やりとりをして、商品を自分たちで開発するからこそ、お客さまが求める答えにたどり着けると考えています。
そのためには、D2Cブランドのワンストップ生産を支えるチームプレイと、賞賛の文化が不可欠です。
僕たちは、「世界最高はつくれる」と信じています。すべてのスタッフが現状に満足することなく、世界最高水準の仕事を目指します。
これこそが、僕たちがここまで組織作りにこだわる理由なんです。
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