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論文まとめ513回目 Nature 成人の頭蓋骨の骨髄は、加齢とともに拡大し続け、造血機能を維持する驚くべき能力を持つ!?など

科学・社会論文を雑多/大量に調査する為、定期的に、さっくり表面がわかる形で網羅的に配信します。今回もマニアックなNatureです。

さらっと眺めると、事業・研究のヒントにつながるかも。世界の先端はこんな研究してるのかと認識するだけでも、ついつい狭くなる視野を広げてくれます。


 一口コメント

Adult skull bone marrow is an expanding and resilient haematopoietic reservoir
成人の頭蓋骨骨髄は拡大し続ける強靭な造血貯蔵庫である
「私たちの頭蓋骨の中には、血液を作る骨髄があります。これまで、年を取ると骨髄の機能は低下すると考えられてきました。しかし今回の研究で、頭蓋骨の骨髄は年齢とともにむしろ拡大し、血管も増え続けることが分かりました。さらに、太もものような長い骨の骨髄とは異なり、頭蓋骨の骨髄は炎症や脂肪細胞の蓄積といった加齢の影響を受けにくく、健康な状態を保ち続けることができます。この発見は、加齢に関連する血液の病気の新しい治療法につながる可能性があります。」

Lunar farside volcanism 2.8 billion years ago from Chang'e-6 basalts
月の裏側で28億年前に火山活動があったことが嫡6号の玄武岩から判明
「月の裏側の火山活動の歴史は長年の謎でしたが、中国の嫡6号が持ち帰った玄武岩の分析により、驚くべき事実が判明しました。月の裏側では約42億年前から28億年前まで火山活動が継続していたのです。これは月の表側とは異なる火山活動のパターンを示しており、月の両半球の形成過程の違いを理解する重要な手がかりとなります。」

Fluorspar to fluorochemicals upon low-temperature activation in water
水中での低温活性化によるフルオライトからフッ素化合物の合成
「フッ素化合物の製造には通常、300度以上の高温で危険な水素フッ化物を生成する必要があります。この研究では、ホウ酸や二酸化ケイ素とシュウ酸を組み合わせることで、50度以下の水中でフルオライトから直接フッ素化合物を合成できることを発見しました。この方法により、医薬品や農薬の製造に必要なフッ素化合物を、より安全かつ環境に優しい方法で作ることができます。」

Migrating is not enough for modern planktonic foraminifera in a changing ocean
移動だけでは不十分な現代の浮遊性有孔虫:変化する海洋環境への適応に向けて
「海洋の温暖化と酸性化により、微小な殻をもつプランクトンの一種である浮遊性有孔虫の生息環境が大きく変化しています。過去8十年間で個体数が24.2%も減少し、より寒冷な極方向へ移動する現象が確認されました。さらに、一部の種は深い水深へと生息域を変えています。しかし2050年と2100年の予測では、低緯度地域の環境が現在の生息可能範囲を超えてしまい、このような移動だけでは種の存続が難しいことが明らかになりました。」

Engineered receptors for soluble cellular communication and disease sensing
細胞間コミュニケーションと疾患検知のための工学的受容体
「病気の治療に使う細胞に、特定の物質を検知すると反応する「スイッチ」を取り付けることに成功しました。このスイッチは、環境中の溶けている物質を感知して細胞の働きを制御できます。特に、がん治療用のCAR-T細胞にこの技術を応用することで、がん細胞がある場所でだけ活性化させることができ、副作用を大幅に減らすことができます。」

Clinical functional proteomics of intercellular signalling in pancreatic cancer
膵臓がんにおける細胞間シグナル伝達の臨床機能プロテオミクス解析
「膵臓がんは予後の悪い難治がんの代表格です。この研究では、膵臓がん組織で起こっている複雑な細胞間のコミュニケーションを、最新のプロテオミクス技術を駆使して解明しました。特に、がん細胞と周辺の間質細胞との間で交わされる信号のやり取りを詳細に分析し、新しい治療標的となりうる分子を発見しました。この成果は、膵臓がんの新しい治療法開発につながる重要な一歩となります。」


 要約

 成人の頭蓋骨の骨髄は、加齢とともに拡大し続け、造血機能を維持する驚くべき能力を持つ

頭蓋骨の骨髄は成人期を通じて拡大し続け、血管新生を伴いながら造血出力を増加させる。さらに、頭蓋骨骨髄は加齢に伴う炎症性サイトカインの上昇、脂肪細胞の蓄積、血管完全性の低下といった主要な老化の特徴に対して保護されている。

事前情報

  • 骨髄は造血幹細胞の自己複製と運命を制御する重要な微小環境である

  • 加齢、慢性炎症などは骨髄機能を低下させ、造血に悪影響を与える

  • 異なる骨の区画で骨髄の特性や機能的回復力に違いがあるかは不明だった

行ったこと

  • イメージング、薬理学的アプローチ、マウス遺伝学を使用して成人および加齢マウスの頭蓋骨骨髄の特性を解析

  • 妊娠、脳卒中、慢性骨髄性白血病などの病態時の頭蓋骨骨髄の反応を調査

  • ヒト頭蓋骨CTスキャンによる骨髄腔の解析

検証方法

  • 免疫蛍光染色による血管構造の解析

  • フローサイトメトリーによる造血細胞の定量

  • RNA-seq解析による遺伝子発現プロファイルの取得

  • ELISAによるVEGF-Aタンパク質の定量

分かったこと

  • 頭蓋骨骨髄は成人期を通じて血管新生を伴いながら拡大し続ける

  • 加齢に伴う炎症性サイトカインの上昇や脂肪細胞の蓄積が抑制されている

  • 頭蓋骨骨髄は全身の造血に対する寄与を加齢とともに増加させる

  • VEGF-A/VEGFR2シグナルが骨髄拡大を制御している

研究の面白く独創的なところ

  • これまで知られていなかった頭蓋骨骨髄の生涯にわたる拡大という現象を発見

  • 頭蓋骨骨髄が長管骨骨髄とは異なり、加齢の影響を受けにくいことを示した

  • 妊娠や疾患時の骨髄応答が骨の部位により異なることを明らかにした

この研究のアプリケーション

  • 加齢関連血液疾患の新規治療標的の同定

  • 造血幹細胞移植における頭蓋骨骨髄の活用

  • 血管新生を標的とした治療法の開発

著者と所属

  • Bong Ihn Koh Max Planck Institute for Molecular Biomedicine, ドイツ

  • Vishal Mohanakrishnan - Max Planck Institute for Molecular Biomedicine, ドイツ

  • Ralf H. Adams - Max Planck Institute for Molecular Biomedicine, ドイツ

詳しい解説

本研究は、頭蓋骨骨髄が従来考えられていた以上にダイナミックな組織であることを明らかにしました。特筆すべきは、成人期を通じて骨髄が拡大し続け、血管新生を伴いながら造血機能を維持・増強できることです。これは、加齢とともに機能が低下する長管骨骨髄とは対照的です。さらに、頭蓋骨骨髄は炎症性サイトカインの上昇や脂肪細胞の蓄積といった加齢の特徴に対して強い抵抗性を示します。この保護効果により、頭蓋骨骨髄は高齢期でも健康な造血微小環境を維持できます。また、妊娠や疾患などの生理的・病理的状況下での骨髄応答も、頭蓋骨と長管骨で大きく異なることが分かりました。これらの知見は、加齢関連血液疾患の新しい治療アプローチの開発につながる可能性があります。


 嫡6号が発見した月の裏側の火山活動は28億年前まで続いていたことが判明

中国の嫡6号が採取した月の裏側の玄武岩の分析により、月の裏側で28億年前まで火山活動が継続していたことが判明しました。これは月の裏側の火山活動の歴史を理解する上で重要な発見です。

事前情報

  • 月の表側と裏側の地質学的な違いは長年の謎

  • 月の裏側の火山活動の歴史は未解明

  • クレーター年代学による推測はあったが、実サンプルでの検証が必要

行ったこと

  • 嫡6号が採取した玄武岩の分析

  • 鉛同位体年代測定の実施

  • 岩石の化学組成分析

検証方法

  • 鉛同位体を用いた高精度年代測定

  • 鉱物組成の分析

  • クレーター年代との比較検証

分かったこと

  • 42億年前の高アルミニウム玄武岩の存在

  • 28億年前の若い火山活動の証拠

  • 月の裏側独自の火山活動パターン

研究の面白く独創的なところ

  • 月の裏側からの初めての詳細な年代データ

  • 予想以上に長期の火山活動の発見

  • クレーター年代学の妥当性の検証

この研究のアプリケーション

  • 月の形成過程の理解

  • 月の両半球の違いの解明

  • 惑星の火山活動の理解への貢献

著者と所属

  • Qian W. L. Zhang 中国科学院地質与地球物理研究所

  • Mu-Han Yang - 中国科学院大学

  • Qiu-Li Li - 中国科学院地質与地球物理研究所

詳しい解説

この研究は、中国の月探査機嫡6号が持ち帰った玄武岩サンプルの分析により、月の裏側の火山活動の歴史を明らかにしました。分析の結果、42億年前の古い玄武岩と28億年前の比較的若い玄武岩の2つの異なる時期の火山活動が確認されました。特に28億年前の火山活動の発見は、月の裏側で予想以上に長期にわたって火山活動が継続していたことを示す重要な証拠となりました。この発見は、月の表側と裏側の地質学的な違いを理解する上で重要な手がかりとなります。


 水中での低温活性化によりフルオライトから直接フッ素化合物を合成する革新的手法の開発

フルオライト(CaF2)から、ホウ酸やシリカとシュウ酸を用いて50℃以下の穏和な条件で、危険な水素フッ化物(HF)を経由せずに直接フッ素化合物を合成する手法を開発した。

事前情報

  • フッ素化合物は医薬品、農薬、電池材料として重要

  • 従来は300℃以上の高温でフルオライトと硫酸から危険なHFを製造

  • HFの製造・輸送には専門家による厳重な管理が必要

行ったこと

  • フルオライトの水中での活性化にホウ酸/シリカとシュウ酸を組み合わせて使用

  • 生成物の分析とメカニズムの解明

  • 様々なフッ素化合物の合成への応用

検証方法

  • NMR分光法による反応生成物の同定と定量

  • 粉末X線回折による副生成物の同定

  • 各種フッ素化反応での有用性の実証

分かったこと

  • シュウ酸による不溶性シュウ酸カルシウムの生成がフッ素の遊離を促進

  • ホウ酸/シリカがHFを即座に捕捉し安定な化合物を形成

  • 低純度のフルオライト(メツパー)でも反応が進行

研究の面白く独創的なところ

  • 危険なHFを経由せず直接フッ素化合物を合成できる

  • 水を溶媒とし50℃以下という穏和な条件で反応が進行

  • シュウ酸の使用により環境負荷の低減が期待できる

この研究のアプリケーション

  • 医薬品原料の安全な合成

  • 農薬中間体の効率的な製造

  • 電池材料用フッ素化合物の製造

  • 分散型フッ素化合物製造への応用

著者と所属

  • Immo Klose (オックスフォード大学)

  • Calum Patel (オックスフォード大学)

  • Véronique Gouverneur (オックスフォード大学)

詳しい解説

この研究では、フルオライト(CaF2)から直接フッ素化合物を合成する新しい方法を開発しました。従来法では300℃以上の高温で硫酸を用いて危険な水素フッ化物(HF)を製造する必要がありましたが、本研究では水中50℃以下という穏和な条件で、シュウ酸とホウ酸/シリカを組み合わせることで、HFを経由せずに直接様々なフッ素化合物を合成することに成功しました。シュウ酸による不溶性シュウ酸カルシウムの形成とホウ酸/シリカによるフッ素の捕捉が鍵となっています。この方法は医薬品や農薬の原料となるフッ素化合物の安全な合成に応用でき、環境負荷の低減も期待できます。


 温暖化と海洋酸性化により、浮遊性有孔虫の生息域が極方向へ移動したが、適応には不十分であることが判明

過去100年間の浮遊性有孔虫の分布データを分析し、温暖化と海洋酸性化への応答を調査した研究。生息域の極方向への移動と深度変化を確認したが、2050年以降の環境変化には適応が困難と予測。

事前情報

  • 海洋の温暖化と酸性化が進行している

  • 石灰質の殻を持つ生物への影響が懸念されている

  • 浮遊性有孔虫の適応能力は未解明

  • 過去の環境変動への応答は地質記録から判明

行ったこと

  • 1910年以降の世界中の浮遊性有孔虫の分布データを解析

  • 温度と炭酸カルシウム飽和度の将来予測との比較

  • 緯度方向と深度方向の分布変化を定量化

検証方法

  • FORCISデータベースから約188,000の試料を分析

  • プランクトンネット、連続プランクトン採集器などの手法で収集

  • 種ごとの個体数変化を統計的に評価

  • 環境要因との相関を解析

分かったこと

  • 過去8十年間で個体数が24.2%減少

  • 10.28 km/年の速度で極方向へ移動

  • 一部の種は最大53.5mの深度変化を示す

  • 2050年以降、低緯度域の環境は現在の生息可能範囲を超える

研究の面白く独創的なところ

  • 100年以上の長期データを活用した包括的な解析

  • 3次元的な分布変化の定量化に成功

  • 将来予測と現在の生息条件を比較し適応限界を推定

この研究のアプリケーション

  • 海洋生態系の変化予測への応用

  • 環境指標としての活用

  • 古環境研究への示唆

  • 保全戦略への活用

著者と所属

  • Sonia Chaabane エクス・マルセイユ大学、マックスプランク化学研究所

  • Thibault de Garidel-Thoron - エクス・マルセイユ大学

  • Julie Meilland - ブレーメン大学MARUM

詳しい解説

この研究は、海洋環境の急激な変化に対する浮遊性有孔虫の応答を、世界規模で包括的に分析した画期的な成果です。過去100年以上にわたる分布データの解析により、温暖化と海洋酸性化に対して、これらの生物が極方向への移動や深度変化という適応戦略をとっていることが明らかになりました。しかし、その適応速度は環境変化に追いつかず、特に低緯度地域では2050年以降、現在の生息可能範囲を超える環境となることが予測されています。この研究は、海洋生態系の将来予測や保全戦略の立案に重要な示唆を与えています。


 細胞間コミュニケーションと疾患検知のための画期的な人工受容体システムの開発

溶解性の物質に反応して細胞機能を制御できる新しい受容体システム「SNIPR」を開発し、がん治療用CAR-T細胞への応用に成功しました。

事前情報

  • 従来の合成生物学では、溶解性の物質に反応する受容体の開発が課題だった

  • 細胞表面の標的に対する受容体は臨床応用が進んでいた

  • 溶解性物質を検知できる受容体の開発が求められていた

行ったこと

  • pH依存的な切断メカニズムを持つ新しい受容体アーキテクチャ「SNIPR」を設計

  • 自然および合成の可溶性リガンドに反応するように受容体を最適化

  • CAR-T細胞への応用実験を実施

検証方法

  • 受容体の活性化メカニズムの分子レベルでの解析

  • がん細胞に対するCAR-T細胞の特異的な反応性の評価

  • 細胞間シグナル伝達ネットワークの構築と検証

分かったこと

  • SNIPRは低いバックグラウンド活性と高い活性化効率を示す

  • 腫瘍特異的なCAR-T細胞の活性化が可能

  • 自然の経路と独立した合成シグナルネットワークの構築が可能

研究の面白く独創的なところ

  • エンドサイトーシスとpH依存的な切断を組み合わせた新しい活性化機構

  • 副作用を抑えながら治療効果を高められる可能性

  • 細胞間の人工的なコミュニケーションシステムの確立

この研究のアプリケーション

  • がん免疫療法の効果と安全性の向上

  • 疾患特異的な細胞治療法の開発

  • 合成生物学的な細胞間ネットワークの構築

著者と所属

  • Dan I. Piraner カリフォルニア大学サンフランシスコ校 微生物学・免疫学部

  • Mohamad H. Abedi - ワシントン大学 生化学部

  • Kole T. Roybal - カリフォルニア大学サンフランシスコ校 微生物学・免疫学部

詳しい解説

この研究では、細胞外の溶解性物質を検知して細胞機能を制御できる革新的な受容体システム「SNIPR」を開発しました。従来の細胞治療では、細胞表面のタンパク質しか標的にできませんでしたが、SNIPRは溶解性の物質も検知できるため、より精密な制御が可能になります。特にがん治療用のCAR-T細胞に応用することで、腫瘍組織でのみ活性化される制御が可能となり、他の正常組織への副作用を軽減できます。また、この技術は細胞間の人工的なコミュニケーションシステムの構築にも応用でき、合成生物学の新しい可能性を開きました。


 膵臓がんにおける細胞間シグナル伝達の全体像を世界で初めて明らかにした画期的な研究

膵臓がん組織における細胞間シグナル伝達の全体像を、新しいプロテオミクス解析手法TMEProを用いて解明した研究。特に、間質細胞とがん細胞間の相互作用メカニズムを明らかにし、新規治療標的分子AXLを同定した。

事前情報

  • 膵臓がんは予後不良の難治がんである

  • がん細胞と周囲の間質細胞の相互作用が重要である

  • 細胞間シグナル伝達の全体像は不明であった

  • プロテオミクスは網羅的なタンパク質解析が可能な技術である

行ったこと

  • TMEProと呼ばれる新しいプロテオミクス解析手法を開発

  • 100例の膵臓組織のグリコシル化タンパク質を網羅的に解析

  • がん進行に伴うタンパク質発現変化を時系列で追跡

  • 間質細胞とがん細胞の相互作用を詳細に分析

検証方法

  • レーザーマイクロダイセクションによる組織の分離解析

  • リン酸化タンパク質の網羅的解析

  • 細胞実験による機能解析

  • 膵臓がんオルガノイドを用いた薬剤評価

分かったこと

  • PDGFR-PTPN11-FOS経路を介した間質細胞-がん細胞間の相互作用を発見

  • AXL受容体の切断が細胞間シグナル伝達を制御する

  • AXLの切断はリンパ節転移と相関する

  • AXLの切断阻害と活性阻害の併用が有効

研究の面白く独創的なところ

  • 新規プロテオミクス技術により細胞間相互作用を包括的に解析

  • がん組織特異的なタンパク質切断現象を発見

  • 治療標的としてのAXLの新しい制御機構を解明

この研究のアプリケーション

  • 膵臓がんの新規バイオマーカーの開発

  • AXLを標的とした新規治療法の開発

  • 他のがん種への応用の可能性

著者と所属

  • Peiwu Huang(南方科技大学)

  • Weina Gao(南方科技大学)

  • Ruijun Tian(南方科技大学)

詳しい解説

本研究は、膵臓がんにおける細胞間シグナル伝達を包括的に理解することを目的としています。研究チームは、新たに開発したTMEProという手法を用いて、100例の膵臓組織における糖タンパク質を網羅的に解析しました。特に注目すべき発見は、間質細胞とがん細胞の間で行われる双方向のシグナル伝達メカニズムを明らかにしたことです。さらに、AXL受容体の切断という新しい制御機構を発見し、その阻害が治療に有効である可能性を示しました。この研究成果は、膵臓がんの新しい治療戦略の開発につながる重要な知見を提供しています。


最後に
本まとめは、フリーで公開されている範囲の情報のみで作成しております。また、理解が不十分な為、内容に不備がある場合もあります。その際は、リンクより本文をご確認することをお勧めいたします。