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HSC(ハイパーセンシティブチャイルド)


「HSC(ハイパーセンシティブチャイルド)」

 超繊細さんとよばれる子どもたちのことです。おとなになるとHSP(ハイパーセンシティブパーソン)になりますね。最近は本も沢山出版されているので読んだことがある方も多いと思います。本当に繊細な傷つきやすい子どものことを指します。いわゆる自閉症スペクトラムとは異なるものです。障害ではありません。
 例えば、いじめられているクラスメイトを見て自分の方が辛くなってしまい、結果いじめられてもいないのに不登校になってしまうとか、担任の先生の身内が亡くなり忌引で休んだら、先生が可哀想になり家に帰ってから号泣してしまうとか、、、。他人の痛みや悲しみを察知しすぎてしまう、周りの空気を読みすぎて身動き取れなくなってしまう、事が多々あります。

 久しぶりに同窓会に行ったときのこと。私が療育に携わっていると知った友人が
「私の娘、HSCなの」
と教えてくれました。思わず
「うわぁ、子育て大変だったね〜」
と言うと、
「そんな事、誰も言ってくれなかった、、、」
と泣きそう。
「すっごい大変だったと思うよ」
「うん、すっごく大変だった」

 彼女の娘さんがHSCと言われたのは中学生になってからだったそうで、それを知ってやっと娘さんの考え方や行動に合点がいったと彼女は言います。
 この子はちょっと違う、何か他の子よりも過敏な気がする…と実の親に相談しても
「そんな子どもはどこにでもいるから。少し神経質な性格ってことでしょ?」
と相手にされなかったと言います。HSC(またはHSP)という言葉自体まだまだ世間に知られていなかった事もあるでしょう。私にはいまだに正しく世間に伝わっている気がしませんが。

 同窓会中、食事をしながらやっぱり話題は子どものことに。
「うちの子、子育て大変だったんだ〜」
明るく言った彼女にもうひとりの友達が言いました。
「子育てなんてみんな大変だよ!うちは男の子だったからほんっとに大変だったし!」
 彼女の娘さんの事情も知ってるはずでしたが、障害があるわけでもなし…という思いがあったのだと思います。思わず
「HSCのお子さんの大変さはまた独特だから…」
といいそうになるのをこらえて、また口をつぐんでしまった友達に目配せするしか出来ませんでした。

 声を大にして言いますよ〜!!!
「子育ては大変です!!!!!!!!!!!」
 HSCも暴れん坊の男の子も、自閉症スペクトラムの子どももなまいきざかりの女子だって、みんなみんな大変っ!
母親になれば子育てができるなんてありえない。嵐の中を手探りで進んでいくようなものです。
 みんな悩みは違うし、解決方法も1つじゃない。

 若くして産んでも高齢で産んでも悩みや不安はつきもの。泣きたいときも叫びたい日もあります。ワンオペになってるかもしれない、同居する義母と意見が合わないかもしれない、子育てに付随した様々な問題も出てきます。だからせめて
「子育てが大変」
と躊躇なく言える環境があるといいなぁと思います。どっちが大変でもどっちが楽でもないのです。みんな大変。マウント取り合うくらいなら、傷口なめ合うほうがよっぽどマシ。

 で、あらためて言いたい。
「HSCのお子さんを育てるのは大変だったね。よく頑張ったね!」

 以前テレビ番組で『超繊細さん』についての特集がありました。アイドルの子が
「自分、『超繊細さん』かも!」
と言っていました。そんな簡単なものじゃないけどな、、、と思ったことを覚えています。
 そんな話もまた今度。

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