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実写版かりあげクン:第11話雑感

 バズられたい誘惑。これは人間のさがでしょうか。

 バズられる、てのは「承認要求」と関係してきます。理由は単純で、全く違う価値観や立場の人間が注目してくれるから。つまり他人から認められる方がより快感を得られるんですね。別に他人から認められなくたっていい、という生き方もアリしょうけど、それはほぼ生活しながら引きこもっているようなもの。どこか物足りなさを覚えるような、自分からそんな窮屈な人生にはしたくないものです。
 ただ「承認要求」を一度でもSNSで満たしてしまうと、そこからもう抜け出せなくなりますね。やがて他人から注目されてナンボだと思い込みすぎてしまい、最終的には「迷惑系」と呼ばれる人間まで誕生してしまう。現代ゆえの病理、というのは大袈裟ではないような。
 そして木村課長もやっぱりその誘惑には勝てない人でした。どんなにバカバカしいと思っていても、社長がノリノリなのでは流石に羨ましさが勝ってしまったようです。課長がバズる日は来るでしょうか? もっともバズったところであの娘さんに発見されたが最期、
「パパ、何やってんの?」
とドン引きされて「やっぱり消してくれ」とかりあげに頼み込む光景が目に浮かびます。

 そんなかりあげが山で遭難。営業課の一同が本気で安否を心配し、いつしか感傷的にかりあげを語り始めてしまう一幕も。清水さんも心配です。今まで散々変な目に遭って、その行動や発言に全く捉えどころがなく理解できない人だと分かっているのに、ずっと気になってしょうがない。なぜあんな生き方が出来るのかと本気で考えていたようです……まあ、かりあげ自身は何てことはなく、職場へひょっこり現れるくらいに元気でしたが、それを
「バカバカバカ!」
とベタな姿でどれだけ心配したかをぶちまけてしまう清水さん。そりゃ後からツッコまれもしますよね。
 しかし山岳遭難ネタなら原作四コマにもありました。数日間発見されず、ようやく無事が確認されてさぞ辛かったろうと思いきや、何と松茸がそこら中に生えてる山だったため飽きるほど食べたため、そっちの方が辛かったというオチ。これがあっても良かったのに。

木村課長「山ん中を数日間彷徨ってたのに、何でそんな元気なんだ?!」
かりあげ「松茸がたくさん生えてる山だったんで、つい……あ、皆さんの分もありますよ」
おもむろにデスクで松茸を焼き始めるかりあげ。
営業課一同(ダメだ……この誘惑に乗るな……絶対かりあげのペースに飲み込まれる……!)

 三話目は以前登場した就活中の後輩女子・私立恵比寿中学のお二人が再登場。またまたファンには嬉しい展開。さらにはバーの店員さん役として主題歌『愛だけは間違いないからね』を歌う松室政哉さん御本人が。ギター一本で生歌披露に係長も号泣。それを微笑ましく見守る清水さん。確かに、良い職場です。

 さて次回はいよいよ最終話。とうとうかりあげクンがクビに? 原作だと「新入社員が一人もいないのはマズイので、一旦クビにしてからまた採用」という何とも適当なほんにゃら産業の人事っぷりを見せてくれましたが、果たして? 

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