コミケの戦利品を紹介します・特撮編
開催から二週間経ちました。前日譚、当日の雑感と書きましたが、お次は戦利品についての感想を書きたいと思います。
ウルトラマンAに登場する「超獣」をあのタッチで描いた画集。なお作者は特撮オフ会でよくお会いしてた方。そのオフもしばらくご無沙汰だったため、お互いの生存確認をする状況に。目標はオフ会の再開。また皆で特撮映像ネタを持ち寄り、ワイワイ楽しく鑑賞したいものです。
ストーリー解説、端役に至るまでの登場人物や小ネタ、さらにはロケ地まで網羅。以前は特撮のロケ地だけで一冊出していたので、その情熱たるやいかばかりか。スペクトルマンの変身パターンだけでも7つあるとか、マウントドラゴン輸送を中継する東海テレビ・アナウンサーのセリフを全収録だなんて普通はやらない。でもここはやる。
ゴレンジャーは上・下巻で全84話分を網羅、解説1話に付き1ページだがその1ページ分の情報量が多いこと。予告ナレーション、クロージングナレーションに加えて「今週のなぞなぞ」まで載せてる本など他にあるまい。
一方のスペクトルマンは『宇宙猿人ゴリ』『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』そして『スペクトルマン』の三部構成。余談だが、今現在自分の手元には同サークルの出した『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマンMATERIAL』が二冊ある。当日にどれが所有済だか分からなくなったせいですが、つまりは参加するたびに新刊出すようなペースで発行しているわけで。その情熱には頭が下がります。
東宝のゴジラ映画に関する歌のデータベース。劇中主題歌・挿入歌はもちろん、映画公開に合わせて作られたイメージソング等々、全115曲を網羅。CD収録はもちろんのこと、カラオケ情報も添えてあるのは嬉しい。
個人的には90年代のいわゆる「VSブーム」にリリースされた曲が懐かしく感じる。『悲しみのゴジラ/ブカブカ』の話なんて俺得でしかない。でもメンバー全員が欽ちゃん劇団所属女優の4名だったなんて全然知らなかった。30年目にしてようやく知る事実。
いつだったか、アニメ・特撮ソング好きが集うイントロクイズサークルの例会でこの曲を出題した方がいた。出す側も結構なマニアだが、それにおお喜びする自分も自分である。そんなリアクションを取ったのは自分だけでしたが。
英国製(※製作に英国のプロダクションが関わっている作品も含む)のモンスター映画をまとめて紹介。ただし日本では劇場未公開でTVやソフト化のみの作品も多く、自分もまともに観たのは『最後の海底巨獣』と『巨獣ビヒモス』くらいで後は「世界の怪獣大百科」や「映画秘宝(MOOK時代)」で存在を知った程度。そんな作品群をポスターやロビーカード、スチール写真付きで細かく解説している。
「知ったらどうなる舞台裏 知ったら驚いた裏事情」の文句は大袈裟ではなく、製作の背景やスタッフの経歴から作品を読み解いている。その執筆者の姿勢に感心。『最後の海底巨獣』に対して「昭和版ガメラのような清々しさが魅力の、ポケットの中の宝物のような映画」と言葉を捧げている点も気に入った。自分が始めて当作品を鑑賞したのは、ガメラと同じく祝日のテレ東だったのだから。
かのSF映画『さよならジュピター』について、当時助監督だった手塚昌明氏(代表作に『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』他)にインタビューを敢行した一冊。出版のきっかけは「シン・エヴァでユーミンによる同作品の主題歌が使われた」「自分はそこまで悪くないと思ってるけど酷評されてる理由を解明したい」とのこと。実はこの本より前に『はじめての手塚昌明』というインタビュー本も作っていて、再度監督の元へお伺いすることになったそうです。
様々な撮影裏話はもちろん、原作・脚本の小松左京氏が出資者でもあったゆえの事情や、文芸作品でのメガホンを希望していた橋本幸治氏との関係など、興味深い証言が続々出てくる。その上で「なぜこのような評価を得るに至ったか」を結論づけていたが、これには納得。自分としても「意気込みは分かるんだけどなぁ……」という何とも惜しいポジションにいる作品なので、ついコテンパンにしてしまう気持ちを抑えほぐしてくれるような本でした。
……ジャンルは特撮だけど、買い集めたのは評論系でした。他のものについては、またいつか。
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