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もしも「特急こだま」が今走ったら?

 タイトル画像にこだま型車両・151系が無かったのはご勘弁を。
 鉄道系YouTuber・西園寺君が少し前にこんな挑戦をしていた。在来線特急だけで大阪から東京へ移動できるか?という乗り鉄ならではの企画だ。

 大阪→「ひだ」→岐阜→「しらさぎ」→名古屋→「しなの」→塩尻→「あずさ」→新宿→「成田エクスプレス」→東京
 このルートで寄り道をしつつ10時間以上もかかったそうな。かつては「しなの」が一往復のみ大阪発着の便があったため、それを使えば乗換は二回で済んでいた。この場合、大阪→塩尻は約4時間、塩尻→新宿を最速の「あずさ」で2時間半だったとしても、寄り道していれば軽く8時間はかかるはず。いずれにせよ、朝に出発しても到着は夕暮れ時になりそうです。

 さて昔(もろに昭和)、新幹線開業前は東京~大阪間に「特急こだま」が運行されていました。今でこそ新幹線の各駅停車として名が知られてますが、かつては東海道本線のエース特急として一世風靡した電車特急です。
 それまで東京~大阪間は、機関車が牽引する客車列車で7時間半もかかっていたところを、デビュー時には6時間50分、後にスピードアップして6時間半にまで短縮。車内設備も含めて実に画期的な列車だったのです。

 しかし1960年代の最新型車両でこれです。もし同様の列車が、東京~大阪間を結んでいた、つまり「現代版・特急こだま」が走っていたらどうなっていたでしょうか? 例えば、所要時間は? 車両は、今現在運用されている特急用電車とします。
 かつての「こだま」は表定速度(その列車が運行している区間の距離を、区間内で走行している時間+駅に停車している時間で割った数字)が85.6キロでした。今どきの特急列車と比較してもかなり速い方の数字に入ります。ですが、時刻表を読んでみると気付いたことがあるのですね。

 かつての「特急こだま」は大阪から名古屋を2時間14分で走行していました。途中停車駅は京都のみだったようです。
 しかし先に挙げた「大阪発しなの」は途中停車駅が新大阪・京都・米原・岐阜と多いにもかかわらず大阪発8:58→名古屋着10:56と2時間を切っていました。それを考えると、あくまでも卓上の計算ですが残りの名古屋~東京間も時短が見込めるのではないでしょうか。「こだま」ですと名古屋~東京間は4時間13分。ここを4時間以下まで短縮出来た場合「現代版特急こだま」の走行時間は6時間を切ります。その場合、表定速度は約93キロ以上。かなりの速度向上です。
 つまり朝7時に東京を出た列車が、13時少し前に大阪へ到着する……今見るとこれでも十分長旅に思えますが、新幹線が無かった頃は皆そうやって移動してたのですよね。「こだま」も当時は大人気列車だったとか。少しでも早く、快適に移動できるとなれば当然でしょう。

 ……新幹線はそれを2時間半にまで縮めた。勝手に妄想してるだけだったのに、改めて新幹線のありがたみに気付かされてしまいました。

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