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『ウーマンコミュニケーション』プレイ感想:バカゲーかと思いきや、まさかの……?

 タイトルからして「そこで改行する?」となりますが、そういうゲームです。内容を紹介すると、

「会話の中に隠された、うっかり淫語センシティブワードを撃ち抜け!」

 この「うっかり淫語センシティブワード」とは、どうってことない日常会話で、その一言一言の区切りを変えたりピックアップしてみたら、いつの間にか「淫語センシティブワードになってたフレーズのことです。
 例えば英語の勉強中に
「そのスペル、間違ってるよ」
 という会話があったら場合、区切りを変えるとあら不思議
「その『ス◯ル、マ』ちがってるよ」
 てな具合に淫語が入ってるのです。次々と出てくる台詞の中からそういった「隠された淫語」を撃ち抜く、まさに言葉遊びシューティングとでも言うべき斬新なジャンルといえます。

 これはつボイノリオ『金太の大冒険』や『極付け!お万の方』の歌詞に通じるものの、本ゲームに関してはとても巧妙に隠された単語も登場するのもポイントです。「金太の大冒険」であれば「『金太』の後には『ま』で始まる言葉が来るよな」と予想できるものの、単にぎなた読みするだけでは分からない(※これはプレイして確かめて下さい)台詞も多めです。しかし本作はプレイ終了時に「未発見ワード」が表示される親切設計。後になって
「あ、そこもそうだったのか!」
と何度気付かされたことか。淫語のボキャブラリーも豊富なので非常に楽しめます。よく考えたなコレ。

 あと個人的には「ダブルショット」という演出が好きです。仮に
「うん、校門で待ってるね」
という台詞があった場合、よーく読むと「ウ◯コ」「肛門」といった二つの淫語が混ざってますが、これをそれぞれ一単語ずつ撃ち抜くのではなく
「うん、『校』門で待ってるね」
 と太字で示した部分を狙い撃ちすると、二つの淫語を同時に射抜いた(=ダブルショット)と判定され、それらの単語がデカデカと表示されると同時に、突如として富士山を背景に『歓喜の歌』が響き渡るという盛大な演出をかましてくれます。とても馬鹿で最高です。

 ところがこのゲームはこれだけでは終わりません。PVの後半には何やら意味深な台詞が語られてますが、実際に登場人物となる三人の女子と共に物語を進めていくと、先程の言葉遊びとは全く想像が付かない、実に不穏な展開になります。
 何と、単なる言葉遊びから、まさかのサイバーSFに変貌するのです。

「我々プレイヤーは、一体何のために淫語センシティブワードを撃ち抜いているのか?」
「このゲームシステム、この世界観は誰が考えたのか?」

 単なるバカゲーかと思いきや、予想以上に深いテーマをぶち込んできました。エンディングも複数あり、バッドなものもあればどこか切ない結末に辿り着いたりと、真剣にバカをやっているところもエンタメとして大変優れていると思います。
 
 そして、気が付いたら淫語センシティブワードをついつい探したくなるのですね。
「あけおめことよろ~」「あった、『オ◯コ』!」
「◯◯法、継続審議」「こんなところに『◯茎』!」

 あなたもこのゲームで「さっちん」からの想いを受け取って下さい。

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