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かりあげクン第3話・雑感

 配信元の一つだった「GYAO!」が3月末でサービス終了とは、ちょっと寂しいですね。ひかりTVでも配信されてますが、折角だからここで最終話までエアチェックしましょう。

 さて、第3話です。社長のご子息・木下優(まさる)くん初登場。どんなドラ息子でどれだけ周りを引っ掻き回すのか、と思いきや真逆のキャラでした。世間知らずゆえ何をするにもオドオドしてしまい、完全に挙動不審な男。しかし周囲は「社長の息子」なだけにあまり強くモノを言えない。扱いに困ると言えば簡単ですが、それは本人のせいではなく周りがそうさせてしまったような気もしますね。社長はどういう育て方をしてたのやら。
 それゆえ誰も教育係をやりたがらないが、唯一かりあげだけがいつも通りだったため抜擢。さてどうなるかと不安がる営業課の面々をよそに、かりあげは優くんが「世間知らず」ではなく「社会をよく知らない」という疑問を抱いてると知り、ならばとあれこれレクチャーを開始する。途端に目を輝かせる社長の息子。これには課長を始め営業課の面々は驚くばかり。

 本作のかりあげはいつでも真顔だが、これは誰であろうと「イーブン」で接しているからだ。といっても誰彼構わずタメ口で語るとかではなく、当人も含めて格上・格下といった評価付けをしないのである。
 人間誰しも、知らず知らずのうちに他人をランク付けしてしまう。そして気が付けば誰かしらを「見下す」ようになってしまう。そんな「見下している」人間が突然成功を収めようものなら「何であんな奴が」と嫉妬する。見に覚えのある人も多かろう。
 しかしかりあげにはそれが無い。役職を持つ人に敬語こそ使っているが、基本的には誰であろうとイーブンに接する。これが、かりあげなりに見出した「真理」であり「処世術」なのだ。

 優くんに話を戻すと、彼はチヤホヤされすぎて何も世間を知らないまま育ち、周囲も「社長の息子だから」と気を使って当たり障りのないことしか言われてこなかったのだろう。しかしそこに何事も「イーブン」に、一人の人間として認めてくれる男=かりあげが現れたのだ。心を開くのも当然といえよう。社長息子のおかげで、図らずもかりあげクンの人間性が見えてきた。このコンビは後でも活躍するのか? ちょっと期待してしまう。

 今回は他にも、かりあげ流のゴミ分別大作戦で営業課全員が大ハッスルしたり、係長を交えた営業課女子の即興劇もあったものの、優クンのインパクトが大きかったですな。

 で、次回は「窓際さんのブラインド」。まさかの再登場?

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