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京セラ美術館「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」

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京都に新しくできた京セラ美術館に行ってきました。1933年に建てられた大礼記念京都美術館のリノベーションで、青木淳さんが設計を行いました。当時の風格をそのまま残しながらも、美術館として必要なエントランス・カフェ・アートショップといった機能を入れ込む必要がありました。その解決策として大胆に地下をえぐってエントランスにしているのには驚きを隠せませんでした。

入口までがゆるやかなスロープになっているのですが、展示を見にきた人がくぼみに吸い込まれていく様子はとても楽しかったです。元の外観と「ガラス・リボン」と呼ばれるガラスのファサードとの対比が美しいですね。

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一部のガラスには展示に合わせて色が付いていて、ちょっとしたフォトジェニックな撮影場所となっていました。娘も嬉しくてダンスをしていたのでカメラをパシャり。

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中はとてもシンプルな空間となっています。外のスロープに合わせて窓が斜めになっていて面白いです。レースカーテンが2枚合わさっていて柔らかい光が室内に届いていました。

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上の階にあがると当時の建物の形がわかる大広間が広がっていました。階段の石張り仕上げや天井のステンドグラス、当時のカウンターの面影が残っていてひとり興奮していました。

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開催中の展示は「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」。年表からはじまり、平成とはなんだったのかを様々なアーティスト独自の視点で表現していました。やはり大きかった出来事は東日本大震災でしょうか。。。結構刺激的な作品が多く、令和世代の娘にとってはきっと大きな経験になったはずです。

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一番印象に残ったのは國府理さんの「水中エンジン」でエンジンの冷却装置であるラジエーターの代わりに水中にエンジンを沈めて、エンジンから発せられる熱を可視化するという作品。(今回の展示では水はありませんでした)

一目でいまにも爆発しそうな危険さがダイレクトに伝わってきましたし、どことなく原発問題を想起させる、緊張感のあるアートでした。

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そしてChim↑Pomです。実はスーパー☆ラットは初めて見ました。彼らのポップで独特な表現には平成美術らしさを感じます。

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濃密な展示でへとへとになってギャラリーの外に出ると、美しいお庭を眺められる縁側空間が迎えてくれます。美術館の展示を見て回るのは個人的にはとても神経を使うので、そのあとのリラックスできる場所は重要だとこの時感じました。

さすが青木淳さん、とても綺麗な建築で、元々の建物と新しくつくる箱の融合の仕方が上手でした。それだけでなく京セラ美術館は現代美術を中心とした展示が多く、興味深いものが多いです。ポスターやフライヤーデザインなど広報もしっかりしていて、しっかりとしたキュレーションができているように感じました。次はどんな展示が行われるのかとても楽しみです。

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今回ご紹介した美術館


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