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『かもめ食堂』群ようこ(2008)|読書感想文


本の紹介

フィンランドの街の片隅にある、「かもめ食堂」。どうやら働いているのは日本人らしい。地元の人々は興味津々だけれどなかなか入って来ない。彼女はどうしてフィンランドにやってきたのか、どうして食堂を始めたのか。たった1人で始めた食堂に日本かぶれのフィンランド人や地元のマダムなどたくさんの仲間が加わって、賑やかな食堂になっていく。映画原作。

感想

フィンランドに行きたい

ムーミンやサンタクロースで有名な国、フィンランド。みなさんは行ったことがありますか。私は、まだありません。数年前にドラマでみて、シナモンロールがとても美味しそうだったので、今は、フィンランドについて書かれている本を読んでいつかの旅行に備えています。この本も、フィンランドの人や街について書かれていて参考になります。食堂を覗いて子どもが働いていると勘違いしていろいろな噂をする街の人々や、なぜかずっと食堂を睨みつけてくる女性、フィンランド人と仲良くなるのは大変そうです。また、少しですがフィンランドの自然の話しも出てきました。平野に住んでいるので、森や湖が近くにある環境が羨ましいです。

それぞれの生き方

この本に出てくる3人の日本人女性は、食堂にたどり着くまでにそれぞれ普通に普通の自分のすべきことをしてきました。しかし、自分の力のおよばないところで変化が訪れて、自分も変化せざるを得なくなりました。そして、彼女たちは、直行便でも9時間かかる、遠い北の国にやってきたのです。変化に戸惑い大きな不安があったと思いますが、彼女たちが決断できて良かったです。私も少なからず同じような状況にあるので、彼女たちが大きな決断をして、食堂で頑張っている姿に元気をもらいました。それでいいのだ、と思いました。

おにぎり

主人公は、メニューにこだわりがあって、誰も注文してくれない外側に海苔を巻いたおにぎりを頑なにメニューに載せ続けます。仲間に現地の人も食べやすいように具や見た目を改良したおにぎりなども提案されていましたが、結局変えませんでした。その後、おにぎりは食べてもらえるようになったのでしょうか。今は昔ほど海苔を嫌がる人はいないのかな。

最後に

主人公は、太極拳の達人、もう1人はヨガ経験者ということで、部屋でふたりが太極拳やヨガをする場面があります。私はどちらもやったことがあるので、ぜひ仲間に入れてほしいと思いました。フィンランドに惹かれる人は瞑想的なものに惹かれやすいのでしょうか。それとも、作者の趣味でしょうか。

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