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デザイナーが戦略的に「変化」を起こせる5つの観点

私は長年、多くの中堅〜シニアレベルのデザイナーと仕事をしてきましたが、彼らは、新機能をデザインし、設計チームを忙殺させるために働き続けなければいけないように感じているようでした。

デザイナーは、プロトタイプやワイヤーフレーム、ユーザビリティテストといった技術より、もっと「違いを生む」ような戦略に関わる仕事を求めています。

デザイナーが戦略的な仕事を考えるとき、実践的な技術よりも、目的を持った思考の仕事、つまり、組織のあらゆるレベルでソリューションをデザインし、プランや戦略を策定する仕事をしたいと考えています。

組織でこれを実現する機会について、以下に5つのエリアを挙げていきます。

デザイナーが影響を持てる5つのエリア

これらの各エリアにおいて、デザイナーは、ユーザー、テクノロジー、デザインに関する知識を組み合わせた目的思考を行い、より良い製品、プロジェクト、組織を実現することが可能です。

Business

ビジネスレベルでは、デザイナーは組織の戦略や戦術プランに貢献できます。デザイナーが自分たちだけで戦略を立てられると考えるのは無責任ですが、多くの組織は、デザイナーがこのレベルにもたらす影響力を分かっていません。

Tasks include:

  1. 既存・潜在顧客に対する深いリサーチ

  2. ユーザーの心理状態や思考スタイルを特定するためのリサーチの総括

  3. シニアリーダーとのファシリテーションとデザイン協業で、チームをまとめる

  4. シニアリーダーが学んだことを組織に適用するためのフレームワークの作成

  5. 実験 - サービスや製品モデルを実験することで、新しいイニシアティブのリスクを軽減

Platforms

ソフトウェアプラットフォームや製品開発・保守にあたります。
デザイナーは、ユーザーについて幅広く考え、ユーザーの期待を理解し、そのニーズをソフトウェア全体に適用することができます。
その目的は、さまざまなマーケットや製品に適用され、ユーザーに一貫性のある体験を提供するフレームワークを作成することです。デザイナーは、リサーチ、総括、図式化といったスキルを駆使してフレームワークを作成し、それを各製品にどのように適用するかを検討するのに長けています。

Practice

目的意識を持ったデザインプラクティスのための2つの機会

  1. UXのスケールアップをサポートするために、デザイナーはデザインとリサーチが適切に定義され、適切な活動に焦点が当てられていることを戦略的に確認します。
    例えば、デザイン制作のスピードアップのためにデザインシステムを構築するタイミングと、リサーチのスピードと頻度を向上させるためにリサーチパートナーのリストを構築するタイミングを決めるなどです。

  2. マネージャーが重視するデザインリーダーシップ;
    - グループの価値観、チームワーク、グループの目的など、内向きの戦略
    - 組織に提供するサービス、デザインチームの構造、募集と採用など、外向きの計画

Projects

プロジェクトにおける戦略性は、プロジェクト リーダーシップとUXデザインのビジョンという2つのスキルセットを兼ね備えています。

プロジェクトには通常、多くの作業があり、締め切りがあり、複数のプロジェクトが関係することもあります。リードデザイナーは、製品に関するビジョンを持ち続けながらチームメンバーを調整し、活動を計画し、プロジェクトを完了させます。プロジェクトリーダーは、目的思考的な仕事には不向きで、非常に戦術的であり、組織や人を率いる人に向いています。

Product / Feature

最後に、多くのデザイナーが仕事で目的思考をするきっかけとなる場所が「Product(製品)」と「Feature(機能)」です。

デザイナーは、ただ作業リストに沿って働くのではなく、製品や機能を定義するチームの一員となることで、大きなインパクトを与えることができます。プロダクトはビジネスや市場のニーズ、エンジニアリングは技術要件やアーキテクチャ、デザインはユーザーとそのニーズにフォーカスする、三位一体で仕事をすることが理想的です。

デザイナーはもっと目的思考の仕事をしたいのに、ステークホルダーからの評判やデザインに対する認識が、インパクトを制限しているのです。デザイナーは、自分が貢献したいレベルの領域を選択したら、あとはプロダクト、エンジニアリング、ビジネスなど、利害関係者に価値を証明することがすべてです。そうすれば、デザイナーはより戦略的なデザインができるようになるでしょう。

About Author

Mags Hanleyは、オーストラリア・メルボルンを拠点とするキャリアコーチです。25年以上にわたって3つの国でUXに携わってきた経験を生かし、UXプラクティショナーのキャリアを次のステップへと導きます。

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