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十一杯目「花の味」

エチオピア・イディド・トゥルセ(Life Size Cribe)
焙煎度記載なし
¥1,050/ 100g

「ここを折るの」
そう言うと、彼女は両の指先を揃え、思いのほか強い力で茎を引きちぎった。
「ほら、ここに口をつけて」
草いきれ。
爪の中の土の色。
「それから……吸い込む」
マヨネーズもドレシングもない緑色に戸惑う幼き五感。
それでも彼女は僕を導く。
二つ年上の小さな先生。
言葉はない。
お母さんにそれを知らせることも、日記にそれを留めることも、できない。
ただ、やはり思い出す。
あれが初めての花の味だった。


毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
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(四月一)

君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない