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PMOのメソッドを日常に取り入れる

私の会社員としてのメインの仕事は、プロジェクトを支援するための業務です。
いわゆる、Project Management Office(PMO)と呼ばれるもの。
プロジェクトマネジメント事務局です。
これが意外と、自分自身のコントロールや、家事、育児といった日常に使えるんじゃないかと、とても奥が深いんじゃないかと思っています。

PMOとは?

私の場合はITに所属しているため、システム導入に関するプロジェクトにてPMO業務をしています。例えば、一つのシステムを導入するにしても、こんな流れです。

・今ユーザーが使っているPC環境で動くのかテストする
 もしPC環境が複数存在するならば、全ての環境で動くのかテスト

・課題が上がったらソリューションを調べ、改善するかテスト

・リスクがあがったら、どのくらい影響があるか分析し、
 スケジュールやリソース、コストの再検討をする

・ユーザーにもテストに協力してもらい、問題なく動くか確認する

・テスト結果を元に、社内への導入についてステークホルダーに同意を取る

・テスト導入をし、問題なければやっと全社展開する

ここに至るまでにはシステムのバグだったり、他のシステムやツールなどとの相性だったり、ユーザーからの反発だったり、こと日本においては求められる品質が高く慎重に進めるため、時間がかかる傾向にあります。

そして、このゴールまでの道のりを支援するのが、PMOの業務です。
プロジェクトの責任者であるプロジェクトマネージャー(PM)、そして技術的な課題や問題を解決へと導くプロジェクトリーダー(PL)、そしてメンバーの支援をします。進捗や成果物を管理し、会議をアレンジやファシリテートし、課題とリスクを可視化 また その対応にメンバーをアサインし、ときにはせっつき、ときには愚痴を聞き、ときには励まし、メンバーが作業しやすい環境づくりに取り組む "中継役” ”潤滑油” がPMOです。

ちなみに、この本は上司からPMO業務で迷っている時に進められたものです。

一歩引いて先を読む

プロジェクト成功の鍵

さて、プロジェクトを成功させるには?ですが、
一言でいってしまうと "リカバリー(Recovery:取り戻す、回復、修復)する" ということに尽きると思います。
プロジェクトには、スコープの変更やリスケジュールなんて当たり前。
絶対にオンスケジュールでやれば成功、ということでもありません。
リスクや課題が出た時に、それを認識し、可視化し、リカバリーする。
これは改善方法でおなじみのPDCAサイクルやOODAループなどの手法も、つまるところ同じように思います。

■PDCAループ
 Plan(計画する)→Do(実行する)→Check(評価する)→Act(改善する)


■OODAループ
 Observe(観察する)→Orient(状況を判断する/方針を決定する)
 →Decide(意思決定する)→Action(行動する/改善する)



遅延が発生するなど計画通りに行かなければ、
状況を把握し、どこに詰まりがあるのかを観察し、対策を検討し、
リカバリーする。
基本はこの流れ。このループ。

日常でもPMOする

そしてPMO業務を知っていくうちに、ある時ふと、これってなんだかとても深いんじゃないかと思ったのです。これってプロジェクトだけに当てはめられることではなくて、組織運営にだって、それこそ日常の家事や育児、人間関係、悩みにだって使えるじゃん!と。そう、今回特にお伝えしたかったのは ”日常にこのメソッドが利用できる” というところなのです。

日頃の悩み や やってみたいことなどを
プロジェクトとして捉え、
ループを回せば良いのです。

ご自身のゴールを決め
そのゴールに辿り着くための計画を立て
やってみて
課題やつまずきがでてきたたら、それを認識し
対策を検討し
対策を実施し
必要であれば計画を見直し

例えば、「仕事が忙しく睡眠時間が少ない」というのが目下の悩みだとして、このプロジェクトのゴールを例えば「睡眠時間を毎日8時間確保する」とします。
これを上記のループの繰り返しで、この睡眠時間確保プロジェクトを支援し、成功に導けるはずなのです。
もちろんゴールは途中で変わっても大丈夫です。
それもリカバリーです。

朝型生活にしようとしたらどう頑張っても低血圧の私にはできなかった!とか、
毎朝仕事前に10分単位の計画を立てたら業務時間の短縮に成功した!とか、
これなら朝型生活にしなくてもよさそうだな、とか…

ちょっとづつリカバリーすればいいのです。
(できれば書いて、可視化するとより効果的。)

そしてもしかしたら、その時のステージや役割で、ゴールが変わるなんてこともあります。
やりたいことがあるのに、育児や家事、介護で時間が取れない!思うようになんてならない!ということであれば、

何年か先になるけれど落ち着いてから手を付けてみよう、とか
それまでにこんなことができるな、とか
ここは手がつけられそうだから早速やってみるか、とか…

このループをご自身で回せる方は是非利用して、そしてご自身を支援してみて下さい。もしご自身でこのループをうまく回せない時は、私達のようなキャリアコンサルタントやコーチを利用することもできます。

ちなみに、キャリコンはPMOだ、というのが私の結論です。なので私の提供するサービスを名前にすると、まんま「PMO型キャリコン」となり、クライアントのプロジェクトを支援する、というイメージなのです。

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さて、話はご自身のプロジェクトを成功させるところに戻りますが、
ということは、まさに、ご自身がプロジェクトマネージャー 且つ プロジェクトリーダー(PMOもできる方は一人3役!)ということになります。ご自分のプロジェクトについて指示を出し、ワーカーとして動き、マネジメントもする。
そう思うと、いつもだったらワーっとなったり、カーっとなったり、考え込んでしまうような場面でも、俯瞰して対応できそうに思いませんか?
ああ、これは課題や問題がでてきているんだ、だったらRecoveryすればいいだけじゃん!と。

そして、このメソッドは、育児や受験勉強などにも同様に使えます。
PMOの役割は、プロジェクトを成功に導くための支援をすることです。それは、だめな所を見つける行為ではなく、課題や問題をみつけ、それらを解決するためにRecovery(取り戻す、回復、修復)する、という行為です。
そうすると、イライラせず(したとしてもできる限り小さくとどめて)、俯瞰して、子供の気持ちを受け止めながら課題に対しての対策を伝えたり、支援することができるようになります。
実際私もこのメソッドを使いはじめて、格段に子供とのやり取りが楽になりました。受験勉強においても、本人がうまく行かずイライラしている時に、声をかけ、ヒアリングし、気持ちに共感しつつ「課題はこれみたいだから、こうしてみる?」と、そのやり取りの繰り返しのみ。
自主性を伸ばす方針の塾のやり方と、このコミュニケーションが相乗効果になったようで、本人が気持ちを落ち着けたところでNext stepを計画し、次にやるべきことに自ら進んでいました。
うそみたいですよね!?でもね、本当なんです。(もちろんまだまだ、私の検証は続きますが…)

PMOのメソッド、みなさんの日常に、俯瞰して対応するためのツールとしてお使いいただくのはいかがでしょうか。

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