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夫を受講生だと思って家事育成する

夫は結婚するまで、実家暮らしでした。
料理・洗濯・掃除はほとんどしたことがなく、全て義母がしていたと聞いています。

この記事を書くにあたり、脚色や誇張があってはいけないので、改めて聞いてみたところ、やっぱりありませんでした!
実家では洗濯を1度もしたことがなく、料理は野菜炒めさえも作ったことはない、と。
「炊飯器でご飯は炊いたことあると思うよ、・・・何回か。」と言っていたので、数えるくらいでしょう。

◆結婚当初(育成前)

結婚当初は驚きました。全く家事を手伝ってくれないのです。
休みの日に私が家事をしていても、決して悪びれることもなく、手伝う素ぶりも見せず、ソファにゆったりと座り、それが当たり前のように過ごしています。

それでも家事をしたことのない人と結婚したのだから、仕方ないと思い、一人頑張っていました。しかし、仕事の繁忙期である4月が到来して「このままでは無理だ」とギブアップしました。
私の仕事はもともと出張が多いのです。全国で研修をして一週間ぶりに帰宅すると・・・。そうです。
1週間、一度も掃除されていない床。
1週間、一度も洗濯されておらず、山盛りの洗濯物。
流石に食器は洗ってありましたけど。

何度お願いしてもダメ。
「あなたも出張で大変だろうけど、僕も日中は仕事がある。帰ってきたらクタクタなんだ。」
「夜に掃除や洗濯するなんて非常識だろう。でも土日は休みたいよ。」
こんな感じで、できない理由を言われる。

めちゃくちゃ腹が立つ。お互い様じゃないか!
1週間ぶりに帰ってきた久しぶりの我が家で、明日にはまた移動なのに、今から洗濯して、明朝は掃除機かけて・・・・。
ああ、睡眠時間が削られる。

当然、喧嘩にもなります。でも、これは昔の話。

ある時、ハタと気づくわけです。
受講生に腹を立てることもないし、当然、喧嘩することもない。
何故だろう???

そうだ、夫を研修の受講生だと思えばいいのだ、と。

◆ I メッセージ(料理編)

まず料理に関しては、YouをメッセージにIメッセージに変えました。

【以前の Youメッセージ】
「なんで手伝ってくれないの?」(あなたが手伝わない)
「土日に私が仕事の時は、休みの○○くんが作ってよ。」(あなたが作る)

【現在の I メッセージ】
「料理を手伝ってもらえると、助かるんだけどなぁ」(私が助かる)
「○○くんの手料理が食べたいわ!」(私が食べたい)
という具合。
We メッセージというスキルもありますが、我が家は夫婦2人暮らしのため、I メッセージを活用しています。

これは本当に効果大。子育てに I メッセージを活用される方も多いですよね。

おかげで定期的に大阪風お好み焼きと広島風お好み焼きと関西風たこ焼きを、私よりも上手に美味しく作ってくれます。出張から帰ってくる日は本当に助かります。
『全部、粉もんやん!』というご指摘、わかります。
『大阪風と広島風と分けるんかい!』というご指摘、わかります。
でもここ、大事。
「レパートリーが3つもあるね。」と褒めポイント
になりますから。
関西人には○○風にこだわりあるんです。これらを<ひとまとめ>にすると夫婦関係がややこしくなります。

この I メッセージの特徴は、こちらの正直な気持ちを伝えて、どうするかは相手に委ねているという点がポイントです。Youメッセージはどうしても相手を動かそうという表現になり、指示をされた印象を与えます。
I メッセージばかりでも、回りくどい表現になってしまいますが、普段活用していないなぁ、という人は是非とも意識して使ってみてください。

◆まず褒める➡︎後から改善点を伝える(洗濯編)

続いて洗濯に関しては、夫の職種がシステムエンジニアでやたらと機械物に強いくせに、
「どの液体をどこに入れたらいいか、わからへん」
というところからスタートでした。これまたイラっとしますよね。

そこで、笑顔で「一度やってみようか」と伝えました。
誰しも初めてはあります。「なんで、そんなことも知らないんだよ」という表情や態度は禁物です。
新入社員研修の電話応対と同じです。
『○回コールが鳴り終わるまでに受話器を取りましょう。他の人に取り継ぐ場合は保留ボタンを押してくださいね。えっ!?保留ボタンがわからない?そうですよね。いつもはスマホだもんね。・・・・』
これ、最近よくある真面目な話です。

これと同じように、「まず、洗濯機の電源ボタンはここ。次にこのボトルに入っている洗濯用洗剤をこのスペースに入れてね。次に柔軟剤は・・・」みたいな感じで2度は一緒に洗濯機を回す練習をしました。
これで回すのは完璧です。

要は興味があれば、あるいは必要なことであれば自分から調べますが、そうでないことにはチャレンジしてもらうキッカケづくりが大事なんです。

問題は干し方です。普段、家事をされる方であれば『わかるー』という声が聞こえてきそうですが、人によって洗濯物の干し方にはルールというかルーティンがあるんですよね。
大物のバスタオルから干す、とか。Tシャツはこのハンガー使う、とか。
そのため、昔はすぐに「違うねん、こうするねん」と言ってしまい、不機嫌にさせて「だったら、手伝うのやめる!」と言われてしまいました。

今では違うことをしても、グッと我慢です。「違うねん」とは絶対に言いません。
干し終わるとまず褒める。後から改善点を伝える。
「ありがとう!私より干すの上手ね。次に干す時は、Tシャツはこのハンガー使うといいよ」
これです、これ!

せっかく手伝ってくれたのに「違うねん、これはね」とすぐに改善点を伝えてしまうと否定されたという印象を与えてしまうからです。
この記事を書きながら、当時の話を夫に聞いてみると、「あなたのやり方があるみたいだから、邪魔しちゃいけないと思った」とのこと。

まずは褒めて、次にどうして欲しいかを伝える。
これを気長に繰り返すと、なんと今では本当に私より上手に洗濯物を干しています。
と言いますか、単に私が大雑把なので、几帳面な夫がきっちりこなすってことですね。

洗濯に関してはいまだに私が超繁忙期の4月に1回か2回してくれる、年行事ですが、それでも結婚当初に比べたら幸せなことです。

さあ、世の奥様方、夫を受講生だと思って、育ててみましょう。


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