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印度林檎之介@小説
2021年3月17日 02:56
私は生まれつき非常に幸運だった。ギャンブル運というべきだろうか、特に運がからむゲームとなると負けた事がない。あまりに勝つので、逆に学生のころはトランプやマージャンなど一切やらなかった。おもしろくないのである。私は成人した後は才能を生かしてギャンブラーとなったが、苦労したのはいかに自然に負けるか、である。私にとってギャンブルで全勝するのは実に簡単……何もしなくても勝ってしまうのだが、はたか
2021年3月15日 06:56
インターネットは便利なもので、海外のバラエティショーもリアルタイムで見ることができる。特技を持つ人々を集めて採点する話題のバラエティショーを見ていた時だ。黒頭巾に黒マントの怪しい男が登場し、なんと彼は魔法使いでミイラをよみがえらせることができるという。さっそくスタジオに本物のミイラが持ち込まれ、男が祈祷を始めた……、するとミイラは立ち上がってキョロキョロあたりを見渡すと、しゃべった。「こ
2021年3月19日 06:59
私がある日、目覚めると、恋人、両親、兄弟、友人…、自分をとりまくすべての人間が他人と入れ替わっているのに気づいた。他人であるはずなのに、まるでもとからその人自身であったかようにふるまっている。私は何もわからず、ただ恐ろしく平静を装い生きている。……彼をとりまく人々はある日、彼が別人に入れ替わっているのに気づいた。しかし誰もそれを指摘しない。自分だけが異常なのかを疑いつつ、平静を装ってすご