見出し画像

食卓の向こう側・第2部「命」つなぐために(9)バロメーター 健康は「出す」ことから

昨日の便秘に引き続き、今日も関連した話題。。。

食卓の向こう側・第2部「命」つなぐために(9)バロメーター 健康は「出す」ことから

福岡市西区の主婦(41)は、友人の子どものおむつをかえながら思った。「あれ、なんかうちの子と違う」

わが子ならポロリと落ちるはずの便は、おむつにべっとりくっついたまま。お尻は二、三回ふいてもきれいにならない。「いつもこんなに野菜を食べてるの?」。その子の母親は昼食に招かれたとき、そう聞かれたことをふと思い出した。

昨年六月、九州女子大学(北九州市八幡西区)栄養学科の学生五人が実験をした。便の回数、色や形、重さについて、普段のパン食や外食などの十日間と、玄米とみそ汁、筑前煮など和食づくしの十日間と比べた。

画像3

結果−。五人平均でみると、一日の排便回数は0.9回から1.9回に。形は「ポロポロ」が10%から4%に減り、黄色っぽい便が 30%から90%に増えた。重さは一日平均わずか90グラムしか出ていなかったのが、2.5倍の225グラムになった。

この変わりよう。「ポイントは食物繊維」と担当教授の福原洋子(63)。かつて食物繊維は、栄養学者に「かす」とされたが、実は、腸を活性化する「善玉菌」を増やし、腸壁をくすぐって便通を促す「優れ物」。

繊維は消化されないので便の量も増える。玄米などの穀物の繊維、野菜や海藻に含まれる背にをまんべんなく、たっぷり取れる和食は、理想の「快便食」という。


いい便とは、一日250グラム程度のバナナ状で水に浮く(繊維が多い)。色は黄色(善玉菌が多い)。肉や脂質を多く食べると、病原菌やがん細胞などが好む腸内環境になる。そのときの便は、黒色や茶褐色。まさに健康のバロメーターだ。


画像4


「もう一つ大事なことがある」と福原。菜食中止だった日本人の小腸は、肉中心の欧米人より約1.5倍長い。「彼らをまねて『うんち』のもとの肉や脂質をたくさん取ると、腸が長い分、より便は出にくく腐敗してしまう」

先祖の食文化が授けた農耕民族の体。この数十年、日本人はその必然性に気づけなかった。

五、六年前。福原の実姉、波多野伸子は、福岡県中間市内で経営している三つの幼稚園と保育園の給食を、業者製造の弁当から園内調理の和食に変えた。

一歳児から主食は発芽玄米。おかずは、具だくさんのみそ汁やひじき納豆、シシャモ…。便秘で腹痛を訴える園児がいなくなった。「便の量が増えた子は、縄跳びや竹馬など、集中力がいる遊びの上達が早くなった」。

画像6


薬局の店頭には、さまざまな整腸剤や便秘薬がずらりと並ぶ。美容外科や産婦人科などでは、温水で便を洗い出す「腸内洗浄」をやるところも出てきた。

だが、福原はきっぱり言う。「和食さえ食べれば、そんな対処療法はいらない。今日からでも、ちゃんと便を見て、立派なものを出すことをすればいい」

出すことあっての食べること。灰がたまったストーブでは、まきは燃えない。毎年春、波多野は入園児と「うんち出ろのおまじない」を約束する。

食物繊維が便通をよくする

英国のデニス・バーキットは1970年代、「食物繊維を多く取る民俗は、大腸がんなどの消化器系疾患が少ない」と発表。その調査では、主食が未精製の炭水化物だったウガンダ人は、主食を精製していた英国人と比べ、ベンの量は4倍、小腸を通過する時間は半分だった。


転載終わり


英国のデニス・バーキットが気になって調べたら、興味深い文献を見つけた。

画像1


戦前の日本人の糞には食べ物の残りかすが多く含まれていてその分、糞の量も多かったとされる。戦前の日本人の排便量は400グラムと現在の200グラムの2倍だった(注)。

とある。そして、若い年齢層はさらに150グラム程度となっている。

図には掲げられていないが、いもを主食とするニューギニア高地人のなかには糞の量が非常に多くて一日1000グラムを超える人たちもいるらしい。

「食卓の向こう側」の連載記事を掲載した西日本新聞が、2018年に面白いデータを報じている。

画像2

 アジア乳酸菌学会連合が、日本、中国、台湾、タイ、インドネシア5カ国・地域の小学生(7~11歳)303人を比べたところ、日中台の三つが日和見菌のバクテロイデス属菌を多く含む「BBタイプ」、残る2カ国は食物繊維を分解する能力の高いプレボテラ属菌が多い「Pタイプ」と分類できた(上図参照)。


 かつては日本でもPタイプが多かったとみられ、都市部でほとんどを占めるBBタイプへの過渡期にあるという。

(2020年10月12日収録)


なかなか興味深い情報を知れて、嬉しくなった。和食が、平成25年(2013年)に「ユネスコ無形文化遺産」に登録されたのも頷ける。

今日は久しぶりに切り干し大根と椎茸のつくだ煮とカボチャの煮物を作った。

カボチャは日本のものより水っぽくて、ホクホクではなかったけど、味はまあまあ、つくだ煮は材料が日本産なので安定の美味しさだった。

やっぱり和食が一番食べていて落ち着く。今日の記事を読み、さらに和食中心の食生活にしようと思った🤣





この記事が参加している募集

スキしてみて

森を素敵にするために使わせていただきますね!