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これからの未来予測の手法とは?

戦略コンサルタントのアップルです。

今回は「未来予測」のアプローチが大きく変わりつつあるんじゃないか?ということについて考察したことを書きます。

未来予測は多くのビジネスパーソンにとって関心事だと思います。途中から有料とさせていただいておりますが、ご興味のある方はぜひご覧ください。

VUCAだからこそ重要な未来予測

最近VUCAという言葉をよく聞きます。これはVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字をとったもので、要すれば世の中どんどん複雑で不確実になっている様を示す言葉です。

VUCAな世の中だから先のことを考えても仕方ない。こういう割り切りも一つの考え方ですが、多くのビジネスパーソンは「そういう中でも未来を少しでも予測したい、見通したい」と思っているのではないかと思います。VUCAな環境だからこそ、未来予測に対するニーズが高まってきているように感じます。

未来予測には様々な手法がありますが、マクロからミクロに至るまでビジネス環境が変化してきている中で(VUCAもその一つ)、その妥当な手法についても変わってきているようにアップルは感じています。

このテーマを考えるきっかけとなった本

ところでこのテーマを考えたきっかけは、「2025年を制覇する破壊的企業」という本を最近読んだことにあります。

著者の山本康正氏は、現在DNX Venturesという日米を股にかけたベンチャーキャピタルに所属されている方で、多方面で活躍されています。本書では2025年の近未来を予想する上で鍵となる11社(GAFAM以外では、ネットフリックス、テスラ、ショッピファイ、インポッシブルフーズなど。残念ながら(あるいは想像通り)日本企業は入ってません)を抽出し、その戦略、すなわち今後向かうであろう方向性について考察しています。その上で、これら11社の企業行動から、近未来にどのような産業構造、競争環境になっているかを3つのメガトレンドとして洞察しています。

1.業界の壁崩壊とコングロマリット化の再来
2.ハードでもソフトでもなく大変が軸になる
3.データを制するものが未来を制す

この3つのメガトレンドの文字づらだけをみると、当たり前っぽいですが、それぞれに書いてある中身はリアリティと説得力があって面白かったです。

本書の内容についてはここでは詳しく触れません(興味ある方はぜひ読んでいただければと思います)。この本の特徴としてアップルが関心をもったのは「象徴的な企業の企業行動(ミクロ)から、ビジネス環境や産業構造(マクロ)がどうなっていくかを予測している」というアプローチの部分でした。

このあと詳しく述べますが、従来の未来予測の手法は主に「マクロ起点」だったように思います。マクロ環境がどう変わるかをまず予想し、それによって産業・業界といった自社を直接取り巻く環境がどう変わっていくかを考察する。コンサルティングファームのアプローチもこうしたものがオーソドックスだったように思います。

しかし本書は、「ミクロ起点」という逆のアプローチで未来予測にチャレンジしていました。従来の予測手法とは真逆だったので新鮮だったわけですが、このギャップから、「そもそも未来予測のアプローチは根本的に変わる潮目にあるのかもしれない」と思い、今回のテーマで記事を書いてみようと思ったわけです。

この未来予測のアプローチについては、アップル自身、戦略コンサルティングに従事する中でなんとなくもやもやしていました。昔ながらのオーソドックスなやり方は、「制度疲労」を起こしている気が何となくする。ではその対案としてどういうやり方が良いのか、ちゃんと言語化はできない。こんなもやもやがありました。

そこで、頭の整理の良い機会だと思い、図解も交えて体系的に整理してみました。以降の内容は大きく5つです。

(以降の内容)
・従来の未来予測の手法とは何だったか
・これからの未来予測の手法を考える上で重要な構造変化
・これからの未来予測の在り方
・大企業の未来予測の実態
・未来予測の4つの検討ステップ
・遂行に必要な能力

ご興味ある方は、以降ご購入の上ご覧ください!

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