連続ラジオ小説 「錦糸町」
「けさ洗濯物を干そうと庭に出たら物干し竿に
朝霜が降りていました。
夫が納戸の奥から土鍋を出してきて、今夜は
鍋にしようとでも言うのでしょう」
63歳主婦の方からのお便りです。
おはようございます。
朝晩の寒さが身に沁みる季節になりました。
皆さま膝のお具合は如何でしょうか。
今朝の一曲目は富山ヤマト先生の作品です。
「錦糸町」
夜が染みこむ錦糸町
噛んだ爪から味がする
貴方の好きな大根を
煮込む間に見たスカイツリー
北斎通りを両国へ
人の流れに流されて
貴方の面影探しては
偶にぶつかるおすもうさん
濃味なのよ それでやってきたの
貴方が振り向いてくれるまで
火にかけたから
隅田川に春が散り
涙川で大根洗う
貴方が暖簾に手を掛ける
そんな気がして
今夜も火を灯す
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?