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髪の長さはワケありで。

まったくもってどうでもいい話かもしれない。
ただ髪の毛の長さについて書きたくて今、必死でキーボードを叩いている。
そんな日曜日の夜。

髪の毛の長さにこだわる世の中の女性はどれだけいるだろうか。
失恋したときに髪をばっさり切る女性がいるようにその長い髪を愛した男性もいるはずだ。
切る理由も、伸ばす理由も髪の長さには何らかの意味だったり、理由があると思っている。
ここからは私の人生で一番髪の毛が短かったときの話と長かったときの話をさせてほしい。

私が一番髪が短かったとき。
それは約20年ほど前。
確か幼稚園から小学校1年生くらいまで隣に住む祖母の手によって私の髪は切られていた。
当時、夢のクレヨン王国や明日のナージャ、おじゃ魔女ドレミといった、いかにもブリブリの女の子のアニメが流行ったあの頃。
周りの女の子は大体それらのアニメの影響を受けて高い位置でのツインテールや三つ編み、家が美容室を経営しているなんて子はすでに髪の毛を巻いていたあの頃。
私だけが祖母の手によってコボちゃんヘアーにカットされていた。
まあ、いわゆるお椀カット。ちなみに後ろはバリカンでジョリジョリ。
又の名を火垂るの墓の節子とも言えるあのヘアー。
コボちゃんを知らないあなたへ。
ご参考までにどうぞ。↓

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祖母は私の髪が長くなるたびに私や母が髪を切ってとお願いするわけでもなく髪を切っていった。今なら言える。すごく嫌だったと。
あの時代、私の祖母は絶対君主であった祖父に次いで一族の中でナンバー2の権威がある人だったために誰も逆らえなかったし、私も幼心に我慢するしかなかった。コボちゃんカットにされる度に傷ついて、母に泣きついた。

しかし、ある日をもってコボちゃんヘアーに終止符が打たれることになる。
それは私の美容室デビューだ。
小学校2年の時、私の住む街にオシャレでファッショナブルな美容室がオープンした。
母がその美容室に通うのと同時に私も高校を卒業するまでの間ずっとその美容室にお世話になる。
祖母はそのことに対して何も言わなかったし、美容室に通いだしてからは色々と察したのかは分からないがそれ以来、私の髪を切るのをやめた。
10代という花々しい青春時代のヘアスタイルを美容室という場所を盾にして私の髪は祖母のコボちゃんカットから守られた。


私の髪が一番長かったとき。
それは大学時代の就職活動前の3回生。
その頃には20代を迎えて、色気づいていたのは言うまでもない。
コテという女性の髪には欠かせない三種の神器の一つでおへそ近くまである髪をこれでもかと言うくらいに巻いた。
当時の写真がある。これだ。お分かりいただけるだろうか。

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一つ目の写真が一番右。
二つ目の写真が一番左。
どちらのプリクラも友人たちの中で一番髪が長いのが私だ。
顔出しはこんなネット社会なので、ビビってます。ご理解ください。
友人には貞子できるじゃんって言われたし、髪の毛触らせてと言われて友人と夜な夜なヘアカタログが1冊できるくらいにヘアアレンジをしてはiPhoneのカメラで写真を撮った。
バイトの先輩のT君からは「俺はお前の顔じゃなくて、お前の長い髪の毛が好き。」と失礼さの極み&狂気じみた告白を受けたこともある。
私の長い髪は自慢で、女の子という部分を強く周りに象徴させていたと思う。
長い髪にしていた理由は当時大好きだった読者モデルに憧れてだったけれど、維持するのは超大変だった。
まず、シャンプー。毎日5プッシュ位していて、シャンプーの量の減り具合はF1全盛期のミハイルシューマッハ並みの速さ。おまけに大量の抜け毛。
お風呂から出た後は30分かけてドライヤーを当てないと乾かない。
そして寝る前はロレッタのオイルでつやつやにして次の日に備えた。
あの長さを維持するためには時間とお金と労力がいった。
ある日、友人と一緒に私は憧れの読モの姿をこの目で拝むことができたのだけれど、あれで一気に現実見たね。
整形くらいしないと髪を伸ばしたくらいでは憧れの彼女には到底なれやしない。

その数か月後。
就職活動だからという理由で数十センチの長い髪とおさらばした。
色んな思い出が詰まっている髪の長さを毎回見てくれて絶大な信頼をおいていた御幸町通りにある美容室の担当美容師に全てを託す。
「美容師人生で初めてこんな髪の長さ、切るかも。」と言われて切る方も切られる方もドキドキしながら鋏に髪を入れた。
頑なに大幅な長さを切ることを拒み続けたけど、良い機会だと自分に何度も言い聞かせて髪は肩までの長さになった。


2020年。
最近、就職活動を理由にして切ったときよりもさらに短く切ってもらった。
祖母のコボちゃんヘアーまでとはもちろん言わないが、耳下5センチほどの長さだ。まだまだ寒い季節だから、風が吹く度に首元がスースーする。
短くした理由はいくつかあるのだけれど、その中でも長い髪の毛が年を重ねたことによって自分に似合わなくなってしまったからというのと、友人の結婚式を先月終えてしばらくはお祝い事がないからというのが切った理由だった。お祝い事はちょっとでもオシャレにしたいし、髪の毛は少しでも伸ばしてアレンジしたい。
さすがに大学時代のように髪はもう長く伸ばせる機会は今後の人生で少ない気がする。



そんなことさえ思っていたのに先週、大学時代のあのバイト先でお世話になった先輩が結婚するという連絡を受けた。後輩の立場である私はなんと二次会に呼ばれたのだ。
髪を伸ばす理由ができてしまった。
勘弁してほしい。


THE END


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