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無形文化を学ぶ・体験する~日本のミュージアム紹介~

こんにちは。あっぱれの伊東です。

突然ですが、先日こんな展覧会が開催されていたのはご存じですか?
 

 昨年10月から今年の2月にかけて、国立科学博物館で行われた特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」です。

ユネスコの無形文化遺産に登録されている和食の成り立ち、素材の多様性、出汁と水の関係性、伝統的な技術…などなど、あらゆる角度から和食について考察する、大規模な展覧会です。

また、ラーメンやナポリタンなど、これって和食?というアンケートをYES/NOでリアルタイム表示するなど、来館者にわかりやすい形で問いかける展示手法は、SNSでも話題を呼びました。

個人的には、「和食=今も変化し続けている文化」という視点から、将来の和食について想像すると、興味深さが増しました。これは他の無形文化にも通ずる面白さであるかもしれませんね。
 
補足:
同館での展示は終了してしまいましたが、2024年から2025年にかけて日本各地で巡回展が行われる予定なので、是非チェックしてみてください。
巡回情報はこちら
https://washoku2023.exhibit.jp/outline.html


無形文化を学べるミュージアム


博物館=勉強する場所というイメージがあるかもしれません。しかし、ひとつのテーマについて、多くの関係者がどんな切り口で紹介するか、どんな魅せ方をするのか、徹底的に掘り下げた上で、工夫に工夫を重ねて作り上げた、テーマパークのような場所なのです。

和食展のように期間限定の展覧会で無形文化を扱うことはよくありますが、常設で展示している施設は意外と少ないです。(これは博物館の成り立ちにも関係するのですが、それはまた別の機会に)

国立や県立レベルの大きな博物館では一部が紹介されているものの、地域の無形文化に焦点を当てた常設のミュージアムは、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、筆者の視点から、無形文化を楽しく学べるミュージアムを紹介します!
 

①金沢能楽美術館

 
金沢能楽美術館は、ユネスコ無形文化遺産である能楽の魅力をわかりやすく紹介する施設です。金沢市無形文化財として認定された加賀宝生の貴重な能装束や能面が展示されており、模型による能舞台の解説や映像も上映されています。
何といってもこの館の魅力は、実際に能面や能装束をつけられること。週末に行われる着装体験コーナーでは、金沢の観光ボランティアガイド「まいどさん」が着付けを手伝ってくれます。

また、子どもたちの美意識や礼節を養う子ども塾が開催されるなど、伝統芸能を通じて、次世代に日本の文化を伝える拠点にもなっています。

アクセス:JR金沢駅からバスで約10分。兼六園や金沢21世紀美術館が隣接するエリアに位置しています。

②京都伝統産業ミュージアム

京都伝統産業ミュージアム みやこめっせ地下1階 Kyoto Museum of Crafts and Design - 京都伝統産業ミュージアムは今なお受け継がれ、京都の町に息づいている美とわざの世界をより多くの皆様に感じて頂く産業と文化と人の出会いの場です。京都伝統産業ミュージアム Kyoto Museum of Crafts and Design みやこめっせ地下1階京都伝統産業ミュージアム みやこめっせ地下1階 Kyoto Museum of Crafts and Design - 京都伝統産業ミュージアムは今なお受け継がれ、京都の町に息づいている美とわざの世界をより多くの皆様に感じて頂く産業と文化と人の出会いの場です。 京都伝統産業ミュージアムは今なお受け継がれ、京都の町に息づいている美とわざの世界をより多くの皆様に感じて頂く産業と文化と人 kmtc.jp

京都伝統産業ミュージアムは、京都市の伝統的工芸品74品目約500点を一堂に集め、体系的に紹介する展示施設です。見どころは国内最大規模の壁面展示で、染織品や工芸品などがすらりと並ぶ空間には圧倒されます。バリエーション豊かな京都市の伝統産業74品目が展示されており、タッチパネルで各品目の詳細な解説や、製造工程の動画も閲覧できます。
74CRAFTS EXHIBITIONでは、ものづくりの過程を学び、楽しめる展示エリアもあります。職人の実演や制作体験教室もあり、京都の無形文化である工芸の世界を肌身で感じることができるミュージアムです。

アクセス:地下鉄東西線の東山駅1番出口から徒歩約10分



③紅ミュージアム

紅ミュージアムは、江戸時代から続く最後の紅屋「伊勢半本店」が運営する資料館です。文政8年(1825)の創業時から今日まで受け継いできた紅づくりの技と、化粧の歴史・文化を紹介しています。
染料や化粧料のために、江戸時代に産業として発展した紅の文化を、紅にまつわる道具や関連作品人加え、習俗を模型や動画・関連資料と共に展示しています。
また、併設する体験ゾーンで紅の試しづけに加え、科学的なアプローチから紅の色の不思議を発見できます。「紅のミニ実験」や「紅染つまみ細工作り入門」など、ワークショップも通年で開催されています。

アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅から徒歩約12分


他にも紹介したいミュージアムは多々ありますが、今回は3つの施設を紹介しました。いずれも、人々が長年受け継いできたワザを、わかりやすく、面白く展示しているだけでなく、実際に体験もできる素敵な場所です。

好奇心を刺激される無形文化のミュージアム、是非訪れてみてください!


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