児童虐待を見逃すな!救急隊の想定訓練🚑🚒✨
こんにちは👩🚒🤚 APO隊長です。
前回は、児童虐待の基礎知識について書きました。
今回は、ある架空の事例をもとに症例検討を行ってみたいと思います。私の卒業した、某医科大学の法医学教授に監修していただきました。
資料は全て児童虐待関連のテキストからの引用で、想定も私が勝手に創作したものですから、事実とは一切関連がありません。
それでは、考えながら読んでみましょう👩🚒
通報内容
👩🚒どうでしょうか。この通報で違和感を感じることができたら、レベルアップしている証拠です。ちょうど虐待の話をしているので、疑いやすいとは思いますが、その”疑う気持ち”が救急隊には何より大切です。
ポイントは、「母親が、ぐったりしているのを見つけた」という点です。3歳の子どもを一人でお風呂に入らせる時点で、”すでに怪しい”という点に注目すべきです。さらに、お風呂で滑って泣いているくらいで、救急車を呼ぶでしょうか。
なんとなく違和感を感じる・・・。この感覚を持って現場に入るかどうかで、救急隊の活動は全く変わってきますね👩🚒
状況評価
👩🚒どうでしょうか。
救急隊が通報者の家に到着した時点から、様々な評価を行わなければなりませんね。ここで違和感はありますか?
ここで一番注目すべきは、”母親が子どもと一緒にいない”という点です。3歳くらいの大きさであれば、抱きかかえて玄関まで来ているか、子どもを抱きかかえた状態で、玄関の外で救急車を待ち構えているのが通常です。少なくとも、親は子どもの側から離れず、お風呂に留まり、大きな声で「こっちです!早くきてください!」と叫んでいるのが普通です。
そもそも、親が慌てていない時点ですでにおかしいですね。
身体所見
親へ状況聴取
👩🚒はい。いかがでしょうか。
救急隊はまず、男の救護に専念します。意識がないので、外傷と疾病による可能性の両面から観察を進めていかなければなりませんね。その中で、児童虐待を疑わせるような状況の材料を集めるといったイメージです。
虐待を疑うことはもちろん大切ですが、その材料集めに多くの時間をかけるわけにはいきません。まずは児童の救護が最優先です。
それでは、本事案は児童虐待をテーマにしていますから、今回はここに注目していきます。児童虐待を疑うという点については、皆さん同意だと思いますが、その理由はどこにありますか?APO隊長は以下を列挙します。
接触時の状況から母親が子どもに対し、異様なまでに無関心である。
お風呂に一人で入れるという状況。
身体的な傷に無関心である(新旧様々な打撲があるのに)。
二重条痕がある。
皮膚剥離創がある。
唇の下に傷がある。
👩🚒どうでしょうか。1から3までは、納得ですよね。
今回は、あまり知られていない、”二重条痕”、”皮膚剥離創”、”唇の下にある傷”について解説していきます。
虐待に特徴的な傷
”二重条痕”、”皮膚剥離創”、”唇の下にある傷”は、虐待の可能性を大きく高める外傷です。事故的に発生するケースもありますが、多くは故意的です。
二重条痕
👩🚒これが二重条痕ができる理由です。”棒のようなもので叩く”ことによって生じます。棒の両側に皮下出血が溜まるので、このように線状かつ二重の傷が生じます。傷の幅は、叩くものの太さによって変わります。背中やお尻、太ももの裏側に生じていることが多そうですね。
どちらにしても、服を脱がせなければわかりません。
皮膚剥離創
👩🚒これが皮膚剥離創ができる原理です。”角のあるようなもので突く”ことで生じます。僕の経験では、組み立て式のフローリングモップが原因器物となっていたケースがありました。鋭利な先端で、皮膚を削り取ることことよって皮膚が剥離するために傷が生じます。これも服を脱がせなければわかりませんね。
唇の下にある傷
👩🚒これが、唇の下に傷ができる原因です。自分の歯を当てつけることによって傷が生じます。
なぜ傷ができるほど、歯を当てつけるのだと思いますか?
それは、”泣くと虐待を受けるから”です。3歳児は泣くのが当たり前です。泣くことが、感情表現だったり意思表示の役割を果たします。しかし虐待を受けている子どもというのは、”親の言うことを守って、良い子でいたい”と考えるので泣くのを堪えようとします。そのためには、口を開かなければいいわけですから、下唇を上の歯でグッと噛んで、泣かないように我慢するんですね。これを日常的に行っているから、唇の下に傷ができます。
このような表情が悪いわけではありませんし。通常の子どもを行う仕草ですが、”唇の下に傷がある”ことが何より重要な所見です。
まとめ
いかがでしょうか。納得ですか👩🚒✨
児童虐待は、”世代間連鎖”といって、「子どもの時にそのような状況に置かれていたから、自分の子どもにも同じようなことをしてしまう」ことが問題になっています。どこかで歯止めをかけなければ、この問題は無くなりません。
救急隊をはじめとした医療者は、正しい知識を持って、早期発見を行わなければならない職種です。これをスタートに、さらに知識を深めてみてくださいね。
「ゼロの知識を1にできた。」これだけで活動が大きく変わります。
これが成長です👨🚒。
次の勤務の時に、ディスカッションしてみてくださいね。
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さもないと、、、APO隊長に呪われますよ👩🚒笑
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ではまた🤚✨!!!!
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