見出し画像

AP流 『1on1』 の導入方法

【アカウント紹介】
エーピーコンサルティング株式会社は、組織拡大・組織変革フェーズのお客様に対して「人材採用と人材育成を生産的にする仕組み」を提供するソリューションカンパニーです。クライアント企業様の「人の可能性を最大化」させる為に、理念や風土を基軸としたオーダーメイドのプラン設計と徹底した伴走支援にこだわっています。
【筆者紹介】
服部裕太。エーピーコンサルティング株式会社代表取締役社長。新卒1年目で社長に抜擢される。理念共感型の新卒採用コンサルティングサービスを開発し、現在では弊社の主力サービスへと成長。今期からは「1on1導入支援」や「DX支援」など、組織における幅広いソリューション提供にも着手。就活生の支援にも積極的。Matcherにて大学生のキャリア相談や就活コミュニティなども運営。

私たちエーピーコンサルティングでは、2020年から若手メンバーの成長を目的に、週1回1時間の1on1ミーティングを実施してきました。その過程で、社内の育成基準の設計や1on1を行うマネジャーの教育、実施結果の可視化や1on1の標準化など、1on1を推進する活動を行ってきました。

今回は、前回の「"目標管理"ではなく"成長支援"を。弊社が「1on1導入支援」を始める理由について。」に引き続き、弊社の事例に基づいて、1on1の導入方法を可能な限り具体的にお伝えしていこうと思います。

『1on1は知っているけど、導入方法が分からない』という方のお役に立てたら幸いです。

私たちが導入した1on1

弊社では、30分〜1時間程度の1on1を週1回の頻度で実施しています。

育成対象は、現場で求職者や人事と接する20代の若手メンバーです。求職者の選考や面談対応、キャリア支援といった業務を担当するため、コーチングやティーチングなどの面談スキルが業務遂行に必要不可欠だからです。

ですので、1on1で目指すゴールは「良質な1on1の体験による面談スキルの向上」と「業務の内省による成長促進」です。

1on1の効果を最大化するために

しかし、このゴールはマネジャー側のスキルアップだけでは達成できません。その理由として、「経験学習」が機能して初めて1on1はメンバーに成長をもたらすからです。この「経験学習」を機能させるためには、”自分自身を成長させたい”というメンバーの主体性が必要不可欠です。

コルブの経験学習モデル

※『シリコンバレー式最強の育て方』より引用

会社がメンバーの成長に責任を持つのは当然ですが、成長はメンバーの主体的な活動の中でしか生まれないのが現実です。

そこで弊社では、1on1の実施前にメンバーが1〜2分程度で回答できる、面談にオーナーシップを持ってもらうための「実施前アンケート」を実施しています。メンバーに自由に1on1のテーマを決定させることで、「マネジャーにやらされている面談」から「自分の成長のための面談」という意識に変えることが狙いです。


「実施前アンケート」の項目例

■1on1で話したいテーマ(3つまで選択可能) 
・業務について
・会社・組織について
・人間関係について
・将来やキャリアについて
・ライフスタイルについて
・目標設定・人事評価について
・おまかせ
・その他
■良い成果を出した仕事(ベストプラクティス)
■失敗に終わった仕事(ワーストプラクティス)
■自由記入欄(相談したいことの詳細、モヤモヤしていること・困っていること、手伝ってほしいこと、業務上の気づき、個人的なトピック、キャリアについてなど)


また、メンバーの成長と同じくらいマネジャーの面談スキルの向上も重要な課題でしたので、1on1を可視化・評価できるような「実施後アンケート」も取り入れました。

ブラックボックス化しやすい面談を可視化することで、マネジャーのマネジメントにおける課題を可視化し、 1on1の質を向上させることが目的です。

そこで弊社では、まず課題抽出や解決策の提示ができているかといったテクニックについてではなく、面談への向き合い方や部下への接し方などの「マネジャーの姿勢」の可視化からはじめました。どれだけ緻密な課題分析と解決策の提示ができても、マネジャーとメンバーに信頼関係がなければ、その策は永遠に実行されないからです。

この「実施後アンケート」により、各マネジャーの足りていないスキルが明確になり、「心理的安全性の確保」など1on1推進における課題を更に細分化することができました(詳細は別の記事でお伝えしようと思います)。

「実施後アンケート」の項目例

■自分が主体となり相談したいことを相談できたか
■上司は十分な対話を通して現状や課題を理解しようと努めてくれたか
■自分自身の課題は明確になったか
■次週までにやることが明確になったか
■自由記入欄(1on1を通しての気づきや学び、次回の1on1で扱いたいテーマ、1on1で改善してほしいポイントなど)

これまでの話をまとめると、弊社の1on1の実施体制は下記の通りになります。

【1on1の実施体制】
■ 対象: クライアントと対峙する現場メンバー
■ 期間: 繁忙期以外
■ 頻度: 週1回
■ 方法: 1回あたり30分から1時間
■ テーマ: 対象者がテーマを自由設定
■フロー: ①実施前アンケートの提出(部下)
                 ②1on1の実施
                 ③実施後アンケートの提出(部下)

最後に

1on1の効果を高めるには、「メンバーの主体性の育成」と「1on1改善に向けた面談の可視化」の2つがポイントになってきます。ですが、メンバーの主体性を「実施前アンケート」だけで育成することは難しいでしょう。実際は「各メンバーのことを理解した支援ができているか」、「メンバーが本音を言いやすい環境かどうか」といった、組織内の「心理的安全性」が主体性の育成に必要不可欠です。この心理的安全性は、マネジャーがメンバーとの向き合い方を変えるだけでも作られていきます。1on1の効果を高めるためには、面談を可視化しマネジャーのメンバーに対する接し方を地道に改善することが最も近道でしょう。

そこでこのnoteでは、1on1の導入方法や運用する中で得たノウハウを事例に基づいて発信していく予定です。もしご興味がございましたら、こちらの「お問い合わせ内容(項目)」 の「メルマガの登録」からメルマガ登録が可能です。

次回は、「1on1を導入して分かった3つのメリット・デメリット」という記事を配信予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?