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「今のうちに出来ることをやっておこう」と言い続けた数ヶ月は終わるのか?|1/5~1/7

佐藤李青(東京アートポイント計画)

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。土日祝休(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の宣言解除の日から再開。少し休んで「第6波」から再々開。

2022年1月5日(水) 市ヶ谷

朝から冷える。最高気温は5℃なのだという。昨日は休みをとって、今日が新年初出社。感染者数が減って、日々の記録の手が止まってから、2ヶ月以上が経ってしまった。この数日でオミクロン株の感染者数が、急激に増えてきた。もともと感染力は強いと言われつつ、じわっと増加していたものの、昨日は東京都で151人になり、全国の感染者数は約3ヶ月ぶりに1000人を超えた。前ほど切迫した感覚がないのは、急激に戻ってきた日常感のせいか、数が増えることへの慣れなのか。
行きの電車では積読になっていた『ルワンダ中央銀行総裁日記』を読みはじめる。書かれた日々は1965年のこと(初版は1972年)。時代感がある書きぶりだけど、面白そうな予感。
出社後は新年の挨拶もそこそこに、年末に急に動き出した案件の状況共有と今後の方針を検討する。来年度のために仕込んでいたもの。いいかたちで進められそう。この方向で固めてしまいたい……今月が勝負か。
日程調整と予定の確認、連絡文面の作成などメールとメッセンジャーを駆使し、やりとりを重ねる。まとめる動きと仕掛ける動きを行き来する。Tokyo Art Research Lab (TARL)ディスカッション「災間を生きる術(すべ/アート)を探る」の最終回レポートを公開に向けて、校正をとりまとめる。いい意味で、それぞれが「語り足りなさ」を抱えて終わったものになったのだなと思う。校正の返信では、みんながディスカッションで感じたことを添え伝えてくれる。その言葉ひとつひとつに励まされる。

東日本大震災の体験はもしかすると、私たちのようなある世代のある立場にいて、関わってしまった人にとっては、一生頭の片隅から消えないテーマかもしれませんね。佐藤さんが今後も細々とこのような場を繋いでいただくことを期待しております。

実践するとは応答なんだな、と思う。「しつこく」やっていこう。
東京都の新規感染者数は390人。沖縄県は623人で、大阪府は244人。全国の感染者数は一気に2,000人を超えた(9月26日以来)。政府は沖縄県に「まん延防止等重点措置」を適用……というニュースに帰り道でスマホで目にする。緊急事態宣言という言葉も現れる。たった数ヶ月で感覚が薄れていることに気がつく。塩野義製薬は開発中のコロナ向け飲み薬の承認申請が遅れていることを発表。昨年秋から治験者を集めるのが難しくなったためだという。「今のうちに出来ることをやっておこう」と言い続けた数ヶ月は終わるのだろうか?

2022年1月6日(木) 自宅

しっかり寒い。朝から在宅勤務でパソコンに向かう。TARLディスカッション最終回のレポートを公開に向けて読み直す。年末に公開したTARLディスカッション3回分のレポートの記事をTARLのFacebookに下書きし、Twitterの広報文をつくる。次年度の案件についてメールをやりとりする。早く進めたい。気がはやるけれど、相手次第なところもある。ぐっと踏み込みつつも慎重に。

昼から雪が降りはじめる。思ったより積もっている。オフィスのある千代田区では大雪警報が発令されたらしい。明日の出社について無理せず、在宅かオフピーク通勤か、年休取得を使うかの事務連絡あり。感染者数も急増している。東京都の新規感染者数は642人。全国は4,221人。都の600人超えと全国の4,000人超えは、昨年の9月18日以来。沖縄は981人で過去最多を更新。首相は沖縄、広島、山口3県への「まん延防止等重点措置」を適用する方針を表明。全国知事会は「明らかに『第6波』」と強い危機感を示す。東京都美術館は今月22日から予定していたフェルメール展の開幕を延期。現場での対応もざわつきはじめる。
午後は休みを取得して、東京都立大学の非常勤。対面+Zoomのハイブリッド形式から、完全Zoomでの実施に今日から切り替えていた。まるで狙ったかのような絶好のオンライン日和。でも、ど年末にマシンを新調していたため、今更ながらZoomの接続に手間どる。夕食はデリバリーのつもりだったけど、到着時間を過ぎてから電話してみたら「ごめんなさい、無理です」と店側からキャンセル。注文する時点で受付休止の店も多かった。大雪のダメージは大きい。家にあるものでしのぐ。

2022年1月7日(金) 市ヶ谷→自宅

道路が凍っている。オフィスに着くまでに、目の前で転んだ人は、ふたり。首都圏では転倒や交通事故などで500人以上が負傷したらしい。降り積もった雪が溶けて、水になり、氷になる。のではなく、人が歩くことで散らかし、踏み固めた雪が、氷になっているように見える。人が歩いていない雪の上を歩くほうが安全。自然の脅威のように見えて、人の力(人足)が引き起こした危機。これが、人新生か。違うか。
午前はオフィスで作業し、午後からは在宅に移行する。溜まっている仕事をこなしていく。来週のインタビューの連絡、鋭意制作中の書籍の関係者確認のメール、来年度の動きの交渉ごと……どれも具体的なだけに書けないことも多い。それだけにいろんなことが蠢いている。
暗くなってから、こどもを保育園に迎えにいく。足元の氷に気をつけながら、小走りで向かう。途中でバチンと目の前に白いものがよぎり、気がついたら地面にひっくり返っていた。しばらく息が出来ない。標識のポールに真正面からぶつかってしまった。やってしまった……と思いつつ、息を整える。右目の上の額に触れると、大きなたんこぶが出来ている。不思議と痛みはない。額を軽く手で隠しながら、お迎えをこなし、帰宅後に急いで冷えピタを貼りつける。ネットでたんこぶの行く末を検索すると、時間が経って青くなった痛々しい画像が現れる。連休明けからは人に会う用事も多い。落ちこむ。とにかく、はれが引くことを願う。
東京都の新規感染者数は922人。またも大幅に増える。「1週間前の金曜日(昨年12月31日)から、約12倍に跳ね上がった」という記事も。前の週と比較して「○倍」という言い回しを使うのが、今回の波の「伝えかた」の特徴。都立施設は11日から「スポーツ施設、図書館、都立公園等を除き、原則休館」、「美術館・博物館の企画展、劇場・ホールの公演等は対象外」。上野動物園は休館だけど「抽選済」の「ジャイアントパンダ観覧のみ」「3日間、2時間に限り」実施とのこと。沖縄は1,414人で過去最多、米軍は254人、医療従事者の欠勤は313人で「「人手不足で医療崩壊」に現実味」

(つづく)

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佐藤李青(東京アートポイント計画)
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。