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離乳食から子育てを見る(2)

前回は、離乳食の動向についてお伝えしました。

今回は、離乳食の進め方についてお伝えします。

目次
1.離乳食とは
2.離乳食の開始
3.離乳食の進行
 ①何を食べさせるか
 ②子どもが食べないとき
 ③食べさせられないパパ、ママ

1.離乳食とは
離乳とは、子どもの成長に伴い、母乳や育児用ミルクの乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程のことを言います。

離乳をすることにより、子どもは食べ物をかみつぶして飲み込むことができるようになっていくので、離乳は食べるためのトレーニング期間とも言えます。

食べることは、人にとって栄養を取ることでもあり、コミュニケーションを取る楽しい場でもあります。

子どもの食欲、成長、発達パターンには、子どもの個性があります。子どもの反応を見ながら進めていくこと、無理をさせないことが大切になります。

特に初めてパパ、ママにとっては、離乳食を準備して食べさせるだけでも大変なことかもしれません。

はじめから完璧である必要はないので、できるところから始めていきましょう。

2.離乳の開始
開始時期の子どもの発達の目安は、
 ・首のすわりがしっかりして寝返りができる
 ・1人で5秒以上座れる
 ・スプーンなどを口に入れても舌で押し出さ
  ない
・食べ物に興味を示す
などがあります。

ほとんどのパパ、ママは口が開けられれば開始できると思っていますが、

スプーンを口に含んだら口唇を閉じることができる

が開始の目安です。よくお子さんを観察してみましょう。

与えるスプーンは、幅が口唇より狭く、ボールが浅いものがよく、スプーンの先端に少量のせて、舌先1/3より奥には入れない、口を閉じたら水平に引き抜く、5回もぐもぐできたら、次を食べさせるようにします。

生後5〜7か月頃には、哺乳反射が消失し、顔の解剖学的変化が起こる時期と言われています。そのため、遊び飲みが始まったり、口から乳汁を漏らすようになります。これも成長に伴うものなので心配はいりません。

3.離乳の進行
①何を食べさせるか
 離乳食初期の献立には「米がゆ」とあります。これは、日本の食文化のためであり、栄養豊富な食材なら他のものでも構いません。

例えば、パンがゆ、ペースト上にしたじゃがいもやバナナでもいいです。与えやすいものを選んでください。

また、乳児期後半に不足しがちな栄養は「タンパク質」と「鉄」です。特に赤身の肉も積極的に食べさせましょう。

②子どもが食べない時
食べることの楽しさも離乳を通して教えたいため、思ったより食べない場合は無理強いはしないことが大切です。

子どもは見た目で判断することが多いため、盛り付けを工夫することも有効です。

食欲は個人差があるものです。その子の成長に問題がなければ個性として扱いましょう。

また、食べない子には、断乳が進められることがありますが、乳汁から栄養をとっていることがあります。断乳することにより体重が減少することも考えられます。あくまでも成長を見ながら考えていきましょう。

③食べさせられないパパ、ママ
アレルギーを恐れて卵や肉などのタンパク質を与えていなかったり、子どもが少し「オエッ」と吐きそうになっただけで「こわい」とそれ以上与えられなかったり、「太るのが心配」で少ししか与えられなかったりで、「食べさせられないパパ、ママ」が最近目立ってきている傾向があります。

卵黄を避けることでアレルギーが予防できるというエビデンスはなく、早期から全卵は食べさせて良いこと、白身魚の方がアレルギーが少ないというエビデンスもなく、青身魚も積極的に食べさせても良いことはガイドに書かれています。

子どもが吐きそうな時がある場合は、スプーンの入れ方を見直してみましょう。

母乳などの乳汁の方がお粥よりもカロリーが高いため、離乳時期に太ることを心配する必要はありません。肥満は離乳完了後の食生活の偏りが原因になることが多いため、離乳時期は食生活を見直す時期だとも言えるのではないでしょうか。

最後に、子どもは五感を使って食べることを学習していきます。手づかみで食べるとまわりが散らかって大変なものです。しかし、子どもはそうすることで、一口はどれくらいかを学習したり、食べ物の柔らかさ、硬さを感じたりしています。


手づかみは、スプーンや箸を使う食事ができるようになるためにも必要な行動です。

汚れたら捨てられる新聞紙を床に敷いておくなど片付けを楽にする工夫をしながら付き合ってあげて下さい。

家族みんなでする食事はおいしくて、楽しいと子どもに思わせることが、最も優先されることなのです。

#子育て #離乳食 #子どもの発達
#食物アレルギー

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