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風車を作り貯めています。

故あって、風車の在庫数を増やしています。目標は30。今、20だから、後10個ほど、作らないといけない。

結構大変です。

同じものばかりなら良いんですけど、新しいデザインの物も作りたいし。
そうなると、デザインの検討から加工方法、治具も作らなきゃいけないし…

そうかといって、無駄に手間ばかりかけても採算が取れません。

ハンドメイド作家の皆さんは、日々悩まれているんでしょうね。

今回は、「かぜしらす・木の風車」の名前で販売しているものに注文を頂いたので、ついでに幾つか色違い(樹種違い)の作品を作ることにしました。
一個だけ作るのだと効率が悪いですしね。

ちなみに両端がブラックウォールナット&ハードメイプル、左から2番目が北海道産・ミズナラ、3番目が檜です。

ちなみに売れたのは檜。他の樹種は、まだ、ネットに上げてません。

いままで、この風車は何となく「檜で決まり」って思ってましたが、違う木で作ってみるもの良いもんだと思いました。

特に良かったのは北海道産のミズナラ。

なんか丸みがあって「おっかさん!」て感じがしてしまった。つたわんねー。(^^;

噂には聞いていたけど
「こりゃえーわ (^^)」
でした。

高山の材木屋さんは「道産だけど、民有林から出た木でそんなに良いのじゃない」と言っていましたが、まぁ、そんなもんかなとは思っていました。

実際、白太を多くかんでいて年数の若い木が多いようで年輪も荒いものが目立ちました。
やはり、樹齢の長い年輪の詰まった材が最高なのは確かなんですけど、そもそも国産のミズナラ自体、簡単には手に入りません。
なので、色々言うのは贅沢ってもんですよね。

今回、せっかくの機会なので、このミズナラの赤身を使ってかぜしらすを作ってみることにしました。

下が道産・ミズナラ。色の濃い部分が赤身(芯に近い方)、白っぽい方が白太(樹皮に近い方)

ご存知ない方のために解説しておくと、多くの木材では、芯に近い方と樹皮に近い方で明確に色が変化していることが多いです。
ハードメイプルや杉だともっと明瞭で、

上の板がハードメイプル。真ん中辺りがシミのようになっているのが赤身。こういう板は掴んじゃいけませんの例です。(^^;一番下がホワイトオーク。

写真のようにはっきり色が違っているのが分かると思います。
白太部分は若い木なので、水分や栄養分が多く狂い易かったり腐朽に弱い性質があるので、家具作りでは避けることが定石と言えば定石なのですが、その事を承知で、色や木目を優先して敢えて白太を使う事もあります。

イタヤカエデやハードメイプルは白さが命なので、当然、白太を優先的に使います。
…で、赤身なんですがイタヤカエデはまだ良いんですけど、ハードメイプルは駄目ですね。こりゃ、治具にしかなりません。

同じ様に赤身が命で白太はゴミっていう木もあります。
典型的なのはブラックウォールナット。

ブラックウォールナットの白太なんて有るだけ邪魔っていう扱いじゃないでしょうか?
同じ木なのに、こんなに扱いが違うなんて、ちょっと可哀そうですが。

話が横道にそれました。

道産のミズナラ、やっぱり良いですね。
実は、高山から帰り着いて、トラックから搬入した時、「あれ? ナラが無いぞ」って思って焦りました。

実際、そんなことは無かったんですが今まで扱っていたナラ(ホワイトオーク)に対して色が明るかったので、勘違いしたんです。

上の写真で見比べて貰えばわかると思うのですが、ホワイトオークと比べて色が明るいのが分かると思います。

木の雰囲気もかなり違いますね。

なんか柔らかいというか丸みがあるというか、「えーやん!」と思ってしまった。

ホワイトオークも悪い木ではないけれど、なんか「カチッ」としているというか角張っているというか、そういう感じがするんです。
家具作りでごく普通に使われる木なので、自分も良く使って来たのですが、そういう感覚があったので嫌いじゃないけど凄く好きって訳でもない、という中途半端な感覚で付き合ってきました。

でも、今度のミズナラは良いですね。刃物の通りも良い。硬すぎず柔らかすぎず、鉋掛けが楽しいです。

白太が多いんで、ちょっと工夫が居るけど、これはこれで何かに使えるでしょう。弊工房は小物づくりが多いので、大きな支障は出ないと思います。

北海道産・水楢。

流石、世界一の楢(japanese oak)と言われるだけのことは有ります。



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