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木の風車のこと

きっかけは、当時の日本を根底から揺さぶった、あの出来事でした。

もう、10年も経つんですね。

続く原発事故も、「ひょっとしたら、日本は終わり?」って思わせられる位、重苦しい状況を作り出しました。計画停電もありましたよね。

もう、それらの記憶も風化しているんでしょうか……

一連の出来事で、再生可能エネルギーが脚光を浴び、あちこちで太陽電池パネルを見かけるようにもなりました。そういう風に、自然に優しいエネルギーを積極的に開発すること自体は、きっと、良い事なんだと思う。

でも、どこかで割り切れないものも感じていました。

火力発電は炭酸ガスを放出するから原発の方が良い。でも、放射能が危険だから太陽光、風力、地熱…

でも、太陽光だって屋根の上に設置するなら、多分、問題ないと思うけど、山を切り崩して沢山のパネルを並べているのを見ると、「これってどうなの?」って感じてしまう。風力や地熱だって、やり過ぎればおかしなことになるだろうし。

エネルギー使い放題の生活。足りなきゃ、違う場所から持って来ればっていう価値観じゃ、どうしたって行き詰るよなぁ…。って感じたのが風車づくりのきっかけでした。

風鈴は、その音色自体もそうですが、風に気付く事で凉を感じますよね。

聴覚で出来るんなら、視覚でも行けるだろう、と思って作ってみたのが、木の風車でした。

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作ってみたら、思ったより好評で、多くの方々から関心をお寄せいただきました。

窓際に置いておくと、飽きずに眺めている自分に気付く事がよくあります。ほんのわずかな風でも、その存在を意識する事で、何となく涼しく感じる事が出来るようです。

https://www.iichi.com/listing/item/1987396

…と言う訳で、前提が大げさな割に、やった事は小さいですが、機械やエネルギーを使って、周囲の環境を変えるのではなく、自分の感覚へのアプローチを変えることで、大切な何かを感じ取るっていうやり方も有るんじゃないのか、というご提案でした。

…………

被災地の方々、特に大切な人を亡くされた人達は、表面上、元気そうに見えても、癒えない心の傷を負ったまま、いまだ苦しまれている方々も多いのではと心配になります。

「もう、10年も経ったんだから」

今の社会は、元気である事、前向きであること、ポジティブさなんかをごくごく当たり前に求めてきますよね。心に傷を負っていて苦しくても、そう言った周囲の期待を感じ、そしてそれを裏切ることが出来ないから我慢してしまうんだ。

だからこそ、

苦しい時は「苦しい!」、辛い時は「辛い!」、しんどい時は「今日は休み!」って気兼ねなく言えるようになればいいのに…。

周りの人達も「そうだよね。それでいいよ!」って言ってくれたら、どれだけ楽になれるだろう…

そして、そうした経験があれば、「よし、明日から、また、やってみよう!」って気になれるんだと思う。

みなさまに、心安らかな日々が来ることを、心から願っています。

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