風車作り、新旧比較
ここしばらく、お客様から初代の「かぜしらす・木の風車」のご注文にかかりきりでした。
一度に5台!
なかなか、こんな注文は頂けないですね。
お世話になった方々へのプレゼントにするんだとか…
有難いことです。
この形の風車を初めて作ったのは、3年前の8月頃。
クラフトコンペへの応募がきっかけでした。
それまでに作っていた物では力不足を感じていたので、以前から温めていたアイデアを形にして応募したところ、有難いことに入選となりました。
その当時は、形にするのがやっとで細かい加工などは、やっつけとまでは言わないけれど、現物合わせて的に鑢で削って形を合わせたりしていたので、隙間も多かったし精度も強度も十分では無かった様に感じています。
お客様から「初代のかぜしらすを…」とのご注文だったので、全体のデザインは変えられません。でも、細かい部分で「なんかなぁ…」と思っていた個所を改良しました。
まず、台座…
台座の厚みを9mmから7.5mmに変更。
また、補強の為に入れている「かんざし」の厚みを3mmから1.5mmに変更しました。
台座の脚も8mmから5mmに変更。
なんで、そうしたのかと言うと、その方が見た目が良いと思ったから。
初代は全体的に厚ぼったくて、野暮ったい感じがしますが、今作はスッキリした印象になるのではないかと思います。
また、一枚一枚の回転翼を支える支柱も従来の物より2mm程度、長くしました。これは、強度アップの為。
その他、色々改良しています。
ぱっと見には全然分からないと思いますが、作り方は大幅に変更しています。
結果的に、強度アップ、精度アップ。
より微風に反応するようになったと思います。
また、製作の工数も減ったか… (と思いたい)
です。(笑)
急がば回れですからね。
加工精度が悪くて隙間を埋める手直しが発生したり、加工不良で歩留まりが悪く、余分に部品を制作しておく手間を考えれば、少々段取りに時間がかかっても、現在の方法の方が良いと思っています。
それに、手戻りや不良品が発生すると作業が憂鬱に感じるのですが、一発で収まると嬉しいです。
そういう意味では、何となく、このタイプの風車に苦手意識があったんですが、今回は楽しかった…(少なくとも負担には感じなかった)です。
やっぱり、仕事は楽しくないとね…(笑)
…なんですけど、一つだけ、「ありゃりゃ…」っていうのがあって、
回転翼を4方向から支える支柱の一本が、反ってしまいました。
写真で見ても大きく変形しているのが分かると思います。
ちょっと位なら良いんですが、これだけ反ると使えません。
材料を見た時に、「これ、ヤバいかも…」って予感はしていたんですが、やっぱりでした。
材料の選定もしっかりやらないと… 反省しました。
一本だけ作り直すって、とても効率が悪いんですが仕方ないです。
歩留まりを考えて、最初から予備を作っておけばよかったんですが、新たな板から切り出すのが勿体なくて、ケチケチしたのが失敗の原因でした。
木は生き物ですからね。
こんな事もあります。
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